国民の声を綱引きで決めていいのか
選挙って、綱引き一発勝負でいいのでしょうか。
昨日の記事「劇場選挙、声が正確に届かない制度って?」に続けて、選挙結果をどうみるかを書いてみます。あ、内容はほぼいっしょです。
前回2003年の総選挙では、議席は自民党233、民主党177などの結果になりました。
それが今回は自民党296、民主党113などです。
自民党は63も増え、民主党は64も減り、「自民党圧勝」などの報道がされているわけです。
ちょっと待ってくれ、です。
みなさん、実感はありますか? たぶん、ないでしょう。
だって、票はそんなに動いてないんですから。
小選挙区での得票率は、前回の自民党は43.8%、これが47.8%に4%あがっただけです。
民主党は前回36.7%が36.4%にちょびっと減っただけです。
もちろん、小選挙区は擁立したりしなかったりが党によってありますから、単純には言えないのですが、実際の票が国民の声だとすると、実感はないはずなんです。
「郵政」を言い続けて、小選挙区で4%増やしました。
これが小選挙区で自民党219、民主党52という議席の差になったんです。
主要政党が候補を立て、選択肢の多い比例代表では、自民党38.2%(前回比+3.2)、民主党31.0%(前回比-6.4)。比例代表の議席は自民党77に対して民主党61です。
単純には言えませんが、小選挙区で4%の票が自民党に動いた、いや投票率は67.51ですから、有権者100人村の68人が投票に行き、そのうちの4%、つまり2人か3人(2.7人)が、前回入れなかった自民党に入れました。それで、自民大圧勝! これが小選挙区制のおそろしさではないでしょうか。
ちなみに、私は民主党のファンではありません。制度について言いたいだけです。
比例代表を全部なくして定数300の小選挙区制だけを残せという人が自民党にはもともと多かったし、この結果をうけてさらに論調は強まるでしょう。また、「惨敗」した民主党も比例代表180のうち80を減らすということを前回と今回の選挙で主張してました。東京の小選挙区で民主党が唯一勝った菅さんは代表のときに、「将来的には単純小選挙区も」と言ってました。シャレにもなりません、笑えないぞ、菅さん。
比例がなければ、小選挙区のみで、219対52だったんですよ。
数十人で綱引きやってていい勝負してても、「やっぱり向こうに移る」って人が数人出たら、勝ち負けがはっきりくっきり決まる。シーソーも同じですが。また、数十人集めないと、綱引きにも参加できない、勝負にならない。綱引き選挙制度、これでいいのでしょうか。
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