民主党、都議選マニフェスト大幅修正ってどうなってんだ?
都議選を前に、民主党がおかしい。都議選マニフェストが大幅に変わったのだ。5月23日に発表され、翌日には民主党東京都連のホームページに掲載されたのだが、直後から一部スポーツ紙などで「最大の支援団体から反発」と報じられてもいた。連合東京とうまくいってなかったようだ。
6月15日付の朝日新聞で「大幅修正」が伝えられたが、すでに発行された冊子10万部が配布されている。あるブログの情報によれば、冊子版マニフェストの地下鉄の経営一元化のページを手作業で黒塗りにして配っている候補者もいるという。あとになってその項目が全面削除されたからだ。
また、冊子版にある「公設保育所に対する245億円の補助金を廃止し、代わりにすべての保育所利用者に1人当たり月額2万円の「子育てクーポン」を支給」という政策は削除され、幼稚園と保育園の一本化などに差し替えたというが、変更を伝える紙をはさんで配っているらしいという話もある。
0歳児保育実施園への看護師・保健師の配置や、1歳児クラスでの増配置(国の基準では子ども6人に職員1人だが、都加算で子ども5人に職員1人)、延長保育のための加算など、加えて私立の認可保育園への人件費補助(民間社会福祉施設サービス推進費補助)も、民主党のいう廃止対象245億円に含まれているという。
冊子版にはその都加算廃止、子育てクーポンの支給が示されているが、ホームページには掲載初日の5月24日からその政策はなく、当初から幼稚園と保育園の一本化が掲げられていた。おそらく、冊子版の入稿後に内部で反発が起き、web開設時の差し替えになったと推察できる。
マニフェストについてピープルズ・コメントを募集し、6月10日と23日にwebを更新し、マニフェストの修正・バージョンアップをするとホームページには示されている(「東京マニフェスト2005について」参照)。
だが、どれだけの都民が更新のたびにタイミングよくアクセスし、変更したことを知りえるだろうか。また、冊子版をうけとるだけでも積極的だと思うが、それに書かれていることが全面削除されていたり、大幅に修正されているのでは、何を信頼して判断し、投票すればいいのだろうか。
内部での意見集約も不十分なまま出され、支援団体の労組からも猛反発をくらったことも明らかななか、次の更新でまた大幅に変えられることもありえるわけだ。
2人の都議が百条委員会の問題での「造反」を中心的にあおったとして、都議会民主党の会派から除名処分となり、現在は会派無所属の扱いになっている。しかし、民主党都連の公認は変わらない。19人中6人が造反して、中心とされている2人は除名、4人はそのまま。
民主党、わかりにくいことだらけだ。
ただ、保育については3月11日の都議会予算特別委員会で、民主党の都議が市場の拡大とバウチャー制度(利用券)の導入を迫った上で、「我が党として、この課題については常任委員会の中で、またさらに深めてまいりたい」と宣言しているように、基本線(保育の市場化、バウチャー・クーポン方式導入)は変わっていないはず。
労組に配慮、大幅修正 民主党公約集 地下鉄一元化を削除
(2005/6/15朝日新聞東京版)
民主党は、都議選に向けて公表した公約集「東京マニフェスト」のうち、「都営地下鉄と東京メトロの経営一元化」や「全小学校に警官常駐」などの項目を変更した。もともと有権者からの意見を受けて告示前に改訂するとしていたが、同党を支援する連合東京傘下労組などの意見に配慮して大幅修正した。
同党や連合東京によると、公表後に連合系労組から「学校の安全対策を警官配置に限るのは決めつけすぎだ」「地下鉄を一元化しても必ずしも合理化にはつながらない」などの意見が示された。これを受けて同党は、警官配置は「学校安全専門員」に改め、地下鉄一元化については項目全体を削除した。
同党都連幹事長の手塚仁雄衆院議員は「もともと改訂することを公表しており、最初のマニフェストはたたき台。労組だけではなく、すべての意見を尊重した」と話している。
また、これとは別に「子育て」に関する項目は意見集約前の5月末に大幅に変更していた。
公設保育所向けの補助を廃止し、保育所利用者1人あたり月2万円の「子育てクーポン」を支給するとしていたが、これを削除。代わりに幼稚園と保育所の一本化などを盛り込んだ。「党内に賛否両論が起き、集約が難しくなったため」としている。
※経過とコメントが書かれているため全文転載
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