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2005.12.29

交通事故現場を目にしていのちの重さを考えた

 29日明け方、ゴミ出しへ。車道に数台のパトカーがとまっているのが見えた。近づいてみると、交差点で2台の車が斜め45度の角度で衝突していた。高級車とタクシーの運転席が正面から食い込んでいた。車内に人はすでにいなかったが、タクシーの料金メーターは1万2千円台を表示していて、後部座席にも流血のあとがあった。少なくとも3人が死亡したのではないかと推察される。

 滅多に見ることのない現場を目にしたのだが、交通事故は増えていても、死亡者数は年々減っているという。今年の交通事故による死者は6000人台という49年ぶりの低水準になる見込みと発表されたばかり。

<交通事故死者>49年ぶり6000人台へ 警察庁(2005/12/28毎日新聞)

 今年1年間の全国の交通事故死者数が49年ぶりに7000人を割り込むことが確実になった。警察庁によると、27日までの全国の死者数は6787人で、昨年同期に比べ450人減。死者数は6751人だった1956年以降、7000人を上回っていた。同庁は「道交法の改正による罰則強化や取り締まりの効果」とみている。
 27日までの都道府県別の死者数では、愛知県が343人(昨年同期比14人減)と最多で、埼玉318人(同15人増)など。13年連続で最も多くの死者を出していた北海道は前年同期に比べ82人減の301人となっている。2年連続で過去最悪だった発生件数、負傷者数もそれぞれ92万134件、113万8769人で減少に転じる見込みだ。

 社会的な関心が高かった高校時代(90年代前半)、学校の図書館で社会の状況を示すさまざまな数字を調べたことがある。その頃、交通事故による死者は1万人を、一方で自殺者は2万人を少し超える状況だった。

 当時に比べ、交通事故死者は減り続けているが、自殺者は90年代半ばから驚くほどに増え続け、この7年間は3万人を超えて推移している。推移については以下を参照されたい。

自殺者の年次推移

自殺者の年次推移(自殺死亡統計の概況 人口動態統計特殊報告)

日本の交通事情-交通事故死者数等の推移

 政府は、今後10年間で自殺予防に乗り出し、97年以前の水準を目標に総合対策にとりくむという。

自殺予防で総合対策 政府、97年以前の水準目標(2005/12/26共同通信)

 政府は26日の「自殺対策関係省庁連絡会議」で、年間3万人を超える状態が1998年以降続いている自殺者数を、今後10年間で97年以前の2万5000人以下に抑えることを目標として掲げ、総合的な対策に取り組んでいくことを決めた。
 自殺者数が減少しない背景には、経済状態の悪化に伴う過労やリストラ、健康や家庭の問題があるとされるが、詳細な分析は行われていない。このため政府は、厚生労働省を中心に統計調査のデータを多角的に分析するほか、自殺予防に向けた新たな調査も検討する。
 また自殺予防対策として、都道府県に対し、民間団体と自殺対策連絡協議会を設置して連携を深めることや、自殺問題を担当する部署の明確化を求める。
 このほか、厚労省が予定している自殺予防総合対策センターの新設や、国土交通省による駅のホーム柵増設など各省庁の対応を取りまとめた。

 90年代中盤に何が起き、そしてここ数年はどんな社会経済状況にあり、そこに政治がどんな姿勢と施策を打ってきたのかを検証する必要があると思う。

 バブル崩壊後、90年代中盤にリストラが本格化し、また長引く不況で中小企業も倒産・縮小を余儀なくされ、ここ数年は格差社会の広がりを推進する政治のもとで、人生設計に見通しの立たない状況がこれほど多くの自殺者を生み出してきたのではないだろうか。

 小学1年生が痛ましい事件に巻き込まれ、いのちが、その尊さが危ぶまれている。子どもを守るというとりくみが緊急かつ重大なものとして行なわれているが、大人社会にお互いのいのちを守るという関係がない限り、しわ寄せと歪みが子ども社会を襲うということになるのではないか。

 今の小学1年生が生まれてから、6年間で約20万人が自らのいのちを絶っている。この事実をしっかり受け止めることができなければ、私たちが子どもたちにいのちの尊さを説いても、説得力を持ち得ないのではないだろうか。

 自殺者を10年間で2万5千人以下にという目標に私は政府のやる気を感じない。いのちの重さを具体的に社会が保障する、生存権を具現化した文字通りの社会保障のあり方が問われているのだと思う。

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