名護市長選、結果は基地容認ではない
22日、在日米軍の再編問題が各地へ波及している中、全国的な注目を集めた沖縄県名護市長選挙の投票が行なわれ、保守系で経済界と前市長、稲嶺県知事の支援を受けた島袋氏が当選した。(選挙開票結果)
選挙結果を受けて、普天間飛行場の移設について日米合意した辺野古沿岸案を修正し、滑走路を沖合いに数百メートルずらすことで合意ができる。そんな声もあがっているようだ。
しかし、下記の朝日新聞による出口調査によれば、辺野古周辺への移設について、「反対」が約8割にのぼり、「地域振興への期待」で、今回の選挙結果になったことが明らかになった。反対派候補が党派をこえた保革相乗りにしぼられなかったことも大きかったようだ。
普天間移設反対が8割 名護市長選、本社出口調査(asahi.com2006/1/22)
朝日新聞社が22日、名護市長選で投票を終えた人を対象に出口調査を実施したところ、米軍海兵隊普天間飛行場の名護市辺野古周辺への移設について、「反対」と答えた人は79%に達した。また、投票の際に重視したのは「地域振興への期待」が42%を占めた。移設による負担増を嫌う一方で、基地受け入れと引き換えとされる国の振興策に対する期待も高いことが浮きぼりになった。
出口調査は市内の全17投票所のうち13カ所で実施、1336人から有効回答を得た。
投票の際に最も重視した点を尋ねたところ、「地域振興への期待」と答えた人は42%だった。その68%が政府や沖縄県と連携し、地域振興の継続を訴えた島袋氏に投票していた。一方、「普天間移設問題への姿勢」は44%で、その82%が基地受け入れ反対を前面に出した他の2候補に投票していた。
支持政党別では、自民支持層は74%、公明支持層は81%が島袋氏に投票。民主支持層の26%も島袋氏に票を投じた。我喜屋氏を推薦した政党支持層は3~4割近くが他の2候補に流れ、まとまらなかった。
島袋氏は30代、60代を除くどの年齢別でも、他の2候補を上回った。
政府や新市長、県知事は、「反対派」が47.8%を得票したこと、さらにこの世論調査を受けとめるべきで、総選挙で大勝した自民・公明、現職の県知事と市長と経済界のバックアップをうけても52%にとどまったことは、もっと深い分析が必要だと思う。
そうは言っても基地移設修正容認派が勝ったじゃないかという声もあるだろう。でも、県民所得は全国平均の6割、8%前後で全国の2倍。そんななかで、争点が基地反対か経済振興かという2択であるはずがない。
再編問題が波及している全国の他の自治体と住民、そして在日米軍基地の75%をなお沖縄に押し付けている国民の反応・反響をまずみつめたい。
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» 普天間移転と名護市民の選択 [残 照]
沖縄の普天間飛行場の名護市辺野古への移転建設に Go ! が出たということなのでしょうか。
昨22日投開票された沖縄県名護市市長選挙では、稲嶺県知事の支援を受け、前岸本市長の後継者と見られる保守系(自民、公明推薦)の島袋氏が当選しました。
社会大衆党、社民党、共産党、民主党が推薦し、移設反対を明確に主張していた我喜屋(がきや)むねひろ候補は破れてしまいました。
今頃、米軍当局者はニンマリと当選祝いに駆けつけているのでしょうかね。
在日米軍再編をめぐり日米両政府は普天間飛行場移設について、... [続きを読む]
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