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2004年9月の記事

2004.09.29

大人になったらなりたいもの

 小学校の卒業文集の「将来の夢」コーナーには、具体的な職業を書いていない。ドラマ「あぶない刑事」がかなりはやったころで、「刑事」が目につく。このころは学校の先生になりたかったように思う。一時期は、保育園の先生になりたいときもあった。親に聞くと、「給料が安い」「男の先生の枠はない」と厳しく返され、まわりに保育関係者がいなかった私はあきらめざるを得なかった。

 第一生命が毎年おこなっている「大人になったらなりたいもの」という調査がある。未就学児から小学生を対象に将来なりたい職業を聞いている。保育園の先生は上位の常連だということが推移をみてもわかる。東京の私立保育園では都の補助金削減の影響で給料の切り下げが始まっている。さらに、都が企業参入のもとですすめる認証保育所A型の職員の月収は12~15万円の層が多い。昨年秋には保育士資格は国家資格として法定化されたばかりなのに。ストーリーも演技もイマイチだったが、NHKの朝ドラ「天花」の影響で保育士になりたい子どもたちは増えてくるようにも思う。

 子どもたちが育っていくなかで、大人がきっかけの芽を摘まないということが大事だと思う。不況のもとで進学を断念せざるを得ないケースが増えていたり、せっかく学校を出ても求人に常勤職員はなく、1年契約だったりということもある。せっかく保育士になれても、基準が低く体制の薄い認証保育所が初めての職場で、厳しい現実のなかでそこしか知らずにやめていくとすれば、施策と環境が芽をつんでいることになる。

 学校の先生、保育園の先生、弁護士、新聞記者、ライター、いろんな職業にあこがれたことがなつかしく、「大きくなったら」と考えると世代的には「めだかの兄弟」(わらべ1984年)を思い出す。芽を摘まないようにしていきたい。
 

2004.09.28

自称日本一の目にうつるもの

 都議会本会議の傍聴が2日間つづく。今日は各会派が基本姿勢と問題意識を示す代表質問、明日は個別の質疑をつっこんでおこなう一般質問へ。何の資格もない、また免許さえない私にも日本一なことがある。石原都政になって5年半、報道関係者以外で都議会の傍聴を重ねた数が誰より多い。
 傍聴券が186枚もあって知事や局長が答弁する本会議、20枚~40枚しか出ない厚生委員会を主にチェックしている。本会議での知事答弁の脱線は、恒例にもなっているがあまりにひどい。以前にも「共産党の言うことはやりません」と言い放ち、生活者ネットワークの代表質問で「しなやかな都政」という田中康夫長野県知事のフレーズがつかわれると、クルクルパーのポーズをとった。考え方、感覚の違う人に対して異常なほどに攻撃的だ。
 見識が問われるのは知事だけではないと思う。とにかく野次で少数意見や異論を封じる傾向が特に強くなっている。市民の党や自治市民93など私たちの思いを聞いてくれる議員や秘書と話すことがあるが、一人会派に対する議会運営や議員活動の扱いも厳しいものになっているという。
 今回の本会議では少子化対策などを取り上げる議員が少なくない。3・4日後には議事録の速報版も都議会ホームページに掲載されるようになった。議会の審議内容だけでなく、その雰囲気も含めて伝えていけたらと思う。

2004.09.25

こどもニュースに教えられること

 労働組合の役員として挨拶を、また平和団体の役員として発言を求められることが少しずつ増えている。文章を書くことは苦にならないが、人前で話すことはできれば避けたい方だ。高校時代に生徒会役員(実質的な生徒会長)を2年もやったが、書いてきた文章以外のことを口にすることはほとんどなかった。まず何を伝えるべきで、その上に自分が何を伝えたいか、考えることにしているが、なかなかうまくいかないでいる。
 新聞を読むことが大好きで、時間があるときはテレビニュースもみる私にとって、一番わかりやすい情報源はNHKの「週刊こどもニュース」。プロ野球選手会のストライキをめぐっても「ストライキとはどんなもの?」(9月18日放送)は参考になるし、「春闘って何?」(97年3月23日放送)は労働組合関連のどの資料より的確ではないかと思う。
 8月から9月にかけての忙しさに比べて10月からは時間に少し余裕もありそう。今何が起きているか、「こどもニュース」や「戦争のつくりかた」なども参考材料の一つにして、まとめてみようと思っている。何をどうとらえ、言葉にして伝えていくか、成長していきたい。

