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2005.07.30

「言葉の暴力を許すな」 スポーツ紙コラムが問う

 都議選が7月3日投票でおこなわれ、4週間。7月22日の初めての庁議で、石原知事は、「百条委で多少ゴタゴタしたが、そんな問題がこれからの都政の進むべき道を本質的に変えるものではない」とした。同日に辞任した浜渦副知事について「この東京のために彼をこれから活用しようと思う」と会見で語った。約3800万円の退職金を得て、浜渦氏は都も出資する第三セクター・東京交通会館の副社長に9月から就任する予定だ。ここでも退職金が受け取れる厚遇。いわゆる天下りだ。

 躍進した都議会民主党は、先の議会で「やらせ」質問をした中村明彦都議を幹事長にすえ、議会にのぞむことが明らかになっている。選挙で強調した野党色について、新幹事長は消極的な姿勢を早くも見せている。

 週2・3日しか登庁しないこと、浜渦専横体制があることなどが選挙直前にマスコミで取り上げられた。そんなことは前からわかっていたはず。問題を継続的に追う、一過性にしないということがメディアに求められていると思う。

 7月28日、日刊スポーツの記者コラム「見た 聞いた 思った」(桐越聡)を読んだ。このコラムは10人の記者が毎日交代でメッセージを書くもので、この日のタイトルは「言葉の暴力を許すな」。

 「『文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ』なんだそうだ。『女性が生殖能力を失っても生きてるってのは無駄で罪です』って。男は80、90歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む能力はない。そんな人間が、きんさん、ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害だって…」。

 という、「週刊女性」01年11月6日号のインタビュー記事「石原慎太郎都知事吠(ほ)える!」のなかでの知事の発言。この撤回と謝罪を求めた動きを追っている。1審敗訴のあと、25日から東京高裁で控訴審が始まったことを、石原批判を書いてきた私も知らなかった。

 原告の一人、55歳の女性のくらしのなかでの怒りが記事から想像できた。

 記者は、投げかける。

 「そんな市民を、広く傷つけるような社会的強者の発言は許されるのだろうか?体に傷となって残る暴力とは違って、言葉の暴力は法律の網にかかりにくいともいわれる。だからといって野放しにされたままでいいのだろうか?」

 都議選でも石原応援団を信任してしまった私たち都民。そんなことで訴えるなよという声も多くあると思う。傷つくほうが弱い。そんな社会ではゆるやかなやさしさはなくなっていく。「何を言ってもいい」が「何をしてもいい」と認めていくことにもなりかねない。

 記者の視点が鮮明になる、この記者コラムを興味深くいつも読んでいる。今回のような記事がスポーツ紙に掲載されたことをうれしく思う。スポーツ紙の読者の大半は男性だが、ふだん読むことのない女性に、日刊スポーツ記者コラム「見た 聞いた 思った」をおすすめしたい。コメント、トラックバック機能を外したブログとして、ネット上で読むこともできる。この記事の記者には激励のメールを送るつもりだ。

■日刊スポーツ記者コラム「見た 聞いた 思った」

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