イタリア全土の劇場と映画館でスト
芸術の秋。最近いくつか映画を観るようになった私。
聖域なく「芸術」まで削ろうとするイタリア政府と、それに対する関係者の抗議行動に考えさせられた。
イタリア全土の劇場、映画館が24時間スト(2005/10/16朝日新聞)
イタリア政府が来年度のショービジネス業界への補助金を大幅に削減する予算案を計画していることに抗議して14日、全国の劇場やほぼすべての映画館が24時間ストを行った。ミラノ・スカラ座やナポリ・サンカルロ歌劇場などの有名劇場が公演を中止したほか、ローマでは多数の業界関係者らが抗議デモに参加し、計画の撤回を訴えた。
政府は財政難のため、今年4億6400万ユーロ(約650億円)だった補助金を来年は35%カットの3億ユーロ(約420億円)にする予算案を計画。多くのオペラや映画業界は補助金に頼っているため、労組などは削減で「スカラ座を含む5000社が経営難に陥り、5万人が失職する恐れがある」としている。「予算案が通れば、06年ベネチア国際映画祭の開催が危ぶまれる」と懸念する映画関係者も。
14日は「ライフ・イズ・ビューティフル」などで知られるロベルト・ベニーニ監督の新作映画の初日だったが、翌日に延期された。同監督は「何でも削減する政府と戦う」とストを全面支持。指揮者のクラウディオ・アバド氏も「政府はあらゆる手段で文化を抹殺しようとしている」と批判した。ノーベル文学賞を受けた喜劇作家ダリオ・フォ氏も「芸術家の団結」を訴えた。
芸術先進国で、「何でも削減する政府と戦う」とストを支持する監督、「芸術家の団結」を訴える作家。
日本政府は映画・演劇などショービジネスにどれだけのお金を出しているのだろう。
たしか、「改革をとめるな」と絶叫し、「劇場」政治を主宰するあの人は芸術好きで知られているが。
もともと削れないほどに補助金が低いのか、それとも削減の対象になっていない「聖域」なのか。
現状を伝え、必要なものは何なのかをアピールするネットCMくらいできないものか。日本の映画・演劇関係者の声は、あまり聞こえてこないように思う。
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