« ママチャリとビールケースとジャンケンと千葉補選 | トップページ | むかし、学校の先生に言われたこと »

2006.04.22

労働運動の変化を求めて思うこと

 今週は、会議で浮く日々が続きました。ほかに誰もふれないなら私がと、建設的な意見、積極的な姿勢をと自分に言い聞かせながらの発言、疲れますね。私、もともと人前での行動に、消極的なタイプですから。

 さて、私は労働組合の職員で、組合のざまざまな仕事をやっています。平和運動にもかかわっています。

 会議に出ると、労働実態の異常さを変えるために国民的な運動をとか、平和憲法を守り生かすためにさまざまなとりくみを、なんて言葉が飛び交います。

 さまざまな分野の労働組合の役員と向き合う会議のほとんどは、団塊の世代が中心ですが、「いま、街頭での宣伝が重要だ」なんて発言があると、決意と共感が会議出席者に広がるのが表情を見てても伝わってきます。

 ほんとにそうでしょうか。

 ブロガーがこの1年で400万人から800万人に増えたという調査もあります。ここ数年で、情報宣伝をめぐって大きな変化が生まれている。変化し続けている。その動きをどこまでわかっているのかなぁ。国民運動という大きな看板を掲げながら、すべっていないかという検証はきちんとしているのかなぁと「?」だらけです。

◆<連合>団結、ネットで呼び掛け 集会よりもブログ(2006/4/19毎日新聞)

 大衆行動より、ネットで団結――。労働組合のナショナルセンター・連合(高木剛会長)は、サラリーマン増税阻止の反対運動で、初めて本格的にインターネットを利用した反対キャンペーンに取り組む。大規模デモにシュプレヒコールで反対の意思表示をしてきたの運動スタイルの転向。組織率が20%を切った労組が、ネットで大衆に投じる石は、波紋を広げることができるか。
 連合はサラリーマン増税への反対運動を始める際、ネットを使った意識調査を実施。対象は20歳以上のサラリーマン世帯の男女で、非組合員や主婦を含め約1000人が回答した。それによると、増税問題を知っていたのは約22%。知らなかった人には、問題を説明したうえで賛否を聞くと92.5%の人が反対した。また、6割の人が署名やブログ、ホームページ(HP)などで、何らかの反対の意思表示をしたいと答えた。
 増税問題は複雑で、ビラや街頭宣伝だけでは説明が難しい。連合は、アンケート結果も受け、広く反対世論を形成するには、大衆行動だけではなく、ネット利用が有効だと考えた。
 キャンペーンでは、増税になった場合に自身の増税額が試算できるコーナーを作成。著名なブログ作成者に連合の取り組みを説明し、ブログへの書き込みやなどを依頼、キャンペーンサイトへ誘導する広告の出稿などを行う。今月20日には、連合のHPとは別の増税反対HP「シンク・タックス.jp」も立ち上げ、6月中旬には、約5000人規模の要請行動、反対集会を計画している。
 連合本部は「街宣こそ運動との思いの人も多いが、アンケート結果を見ても、ネットで呼び掛ければ市民は応えてくれると期待している」と話している。

 労働組合大手の連合は、このようにネット活用に本格的に踏み出す方針を固めたようです。

 「増税について考えませんか」と、サラリーマン増税の試算もできる「think-tax.jp」というサイトも立ち上げています。

 このネット活用方針(という言い方もおかしいのですが)、下記調査が大きく影響しているようです。

サラリーマン増税に関する意識調査リリース~サラリーマン増税反対 92.5%(PDFファイル 連合2006/4/13)

 ブログなどインターネットで広げたいという声が出て、それを方針化したようですが、今までの宣伝戦略が何をもとに打たれていたのか、疑問です。

 労働運動の象徴とされているメーデーについて、連合も全労連も全労協も、ネットでの呼びかけや説明は、数十人が参加するシンポジウムや集会よりもされていないのが現状です。

 ネット活用、私もさまざまな会議で訴えていますが、なかなか響きませんね。このブログはその実践のひとつとして、やっている面もあります。

 街頭での行動や職場での学習会など、身近な連帯をアピールしていくことはもちろん重要ですが、それで終わってしまっては自己完結。

 組織率が下がり続けている労働組合、一方で不払い残業は解消されず、雇用の非正規化はどんどんすすんでいます。求められているのは、自己完結でない発進力。

 老舗の労働運動や平和運動の根幹から、宣伝戦略の見直しが求められているのではないでしょうか。

 浮くことをおそれずに、発言、表現、発信を続けていきたいです。

« ママチャリとビールケースとジャンケンと千葉補選 | トップページ | むかし、学校の先生に言われたこと »

社会」カテゴリの記事

コメント

tamyさんがんばってください。なんかよくわかります。

励ましありがとうございます。
ブログときどきのぞかせてもらっています。


労働組合やそこに関わる私たちはもっと外にひらいていかないと。強調される危機感が広がりにつながっていかないですよね。

はじめまして。貴ブログへの突然の書き込みをいたします失礼をお許しください。「運動型新党・革命21」準備会の事務局です。
私どもは、このたび「運動型新党・革命21」の準備会をスタートさせました。この目的は、アメリカを中心とする世界の戦争と経済崩壊、そして日本の自公政権による軍事強化政策と福祉・労働者切り捨て・人権抑圧政策などに抗し、新しい政治潮流を創りだしたいと願ってです。
私たちは、この数十年の左翼間対立の原因を検証し「運動型新党」を多様な意見・異論が共存し、様々なグループ・政治集団が協同できるネットワーク型の「運動型の党」として推進していきたく思っています。
★既存の中央集権主義に替わる民主自治制を組織原理とする運動型党(構成員主権・民主自治制・ラジカル民主主義・公開制の4原則)
この呼びかけは、日本の労働運動の再興・再建を願う、関西生コン・関西管理職ユニオンなどの労働者有志が軸に担っています。ぜひともこの歴史的試みにご賛同・ご参加いただきたく、お願いする次第です。
なお、「運動型新党準備会・呼びかけ」全文は、下記のサイトでご覧になれます。rev@com21.jp

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 労働運動の変化を求めて思うこと:

« ママチャリとビールケースとジャンケンと千葉補選 | トップページ | むかし、学校の先生に言われたこと »

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

ツイッター

影響されてるよー

注目!