石原都政の「開かれた福祉」って? 保育のゆくえは・・・
石原慎太郎が都知事になってもうすぐ6年。彼が目玉にしているもののひとつに「福祉改革」があります。営利企業が経営できて、13時間開所と0歳児保育を義務づけた認証保育所の推進がその象徴です。私立の認可保育園への補助は基本的には削減され、また人員などの加配は縮小の方向で「見直し」がすすめられています。
さて、昨日3月15日、東京都福祉保健局のホームページに、東京都の第4回次世代育成支援懇談会の開催告知が掲載されました。同日の段階では東京都のホームページには間に合わなかったようです。次世代育成支援対策推進法ができて、今年度(3月末)までに今後の行動計画をまとめなければならないとされているために設置された懇談会です。これまで3回開かれてきて、今回が最後になります。
開催日はなんと3月18日。申し込みは先着順で20名、17日までにと。今年1月7日から20日にかけて検討状況が公開されてパブリックコメント(意見募集)が実施されましたが、第3回(12月1日)の議事録が掲載されたのは締め切り間際の1月17日。なんとも不思議な「開かれた福祉」なのです。このことにかかわる庁内会議は知らないところでたくさん開かれてはいるようなのですが。
私の知る限り、短期間での傍聴募集や遅い議事録の公開などホームページ以外の都の広報などで、この重要なテーマについて告知されたものはないはずです。
3月31日までに行動計画を策定しなければならないと法律で決まっていますから、リミットはそこ。この最後の懇談会のあと、アリバイ的なパブリックコメント(意見募集)がされ、策定されるようです。
第4回次世代育成支援懇談会を開催します。(2005/3/15東京都福祉保健局)
次世代育成に関するパブリックコメントを実施します(2005/1/7)※1月20日で終
了
次世代育成支援東京都行動計画に関する検討状況
※パブリックコメント実施の際に出されたもの
【ブログ内関連記事】
・やっぱり変だ!石原都政の「開かれた福祉」(2005/1/7)
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横浜では「横浜保育室」(とうきょうでは「認定保育所」かな?)で、企業参入の地ならしをしました。補助金つきの「無認可」を乱立させた後、市有地貸与の認可園増設、認可促進事業、と認可園の増設に走りました。さらに、幼稚園の預かり保育実施、はまっこ幼保園構想、で幼稚園の活用。都市部の病児保育、24時間保育、と次々に新規事業を進め、利用者への「サービス」向上をアピール。いよいよ加速度をつけて「公立園の民営化」が進んでいます。(これが本丸)公立保育園はかつての「国鉄」並みの攻撃をうけるだろうな、とおりがみは読んでいます。
おかげさまで、「横浜保育室」の中で認可園に移行した園も増えましたが、同時に、存続の危機に瀕している「良心的な」無認可も出てきています。地域によっては大型スーパーができたために個人商店が閉店するかのような状況が保育所にも起こってきたわけ。
それなに、ああそれなのに、待機児童は減りません♪
このうえなにをやれってんでしょうねえ?
数字の上で待機児童が3桁、2桁と減ったところで「勝利宣言」でもやらかすつもりなんですかしら?まったくアリバイ作りとしか言いようがない。
投稿: おりがみ | 2005.03.17 12:09
おりがみさん、コメントありがとう。私もまったく同感です。大型スーパー対個人商店、コンビニ対商店、マニュアル工場対職人という図式。心意気の本家のここ江戸で、しかも子どもの少ないここ東京で、「バーコードをピ!」的な流れを行政・政治・政党がつくり、本流にさせていいのか、問われていると思います。
今日でブログ半年。101件目の、しかも長文のコメント、励みになります!
投稿: tamy | 2005.03.17 23:55