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2005.05.06

JR西日本にブレーキはなかった

 4月25日に起きた尼崎の脱線事故。107人のいのちがその「脱線」の犠牲となった。事故から10日がたち、JR西日本の非常識な対応は驚きをこえる。

 JR西日本天王寺車掌区(大阪市天王寺区)の社員が脱線事故当日にひらいたボウリング大会が始まる前の段階で、参加した区長など43人のうち13人は事故が起きたこと、多数の死傷者が出ていることを知っていて中止しなかったことが明らかになった。

 報道を総合すると、当日の経過は以下のとおりになる。 

9:18 脱線事故発生

9:24 大阪支社の各職場に事故発生の放送

11:30 会社で区長が事故発生を聞く

12:30 ボウリング場集合(参加43人) 死者37人に 兵庫県警、自衛隊に応援要請

13:00 ボウリングスタート(2ゲーム)。事故発生を13人が認知も、中止の進言などなし

※勤務の副区長が区長の携帯に状況報告の電話をかけるが、区長は着信に気づかず

13:50 ボウリング終了 区長が本部に連絡し惨状を知る

15:00 22人、居酒屋へ移動。飲み放題コースで2次会。区長は幹事に「中止した方がいい」と話すが、「大人数の予約キャンセルはしにくい」(幹事)として実施。

16:28 二次会終了 会計は10万8千円

17:00 12人、すし店で3次会スタート

20:00 3次会終わり解散も、2人は焼肉屋へ

***

◆関連情報

・天王寺車掌区には、事故の当事者の運転士(死亡)や車掌も所属したことがある

・事故直後、管理部門の社員全員に非常招集をかける「第一種A体制」が阪神・淡路大震災以来10年ぶりに発令。

・ボウリング大会の成績は、翌日まで社内に掲示

・被害の大きさを知っていた13人のうち5人は2次会にも参加

・3日夜に社長が報告をうけていたが、報道陣の追及をうけるまで隠す

・所属の区は違うが、乗り合わせたJR西日本の運転士2人は事故後、救助活動などを行わないまま職場に向かい、所属電車区もその事実を把握しながら予定通りの勤務をさせていたこともっていたことも明らかに

***

 テレビや携帯などで事件の規模の大きさを知っていながら誰も「中止を」と言えない。球を投げ続け、2次会、そして3次会。。。

 安全とモラルが常に問われる公共交通。生活上、この会社にいのちを預けざるをえない人も多いなか、会社と社会が一体にあることを思い知らされる。

 オーバーランにもほどがある。まじめに働いている社員も当然いると思う。しかし、ボウリング大会をめぐっては、この会社と社員にブレーキはなかったのだ。

 JRバッシングは当然だ。ただ、同時に問われているのは、私やあなたがブレーキを持っているか、ブレーキを踏む勇気があるか、ではないか。

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俺が思うには「ていうかよく酒なんて飲む気分になれるなぁ」ってところやねんけどなぁ [続きを読む]

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