2004.09.24

早い、安い、うまいのない世界で

 22日、組合の学習会で話す機会があり、三多摩方面へ。某居酒屋チェーンへと流れ、さらにコアななかまたちとカラオケへ。歌広場で朝まで歌う。朝5時までいて一人2500円。このカラオケチェーン、お昼は高校生のアルバイトと契約社員、夜もアルバイトと契約社員でやっている。契約社員の募集も店内のチラシやホームページでされている。募集の詳細によれば、どんなにがんばって働いても基本的に月収は20万円に満たない。
 東京都がすすめている認証保育所に働く職員も厳しい条件におかれている。都が示した実態調査によれば、職員の月収で一番多いのは12万から15万円の層で、18万円以下は84%、20万円以上は6%に過ぎない。ボーナスなし年俸300万円を12でわって月に額面25万円、手取りで20万円という人もこの上位6%に含まれている。施設長でさえ20万円以下が4割もいる。企業参入を基本にしたA型(駅前)では人件費を抑えて企業本部が吸い上げるようにしなければ参入のメリットは薄い。
 カラオケ屋さん、牛丼屋さんなどで働くことももちろん大変だが、客にとっては1曲、1食は瞬間でしかない。マニュアルにそってメニュー通りのドリンクを、牛丼を提供さえすれば客の一定の満足度を得られる職業と違い、こまやかで継続的なかかわりを専門性として求められる。
 一日の大半を、成長期を過ごす繊細で純粋な子どもたちに、低コスト論を押しつけることはやっぱり無理がある。行政が責任を薄め、お金をできるだけかけないようにと動く中、私たちはおとなは今何をすべきだろう。
 のんきに飲んで歌って、帰って少し寝て、あわてて起きて、月収20万円をこえている人がほとんどいない保育所での学習会に参加して、そんなことを考えた。

2004.09.22

タガタメ

子供らを被害者に 加害者にもせずに この街で暮らすため まず何をすべきだろう?
日清カップヌードルのテレビCMに流れる、ミスターチルドレンの「タガタメ」。

子どもが子どもを、親が子を、子が親を、何の関係もない大人が親子のいのちを。
そんな事件が頻発し、大人たちの感覚はその異常さに慣れてしまっているのかもしれない。
大義の崩れた戦争は誰のため、何のため? 戦争支持のリーダーを持つこの国の大人たちは正面から語っているだろうか。

昨日、以前に実習でお世話になった園の尊敬するベテラン保育士さんから「曲を聴いて感動した。この曲かけながら平和を求めるデモをしたい」と携帯メールをいただいた。私もあらためて詞を読んで、同感。この考えるきっかけは、もらったメール。
行動するというと、すごく大きなことに感じるが、親指で打つメールに心動かされることもある。
話題にすることは誰にもできる行動の一つ。百字もないメールから、もらったものは大きい。
この曲がもっと多くの人に響くように、今日のウェブログに。これも、たった15分で私にできること。

2004.09.21

あやしいやつはやっちゃえ?

9月18日から20日まで静岡県伊東市で組合の全国大会に出席した。そこでも大会アピールが採択されたが、私が常勤している東京地方本部の定期大会(9月5日)でも大会アピールを採択。私はこのアピール文の起草に関わった。大量破壊兵器の発見を断念したとアメリカのパウエル国務長官が発言したように、イラク戦争の大義は崩れた。それでも小泉首相は、イラクが自ら証明しなかったことをあげて、戦争支持が正しかったと言っている。あやしいやつはやられてもしょうがないという論理を子どもたちにどう説明できるのか。

