悔いのない卒業式に
昨日3月13日、フジテレビ「情報ライブEZ!TV」(日曜夜10時)で、いま最も多く卒業式で歌われている卒業ソング「旅立ちの日に」が特集された関係で、私のこのブログに先週6000以上のアクセスをいただきました。この歌の力、ほんとにすごいですね。
昨日の放送を観ましたが、思ったよりも待たされました。夜10時スタートの番組で、特集が始まったのは11時近くになってから。最後に発祥の地、詞を書いた元校長と、曲をつくった先生、影森中学OB100人の合唱が終わったのは11時ちょっと過ぎ。それが実質的なエンディングとなりました。
それまでは肉親殺害事件、自民党の衆議院議員のわいせつ事件、放火にゆれるドン・キホーテの陳列対策などが続いて。暗くすさんだ時代背景、世相のなか、子どもたちは旅立ちを迎えていますね。
番組のなかでは、新潟県のある中学での「旅立ちの日に」が紹介されていました。3番の歌詞を毎年卒業生が考えあい、自分たちの思い出をしっかり歌に刻んで、卒業式で歌うことが。合唱はみんなでつくるものですが、詞までみんなでつくるとは。
いま中学の6割で歌われているというこの歌ができたのが14年前ですから、今年30歳の私はちょうどすれ違っています。その私、九州のある中学校を卒業しましたが、日の丸卒業式をめぐって、学校がゆれにゆれました。日の丸・君が代強制の出始めでした。それまでの手作り卒業式が認められない運営も含めて、ゴタゴタがあり。その詳しいことはまた後日、今月中に書こうと思っていますが。
教師の大量異動が実質的な処分として露骨にあったこと、教頭の説明が「(正面中央に)掲揚しないと国際化社会にふさわしい人材にならない」という不十分なものだったこと、この理解ができず、私なりの異議申し立ては続きました。生徒総会でも、教頭とやりあいました。心はドキドキ、足はブルブル、頭はフラフラでしたが。
卒業式を迎え、名前を一人ひとり呼ばれるときに返事をするかどうか、一人悩みました。直前までは抗議の意味をこめて私だけになっても返事をしないと決めていたのですが、黙っていることが抗議なのかという思いがよぎり、力いっぱい「はい!」と返事をしました。微妙な空気が流れたことを覚えています。
誰のためにやったのかわからないような式が終わって、ある教師が声をかけてくれました。「一番大きないい返事だったよ」と。その教師とは入学当初から授業のやり方などについていろいろとうまくいかず、ずいぶん失礼なことも言いました。3年生になってかかわりが急になくなって。お互いに気になっていたのです。私にもその教師にも涙があふれました。
これから卒業式を迎える卒業生には、想い出を大切に、気持ちをこめて、返事をしたり、歌を歌ったり、最後にやれることをやってほしいなーと、思っています。合唱なんておとなになってやる機会はないし、ほんとにうらやましいです。
中学を旅立ったのが15歳。その後15年を迎えようとする私。中学時代、もっと響きあえたらよかったなー。合唱なんて授業であったかなーと、ちょっと心残りです。
※追記
もう1つ卒業式で迷ったのが、君が代の時に立つかどうか。教師への批判などをしてきたせいで上層部の一部の私に対する評判は高くなかったです。たまたま遊びの中で私のグループがガラスを割ったときには、わざと体当たりまでされて怒られたり、挨拶しても返してこなかった教頭が、卒業式の練習になると張り切って「指導」する姿にものすごく大きな違和感がありました。歌わない人は人間としてふさわしくないという表現を遠まわしに言っていましたし。前年までは許された日の丸正面中央でないパネル卒業式(日の丸中央上部)がダメになった経過も説明も最後まで理解できませんでした。
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