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2005.09.26

映画「亀も空を飛ぶ」 戦争を背負う子どもたち

 戦争で大きく傷を負った子どもたち、「何のための侵略だ?」との質問に、何も答えられない若い兵士の表情。映画「Little Birds イラク戦火の家族たち」は、イラク戦争直後の現地に何が起きたのか、暮らす人々の視点にあわせてその事実の一端を果敢に伝えた。

 今日観た映画『亀も空を飛ぶ』(東京・岩波ホール9/17から11月中旬)は視点がもっとさらに低い。登場するほとんどが子どもたちなのだ。2003年3月から4月にかけての米軍侵攻、バグダッド制圧、この時期にイラク北部のクルド人地域で何が起きたかに焦点をあてている。

 地雷を掘り出すことでわずかな収入を得て生きていく子どもたち。それでも、難民の子どもたちは直接地雷を掘り、村の子どもたちはそれを運ぶという、差別的分業も生きていく上でごく自然に成立している。地雷で片足を失っても、腕を失っても、それしかない「仕事」をしっかりこなしていく。そこに無邪気な子ども時代は残念ながらない。

 地雷を売り、仕事を調整・調達するリーダーの少年は、難民の少女に恋をする。両腕のない兄を持ち、背中には目の不自由な幼子が。彼女が重く背負わされたものはいったい何なのか。次第にそれが明らかになっていく。

 生きることへの絶望を感じ、笑うことのない彼女、失うものが多い中でもたくましく生きようとする少年。

 戦争が子どもたちに何を生み出しているのか、私たちおとなは目を背けてはいけない。彼らは否応なく戦争の傷を負っているのだから。実際の戦争やその後の占領や処理を決めているのはすべておとななのだから。イラクの人口の半分は子ども(イランも)。「生きる」ということに対する答えを私たちは持っているだろうか。

 イラク戦争の是非、自衛隊派遣のそれも問われるべきだろう。マスコミは8月に何年分の特集をやったきり、戦争をもう取り上げなくなった。イラクで何か起こっているのかを知る材料が少なすぎる。

 イラン・イラク戦争、湾岸戦争に苦しみ、またフセイン政権からの迫害も受けたクルド人問題は複雑で、単純な判断はできないとは思う。

 それでも、戦争の一番の被害者は、子どもたちであることが現実のなか、「平和主義」を掲げるこの国の役割、そして私のやるべきことは何なのかと、あらためて考えさせられた。

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