本の紹介「夕凪の街 桜の国」
この3ヶ月間ずっとこだわっているコミック「夕凪の街 桜の国」(こうの史代 双葉社)。日本原水協(原水爆禁止日本協議会)の機関紙「原水協通信」新年号(1月6日発行)でこの本の紹介をさせていただいた。
紹介文とカラーの表紙、「原爆十周年 みんなの手で原水爆禁止世界大会を成功させましょう」という廣島準備会の看板が立つ街頭募金の様子がみえる8ページ、皆実が8月6日を思い浮かべて「ごめんなさい」としあわせを拒む23ページを掲載。
***
◇本の紹介 「夕凪の街 桜の国」(こうの史代・著)
発行=双葉社 A5判103ページ 定価800円(税抜)
原爆投下から十年、一九五五年のヒロシマを舞台に、三十代の著者が「最もか弱き者たちにとって、戦争とは、原爆とは何だったのか」を丹念に描いている。「生き残ってしまった」思いにかられる女性は、淡い恋に「うちはこの世におってもええんじゃと教えてください」と問い、「生きとってくれてありがとうな」と心が結ばれる。しかし、原爆症が襲いかかり・・・。
当時の街や人の姿、文化、言葉が細かく描写され、第一回を迎える原水爆禁止世界大会の告知ビラや「世界大会を成功させましょう」という街頭募金の様子も登場する。
昨年十月に単行本として発売され、多くの新聞や雑誌の書評だけでなくネット上でも反響が広がり、日常の視点での想像力と多くの涙が生まれている。
半世紀をつなぐ短編三作の構成で、中学生にも読めるコミック。被爆六十年を迎え、一人でも多くの人、特に若い世代におすすめしたい。身構えのいらない傑作!
【以上、「原水協通信」新年号より(2005年1月6日発行 日本原水協)】
「原水協通信」は毎月1回発行、年間購読料2640円
原水協通信についてのお問い合わせは日本原水協(原水爆禁止日本協議会)へ
同号には、広島市長、長崎市長の新春のメッセージと、「原水爆反対!命を平和を未来を奪わないで!!!」と書いた色紙を手に写った女優で歌手の上戸彩さんのインタビューなども掲載されています。おすすめです。
「夕凪の街 桜の国」については、下記の過去の記事でもふれてきました。
・2004年をふりかえって、ありがとう(2004/12/30)
・「夕凪の街 桜の国」と「父と暮せば」(2004/12/18)
・コミック「夕凪の街 桜の国」(2004/12/7)
・コミック「夕凪の街 桜の国」(2004/11/29)
・夕凪の街 桜の国(2004/11/10)
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トラックバックありがとうございました。
「うちはこの世におってもええんじゃと教えてください」という
言葉には胸が詰まります。悲惨でリアルな描写ではなく、
温かい絵なのに辛さや悲しさ、何とも言えない心の動きが
伝わってきた作品でした。
投稿: ha_ll | 2005.01.07 01:24
トラックバック、ありがとうございました。
「ぜんたい この街の人は 不自然じゃ」という言葉、あのお風呂屋さんのシーンはとてもリアルに胸に突き刺さりました。
そんな細やかな部分まで考えて見たことのなかった自分に気づかされました。
投稿: masagonasu | 2005.01.07 09:04
半袖のワンピースを着ることなく、花嫁姿の自分を想像することもなく、真夏も長袖に身を包む乙女に
胸がつかえます。
でも、さらに後半の現代を舞台にしたくだりには、
さらに胸をかきむしるものがありました。
「終わっていない」ことがつきつけられるから。
教科書の歴史の1ページにしないために、
若い世代に読み継がれていってほしいですね。
亡くなった方々の凄惨な状況はインパクトもあり
ますし、原爆=大勢を一瞬で焼き殺した という
イメージがあります。
でも、一瞬の地獄だけではなく、生き地獄をその後ずっとずっと、いろいろな形で味わっている人々に目を向けた力作だと思います。
投稿: ルー | 2005.02.02 19:57