新聞販売店の集金のお仕事 私、働くお兄さんでした
前述したように、私は2年ほど、新聞販売店に勤めながら大学に通う新聞奨学生をやっていました。今から10年も前の話。新聞販売店にいたことがあるという作家の田口ランディさんはブログで、「配達の大変さは肉体的な大変さだけれど、集金ってのは精神的な大変さだなあ」と言っていますが、私もそうだと思います。
「怒鳴られたとか、お札投げられたとか、払ってくれないとか、そういうことしょっちゅうだった」と目にしたことを語っていますが、もちろん、私も同様の経験が。
・今日はお金がないから何日の何時に来てくれと言われて、行ったら引っ越していた。
・電話で指定されていた日時にいったら、数分遅かったので払わないと言われた。
・1ヶ月新聞を読んどいて、「契約した覚えがない」と言われたり(読んだ覚えはあるでしょう)。
こんなことは珍しくなく。
夕刊を配り終わっても、その日の夜10時に1件の約束があれば、忘れないように行かなきゃいけないんですね。誰もかわりに行ってくれませんから。
引っ越しで集金できなかった顧客の代金を担当のスタッフに自腹で払って処理させる販売店の方針もあって、理解のできないことは多かったです。美術展や観劇、野球の割引チケットも毎月数枚ずつ持って訪問するのですが、親切なお客に渡そうと努力はしたものの、チケットを渡さないと新聞代を払わない客が数件あるせいで、なかなか良心的な人にまで渡すことはできず。毎月何かのチケットをもらっている(要求する)人と普通に新聞代を払っている人との差って、何なんでしょうね。長期に自動引き落としで購読している人なんて、そんなメリットはないのに。
あまったチケットで神宮球場とか、私も行きましたが。あれから10年たって、そのチケットが新宿のチケットショップに数百円でいつもおいてあることに気づくと、やっぱり販売店の関係者が流しているのかなと思ったり。
内情はまた今度整理して書くことにします。
私、新聞販売店を2年でやめたあと、3年間専門学校に行きましたが、いろんなバイトをやりました。居酒屋さんのホールスタッフ、事務所の移転作業、お寺・お墓の清掃、年賀プリントの仕上がりチェック、缶工場での包装・検品、製パン工場作業、飲料メーカーの卸し作業補助、コミックマーケット会場の宅配便受付、宅配便の仕分けなど、いろいろと。この社会を実際にささえている地味なものが多かったですね。特に何かの技術があるわけでもなかったということもありますが、短期でいろいろとやってみたかったんです。
おかげで、社会がこのような地味な仕事でまわっているということを体感できました。学校の先生とか保育園の先生は、その道一筋という人が多いですが、社会のいろんな仕事に実際にふれてみるということをもっと踏み込んでやる意欲とシステムが私は必要だと思っています。国会議員、地方議員も含めた公務員、公務労働にかかわる人には欠かせない視点ではないでしょうか。
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