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2006.01.02

2006年、基地問題とどう向き合うか

 今日は新聞休刊日。年明けの昨日、スポーツ新聞各紙を読み込んだ。

 中でも興味深く読んだのは、スポーツ報知の社会面。

 1月22日投開票で行なわれる沖縄・名護市長選挙で基地移転反対派が勝てば、小泉政権も揺らぎかねないと指摘している。また、1月の名護市長選に続く、4月の沖縄市長選、11月の沖縄県知事選と、選挙スケジュールを明らかにもしている。

「小泉政権揺らぐ?沖縄の乱」(2006/1/1スポーツ報知)

 2006年の政局は、9月に自民党総裁の任期を終える小泉純一郎首相(63)の後継選びが最大の焦点だ。すでに国民的人気が高い安倍晋三官房長官(51)が一歩リードという見方もあるが、実は大きな落とし穴も待ち受けているという。永田町関係者の注目を集めるのが「基地移転反対派が勝てば、米国一辺倒の小泉政権も揺らぎかねない」という22日投開票の沖縄・名護市長選。沖縄からポスト小泉をめぐる波乱の幕が開くのだろうか。

 ポスト小泉争いは、現時点では安倍氏が有力のようだ。党内の一部にある「温存論」に対し小泉首相は直々に総裁選出馬を促した。竹中平蔵総務相と中川秀直・自民党政調会長との「安竹中」トリオで閣内と党に太いパイプも構築。父・晋太郎氏のなしえなかった悲願成就に、環境は整いつつある。

 だが「乗り越えなければならないハードルは意外に高い」とみるのは、政治ジャーナリストの山村明義氏。4月に結論を出さなければならない皇室典範改正。そしてライフワークともいえる北朝鮮拉致問題をどのような形で決着させるのか。「どちらも安倍支持派が大きな関心を寄せる問題で、かじ取り次第では総裁選前に大きな逆風になる」と山村氏は言う。

 もうひとつ、首相官邸から大きく離れた沖縄で、今後の政局を左右する問題が重大な局面を迎える。在日米軍再編をめぐる普天間飛行場の移設先として日米両政府が中間報告で合意したキャンプ・シュワブ沿岸部がある名護市で1月に市長選が行われるのを手始めに、4月に沖縄市長選、11月には県知事選と選挙ラッシュになるのだ。

 衆院選で圧勝した「小泉劇場」も実は沖縄では敗北続き。衆院選沖縄1区で自民党を離党した無所属の下地幹郎氏が勝つと、人気者の杉村太蔵氏を応援に投入した宮古島市長選、北谷町長選も連敗。「1月22日投開票の名護市長選で敗れ、中間報告の見直しになれば、日米安保体制に影響を及ぼしかねない」(関係者)だけに、7日に小池百合子環境相が沖縄入りを予定するなど総力戦の構えだ。

 野党側も一枚岩ではない。見え隠れするのは“剛腕”小沢一郎民主党前副代表の存在だ。「名護市長選の勝利は、小泉政権だけでなく、米国寄りの前原誠司代表にもプレッシャー。民主党も9月に代表選を控えており、小沢流の“王手飛車取り”」と関係者はいう。

 小沢氏は昨年11月下旬、沖縄で民主党・喜納昌吉氏、下地氏と会談し、「反自公」で協力を確認するなど準備を着々と進めている。自民党は「9月の総裁選に向けて7月からキャンペーンを始める」(関係者)予定だ。しかし、1月に沖縄から波乱が起きれば、その筋書きも大幅に書き換えざるを得ない状況となる。 

 米軍基地の再編をめぐっては、基地強化になる神奈川や山口・岩国などの市民団体・労働組合だけでなく、市長など自治体関係者も厳しい姿勢をとり、まさに住民運動になりつつある地域も広がっているようだ。地方紙・神奈川新聞も社説で再編問題を厳しく批判している。

神奈川新聞社説「日米首脳会談」(2005/11/17)

 沖縄の普天間飛行場の移設先をめぐって、従来からの反対派だけでなく、推進する立場だった人々からも、新たに決まった移設先に対して反対の声が高まっているという。

普天間移設先『沿岸案』に揺れる辺野古 反対派、座り込み続行(東京新聞2005/11/7)

 この状況で迎える名護市長選挙は、まさに米軍基地を問うものとして、沖縄だけの問題ではないはずだ。

 さらに、基地問題に対し座り込みをしていた僧侶が突如逮捕される「事件」が、警察側によって積極的につくられたこともあった。私は、集会等で10回以上この僧侶の発言にふれているが非暴力を体現している人。推進派でさえ「想定外」だった移設先が出され、基地問題が大きな矛盾を露呈するなか、反対する人々をおさえこむ姿勢が強まっている。

横行する『プチ逮捕』 立川ビラ事件 一審無罪でも(東京新聞2005/11/14) 

 沿岸案の変更を考えない政府と、現段階では「拒否」の立場を掲げた県知事。その狭間の自治体はどうか。沖縄の有力紙・琉球新報は以下のように伝えた。

沿岸案「反対」10首長 基地所在首長アンケート(琉球新報2006/1/1)

 米軍基地を抱える県内21市町村長のうち「拒否を貫くべきだ」と明確に拒絶したのは10人で、過半数に満たない。また、露骨な「振興策」を受ける北部では、8市町村長のうち、明確に拒否したのは金武町長のみ。振興策で基地をのませる政府の方針を認めない本土の世論が求められてはいないか。

 私はこのブログで重ねて基地被害にふれてきた。

沖縄でまた悲劇 痛ましい基地被害はどこまで続くのか(2005/7/4)

 また、少子化ではなく、騒音被害のある基地周辺では子どもが小さく生まれている「小子化」が引き起こされていることについても具体的に明らかにした。

基地被害で子どもが小さく生まれる島(2004/11/1)

 基地問題が新たな「再編」方針をうけて、本土にも広がってきているなかで、やはり10年前のあの「平和な島を返してください」という女子高生の問いかけに、私たちはどのような判断をしていくのか。

平和な島を返してください(2004/10/8)

 日本の人口は1億2776万人。137万人の沖縄に75%の米軍基地を背負わせ続けている私たち。この国の一番の矛盾と日常的に向き合わなければならない沖縄の声が政府と国民にどう響いていくのか、2006年は沖縄だけの乱では大きな変化はないはずだ。

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Born To Run 【NEWSWEEKへGO】 『世界、ちょいびき!』、今年最初の「タイムガイダンス」は、ニューズウィーク(NEWSWEEK)からご案内したいと思います。2006年、政治の世界で一番の関心事と言えば、小泉首相の後継問題です。首相自身が、年頭の記者会見で、「政界におきましては、最大の関心事」であり、「国民から支持を得る」後継者に託したいという旨の発言をされていました。次の選挙は、不人気な政策課題に答を出さざるを得ないだろうと言われていますので... [続きを読む]

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