私が「SAPIO」を買ったわけ 人事考課・成果主義を問う
昨日13日、発売されたばかりの雑誌「SAPIO」2005/4/27号(隔週発売 小学館)を買った。幅広く新聞や雑誌を読む方だが、「SAPIO」を立ち読みや図書館でなく、自分のお金で買って読んだのは数年ぶりになると思う。
新聞に載った雑誌広告で、[人事制度]離脱企業続出! 社員のやる気を削ぎ、モラルを低下させる「成果主義」の悪弊/高橋伸夫という記載があったから、買う気になった。
高橋伸夫氏は東京大学大学院経済学研究科教授。著書『虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ』(日経BP社 1680円)など、人事考課・成果主義がそもそも企業になじまないと言っている。著書などは高橋伸夫教授のホームページを参照されたい。
「SAPIO」はそのリードで、3月18日に労務行政研究所が発表した調査結果(2005/3/18プレスリリースPDFファイル参照)で労使ともに成果主義人事制度について「問題あり」と回答したことにふれ、高橋教授のレポートに入っている。
ちなみに、この労務行政研究所の調査結果については、朝日新聞などでも報道された。
東京都の施策誘導で、福祉・保育職場にも人事考課・成果主義の導入がすすんできている。私も関連労組の役員としてその矛盾を強く感じている。
私は「SAPIO」という雑誌の全体の論調とは一線どころか、かなりの距離をおくが、今号の特集「ニッポン株式会社 解体新書」は読むべきところが多い。
一般企業にお勤めの方はもちろんだが、私からすれば、福祉・保育、医療、教育といった、最近になって人事考課・成果主義が入り始めた分野に関係するすべての人に、特にこの高橋伸夫教授のレポートをおすすめしたい。
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