島田紳助さん「復帰」 吉本興業の配慮がなさすぎる
島田紳助さんが昨日2日に「行列のできる法律相談所」の最後に出演し、「復帰」したことについて、私はキョーレツな違和感を持った。
暴行事件後の10月の会見は、ワイドショーなどでもかなり使われたが、「髪をつかんで座らせ、平手で一発」としていた。しかし、その後の略式起訴の際には「右手やリュックサックで頭を殴ったほか、髪をつかんで壁に打ち付け、つばをはきかけるなどの暴行を加え、約2カ月のけがを負わせた」という起訴事実を認めた。
島田紳助さんの暴行事件の被害者・女性社員の代理人は年明けの復帰について12月28日、「時期尚早? はい。反省していないと思う。今後どういう態度をとるか見ていきたい」と答えたという。女性はいまも都内で通院中で、PTSD(心的外傷後ストレス障害)だったことも判明して、職場復帰のメドも立っておらず、今後は症状など被害状況を把握したうえで、民事訴訟に踏み切るという。刑事処分後は紳助側からの連絡もなく、徹底抗戦の姿勢だとされている。
2日の生出演で島田さんは、「謹慎中、これまでの人生にないくらい深く反省し、今も謝罪の気持ちで一杯です。特に(けがをさせた)相手の方に本当に申し訳ないことをしたと、この2か月間、深く反省してきました。今後とも誠心誠意対応したいと本心から思っています」と語った。
反省したことは伝わってきたが、ブラウン管を通しての謝罪が2度目になると、1度目がどうだったのかについて少なくとも事実が違ったことを番組の生出演という形のなかでも認めなければならないと思う。テレビで育って、生きていくわけだから。「謝罪会見に事実が違うことがありました」と。
それにしても、吉本興業という会社は、配慮がなさすぎる。示談は成立せず、民事は残っている。関係は、連絡すらない。この状況からすれば、「行列のできる法律相談所」というあまりにも今回の件に直接的すぎる番組は、島田紳助さんのためにも、女性社員のためにも、降板させるべきだ。
「うれしくない」紳助複雑復帰(スポーツニッポン2005/1/3)も、「収録中に“訴える”とかいう言葉が出る度へこむと思います。でも(降板は)僕が決めることやない。つまらん司会者になってしまったかもしれない。そうしたらスタッフに降ろしてもらいたい」と昨日の出演後の会見での苦悩を報じている。
また、出演している4人の弁護士も「法律相談所」でのコメントが難しくなるはず。特に住田さんは女性の権利に明るい方だと聞いている。前回の都知事選でも、具体的な政策への私の評価は避けるが、女性、子ども、高齢者、障害者の視点を大事にと立候補した樋口恵子氏を中心的にかついだなかの一人でもある。
タブーがあるなかでの法律論争は、バラエティーとしてもおもしろくなくなる。少なくとも「行列のできる法律相談所」を降板させることが、所属タレントと女性社員を守ることになると思うのだが。
日本テレビ「行列のできる法律相談所」のホームページは、島田さん復帰について何もふれていない。このような相談所に行列はできるのか。。。
※島田紳助暴行事件リンク集に、芸能関係者の紳助擁護・紳助批判の両論が載っています。
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紳介のテレビ復帰に異議あり。芸人としても余りにも下品である。今回の事件とは関係なく、彼の芸能活動とは一体何だろうと疑問に思うことが多い。
漫才のボケ、ツッコミのやり取りの場合は、相手の欠点を敢て口汚くののしることによりその効果を狙う事はよくある事である。しかしテレビの司会者であったり、バラエティー番組の一メンバーの場合は当然、それなりの対応が求められるが、とにかく他の出演者、あるいは一般の視聴者に対しても、人を見下したり、傲慢な発言をしたりして、笑いを取ったり、うけを狙う手法は、不快きわまり無いものである。今回の事件は起こるべくして起きたと思います。吉本興業も看板芸人として重用し、また各マスコミも漫然と受け入れ早々に復帰させるとは理解に苦しむ。傲慢な芸人をますます増加させるだけである。
投稿: 糸賀成三 | 2005.02.14 22:28