【大会アピール】
 福祉と平和が重大な危機
憲法を守りぬこう、いま私たちの手を広げて

 8月13日、沖縄で米軍のヘリが住宅密集地域の大学構内に墜落し、警察の立ち入りさえ拒否される事件が起きました。今日5日、大きな怒りが広がるなか、事故現場の宜野湾市で革新市長が実行委員長となって、基地被害を許さない大集会が開催されています。
 ヘリ墜落事故、米兵による暴行事件など痛ましい惨劇が繰り返されています。沖縄県の調査報告では、その日常的な影響として、航空機の爆音被害が激しい地域ほど低体重で生まれてくる子どもの比率が高いと告発しています。何よりも、「平和こそ最大の福祉」です。
 日本は唯一の被爆国で、59年前の反省のもとに戦争はしないと誓った世界に誇る平和憲法を持っています。しかし今、平和憲法を変えて戦争する国にしようという動きが強まっています。政府は米軍が始めたイラク戦争を支持し、自衛隊を多国籍軍に参加させています。国会に設置された憲法調査会も自民党も2005年に憲法改悪の具体化をねらい、民主党の岡田代表も、国連決議があれば海外で武力行使できるように憲法を「改正」すべきだとしています。
 「改憲派」の国会議員が多数派を占めていますが、憲法9条を守ろうという世論は逆風に負けず6割をこえています。作家の大江健三郎さんら日本を代表する知識人・九氏は日本国憲法を守るという一致点で「九条の会」を立ち上げ、「一人ひとりが、あらゆる努力を、いますぐ始めよう」と訴えています。このアピールは各地・各界に広がってきています。
 憲法25条は、権利としての福祉・保育を国民に保障しています。ところが、「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」はずの国が、年金を切り下げ、福祉や医療などの公的責任を投げ捨てようとしています。社会福祉や義務教育の国庫負担を一般財源化する動きに顕著にあらわれています。
 今の憲法を国・自治体は生かそうと努力してきたでしょうか。憲法改悪のねらいは、人よりも国を優先させて戦争のできる強い国、過度の格差を当然とする競争社会をつくることにあります。その犠牲になるのは、小さないのち、ささやかな声です。「あの憲法を認めません」と議会で答弁する石原都政のもとで、東京の福祉・教育は根本から崩されようとしています。
 戦争の最大の被害者は、いつの時代も子どもたち、障害者、高齢者です。日々いのちの大切さを実感している私たち福祉労働者は、福祉と平和を守る責任があります。憲法の改悪を許さないという一点を掲げ、職場・地域で手をつなぎ、いま私たちにできることを始めましょう。

 2004年9月5日
 全国福祉保育労働組合東京地方本部 第24回定期大会
※5日に予定されていた宜野湾市の大集会は暴風雨の影響で当日の判断で延期され、12日に3万人を集める抗議行動となりました。

2004.09.18

金メダル!

8月15日、非戦を選ぶ演劇人の会の公演に行った。テツandトモの「なんでだろう」のオープニングでスタート。こうしている間に戦争で人が殺されているのはなんでだろうと。有馬稲子さん、市原悦子さん、竹下景子さん、富田靖子さん、永島敏行さんなど、豪華な演劇人がピースリーディング(朗読劇)をおこなった。森山良子さんは「さとうきび畑」をうたいあげた。5月の公演では、アンパンマンやショムニでおなじみの戸田恵子さんも出演。川原亜矢子さんは、涙をこらえて沖縄のひめゆりの証言を朗読した。
作家の大江健三郎さんら九氏がよびかけて発足した九条の会のアピールに反響が広がっているが、よびかけ人や賛同人の年代の高さが気になっていた。しかし、9月8日付の九条の会ニュースに、賛同人として市原悦子さんらとともに川原亜矢子さんの名前が。
ハンマー投げの室伏選手はメダル獲得後、「(あなたにとって)オリンピックとは?」と聞かれ、「平和」と答えたという。母親がルーマニア人ということもあるのだろうし、国際舞台の豊富な経験からきているのかもしれない。ちなみに、室伏選手と川原さんは交際が伝えられている。
この二人の勇気と姿勢に金メダル!

2004.09.17

感じる時代の変化

インターネット協会によれば、日本のインターネット人口は2月末で6284万人になったという。勤務先や学校、携帯以外の自宅機器での世帯普及率も50%をこえたと報告している。漫画喫茶やインターネットカフェも増え、街の様子も変わってきた。福祉施設関連の労働組合で仕事をしていると、「保育園で働きたいんですけど、どーしたらいいんですか」「親のいない友達がいて、私もそういう施設で働きたいと思うようになったんですけど、何を勉強したらなれるんですか」などの問い合わせを中学生や高校生からメールや電話で受けることがある。時代の変化を感じる。今までつながれなかった人とつながれて力になれるうれしさと、丁寧にメールを返しても「ありがとうございました」のお礼メールもこないコミュニケーションの薄さも同時に。変わっていいこともあれば、そうでないこともあるはず。個人としてネットをつかって私に何ができるんだろうと思いながら、私のウェブログは今日始まった。

スタート!

今日からウェブログ始めました。ジャーナリスト専門学校に通っていたとき、時間内に自由に書く授業があって、「ショートショート(辞書によれば、気のきいた落ちのあるごく短い小説)はいいねぇ」と講師も学生仲間もほめてくれていたことを思い出しました。初めて新聞に投書したのは中学2年。中学、高校、大学、専門学校、就職後と、投書だけは続いています。昔から書くことだけは好きなので、日々感じたことをこの場をつかって自由に書いていきたいと思っています。

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