「貧富の差拡大」過半数 読売新聞一面
購読している新聞以外に駅でスポーツ新聞(だいたい日刊スポーツ)を買って電車に乗って出勤というのが私の朝のスタイルだが、今日11月の最後30日は、一面トップの記事がどうしても気になり、読売新聞も買った。
「貧富の差拡大 過半数」という大きな見出しがついた記事。自分の生活レベルを「中の下」「下」と考える人が10年前より10ポイント以上増え、「中流意識」が揺らぎ始めている傾向が、読売新聞社の全国世論調査(13、14日実施、面接方式)でわかったというもの。 調査によれば、「貧富の差」が大きくなっていると感じる人も過半数に達した。
「痛み」による先行き不安と「成果主義」導入などによる「負け組」が増えていること、それを多くの人も認識しているということだろう。
紙面にあるグラフでいうと、
1989年に「中の下」としていた人は19.7%。1994年に19.9%と上昇をみせ、1999年に22.2%まであがり、今回2004年には28.1%にまで跳ね上がっている。
「貧富の差」が「大きくなっている」という人は、「どちらかといえば」を合わせ55%。「小さくなっている」は8%。「変わっていない」は34%。買い控えなどの支出抑制も「下」の層ほどしていて、格差の意識も強い。
貧富の格差がそのまま機会均等を奪って、さらにその格差が広がる。そんな坂道を下り始めた今、その弱肉強食でいいのか、セイフティーネット(社会の安全網)はどうあるべきかを考えあうときだ。
憲法25条がうたう権利へすすむのか、そうでない自己責任・競争社会へ突き進むのか、問われている。憲法「改正」論議を、実際の生活の視点からみていくべきではないか、そんなことを考えさせられる記事・世論調査だ。
日本国憲法 第25条〔生存権〕
1 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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