小泉さん、ターザンのあとに・・・
新潟県中越地震の起きた23日夜、小泉首相は東京国際映画祭のオープニングセレモニーに出席していた。地震発生時の午後5時56分時点は、ホテルの廊下にいたという。地震が起きたというメモを見たのはあいさつが終わった6時7分。6時15分に「舞台あいさつの時にいないと悪いだろう」と映画館に移動。着席したあと、新幹線の脱線と余震の続報を知り公邸に戻ることを決めて、7時8分に映画館を出た。公邸に着いたのは7時27分だったという。
1時間近く映画館にいたことを細田官房長官は「公務の範囲」とした。政府の全体の対応を批判する材料を私はまだ持っていないが、首相のリーダーシップは問いたい。防災大臣に指示しただけで、対策室にも入っていないし、すばやいメッセージも発しなかった。震度6強の地震は5時56分に起きたあと、6時12分、34分と続いた。7時8分での行動は遅すぎないか。避難生活を余儀なくされた人たち、救出を待つ人たちは、ラジオなどを頼りに不安を募らせている。政府がどう対応するのか、その具体的な策だけでなく、大丈夫という安心感が待たれているはず。リーダーシップが見えてこその。
「震度6強の地震への対応」を理由に舞台あいさつをもっと早く中座しても、被害の大小にかかわらず批判は起きなかったと思う。スポーツ報知は2日続けて首相の対応について報道している(「小泉首相はそのときターザン」・ 「大丈夫!?小泉首相の危機管理」)。地震情報が入っていなかった状況でのあいさつ内容(ターザンの真似など)はともかくとして、その後の対応は適切でなかったと思う。
田中康夫長野県知事は24日の報道番組で、
「サッチャー元英首相は国内で飛行機が墜落したとき、ヘリで駆け付け遺族をなぐさめるなどした。このようにみんなを冷静に鼓舞するのは大事なこと。私も台風の被災地をヘリで回った」
として首相の現地入りを求めた。迅速かつ十分な支援とあわせて、今こそ目にみえるリーダーシップを望みたい。
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なんだったっけな~、詳しくは覚えていませんが「銀河英雄伝説」っていう小節の中で、祝いの席なのに皇帝に対して腹心の参謀が敵襲をしらせ、他の提督は不満たらたらながらも防衛に出動する、なんてシーンがありました。
その時の参謀の台詞「吉事は延期できるが凶事は待ってくれない」を、この記事を見て連想しました。
地震と聞いたらまず被害状況を確かめるのが筋のはず。阪神大震災のとき村山首相も動きが鈍かった。沖縄の米軍ヘリ墜落のときも上京した知事や市長に夏休みを理由に会わなかった体質は、えひめ丸沈没を聞いても賭けゴルフを続けた森元首相から引き継いだものでしょうか。
投稿: KEN-NYE | 2004.10.29 12:38