コミック「夕凪の街 桜の国」
この国が何を誇りにすすんでいくのかという論議をしていくべきときに、三位一体改革、イラク派兵期限の1年延長、定率減税の廃止など、大きなことがあっという間に決められようとしている。
おととい、ジャーナリストの大谷昭宏さんの講演を聞く機会があった。大谷さんは、59年間、この国が戦争で他国の人を殺さないできたこと、世界一の長寿国になったことをあげて、いい国なのかどうかの基準は、いのちをどれだけ大切にしているかということ以外にあるのか、なぜその基本になっている憲法を変えようとするのかと問いかけた。
ここで私は、憲法観、社会観をこえて、ひとつの本をおすすめしたい。平和なはずのこの国で子どもが被害者になる事件があとをたたないなか、いのちが、生きることがどれだけ大切なんだろうということを等身大で考えさせてくれたのは、コミック「夕凪の街 桜の国」(こうの史代 双葉社 2004年10月発行)。ふだん漫画を読まない私がこのコミックを手に取ったのは、A Confucian Confusionというブログがきっかけ。このコミックについて私の知る限り、ネット上で反響が広がり、絶賛の風がふいている。
メディアでも取り上げられている。さまざまな立場をこえて、一人でも多くの人に読んでもらいたい。
・中國新聞(2004年10月24日朝刊)
・読売新聞(2004年10月27日夕刊)
・asahi.com 2004/10/29松尾慈子の漫画偏愛主義
・サンデー毎日(2004年11月28日号)
・朝日新聞(2004年11月28日朝刊)
・広島平和記念資料館メルマガ第16号「読んでみたいこの一冊」(2004/11/1)
私の手元にあるのは上記の記事。桜色の表紙と流れる涙にまた、大切なことを想う。そんな一冊。
« 「さらば外務省」の天木氏も見解示す、イラク意見広告の会、賛同者氏名の紙面掲載は28日までにメールで | トップページ | 「貧富の差拡大」過半数 読売新聞一面 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- テレビはなぜおかしくなったのか(2013.01.29)
- ショートショートの神様(2012.07.20)
- 世界から飢餓を終わらせるために(2012.04.09)
- 子どもと保育が消えてゆく!?(2012.02.23)
- 被災地の子どもたちが奏で歌う「かぞえうた」(2012.02.06)
「平和」カテゴリの記事
- イラク戦争から10年で580兆円、犠牲は18万9000人(2013.03.18)
- 日本の空は今も占領下? オスプレイと低空飛行訓練(2012.11.20)
- アメとムチ、沖縄と青森、基地と原発と(2012.10.02)
- あれから17年 矛盾の上に咲く花は(2012.09.09)
- 8月15日を過ぎても考え合いたい番組です(2012.08.15)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: コミック「夕凪の街 桜の国」:
» 「夕凪の街 桜の国」その2 [つぶやき手帳]
土曜の日に買って読んだのだが、いまだに胸の中でグルグル回っている。
うまく整理はつかないのだが、ともかくもなにか書いておきたい。
「けれど こんな風... [続きを読む]
« 「さらば外務省」の天木氏も見解示す、イラク意見広告の会、賛同者氏名の紙面掲載は28日までにメールで | トップページ | 「貧富の差拡大」過半数 読売新聞一面 »
コメントありがとうございました。
TBもさせていただきました。作品を読んでいない人にはわけのわからない、点景的な感想ですが。
もっとカタチをつけて、まとめてみたいとは思っています。
この作品を読んだ人がじっとしていられないのは、「継いでいく」という、命の想いを感じるからではないでしょうか。
投稿: 主義者Y | 2004.11.30 01:36