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2004.11.08

刑務所と保育所の共通点

 私は満員電車にはあまり乗らない。少し遅れる程度なら、各駅停車を利用している。人との距離が近すぎる状態が続くと、気持ち悪くなることがあるからだ。

 11月5日、法務省が公表した04年の犯罪白書に驚かされた。毎日新聞などの報道によれば、服役中の受刑者は昨年末時点で6万1534人。43年ぶりの6万人突破。定員を8751人オーバーしているという。定員に対しての収容は、昨年末で116・6%。データが残る72年以降で最も高くなったとあり、横須賀刑務所(神奈川県)や尾道刑務支所(広島県)では140%を超えた。異常にもほどがある。就寝場所の確保のために、図書室に2段ベッドを設置したり、食事を作業場でとらせることもあり、6人部屋に7人などの例は少なくないようだ。これで、まともな更生・社会復帰にむけた訓練と生活ができるのか。財政拠出をおしむことで、犯罪リスクの増加につながっていないか。
 
 保育園も定員を超えて受け入れる定員の弾力化がすすめられている。年度途中なら125%をこえて受け入れることさえ容認された。大阪で男性保育士が男児に暴行を加える事件が先月明らかになり、懲戒解雇されたが、この保育所も定員230人に対し、園児数279人。もちろん、その男性保育士を擁護するつもりはないが、この状況にもっと大人は関心を持つ必要があると思う。廊下でお昼寝という状況さえある。虐待問題が深刻になる中、児童養護施設も定員いっぱいの状況だ。

 小泉さんは待機児が減ったことを参院選でもアピールした。しかし、それは保育所の定員の弾力化で減ったにすぎない。居酒屋で10人が8人の席につめて座ることは「痛み」にはならないと思う。しかし、子どもが半日過ごす場で、定員をこえてどんどん受け入れるということはあるべき姿ではない。

 満杯でさらに入れようとするエレベーターガールはクビだろうし、ブザーの鳴らないエレベーターは修理しなければ。保育関係者だけでなく、少なくとも、混んだ電車の8人がけの席を7人で座っている大人たちは、定員の弾力化でなく、今ある保育所を増やすことを真剣に訴えるべきだと思う。

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