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2004.09.24

早い、安い、うまいのない世界で

 22日、組合の学習会で話す機会があり、三多摩方面へ。某居酒屋チェーンへと流れ、さらにコアななかまたちとカラオケへ。歌広場で朝まで歌う。朝5時までいて一人2500円。このカラオケチェーン、お昼は高校生のアルバイトと契約社員、夜もアルバイトと契約社員でやっている。契約社員の募集も店内のチラシやホームページでされている。募集の詳細によれば、どんなにがんばって働いても基本的に月収は20万円に満たない。
 東京都がすすめている認証保育所に働く職員も厳しい条件におかれている。都が示した実態調査によれば、職員の月収で一番多いのは12万から15万円の層で、18万円以下は84%、20万円以上は6%に過ぎない。ボーナスなし年俸300万円を12でわって月に額面25万円、手取りで20万円という人もこの上位6%に含まれている。施設長でさえ20万円以下が4割もいる。企業参入を基本にしたA型(駅前)では人件費を抑えて企業本部が吸い上げるようにしなければ参入のメリットは薄い。
 カラオケ屋さん、牛丼屋さんなどで働くことももちろん大変だが、客にとっては1曲、1食は瞬間でしかない。マニュアルにそってメニュー通りのドリンクを、牛丼を提供さえすれば客の一定の満足度を得られる職業と違い、こまやかで継続的なかかわりを専門性として求められる。
 一日の大半を、成長期を過ごす繊細で純粋な子どもたちに、低コスト論を押しつけることはやっぱり無理がある。行政が責任を薄め、お金をできるだけかけないようにと動く中、私たちはおとなは今何をすべきだろう。
 のんきに飲んで歌って、帰って少し寝て、あわてて起きて、月収20万円をこえている人がほとんどいない保育所での学習会に参加して、そんなことを考えた。

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