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2006年6月の記事

2006.06.28

「夕凪の街 桜の国」8月に広島ロケ 07年夏公開へ

原爆で生き残った者のうしろめたさを丁寧に描いたコミック「夕凪の街 桜の国」(著:こうの史代 双葉社)

普段マンガを読まない私が、このブログで特にこだわってきたもの。

2007年夏公開で映画化が決まっている。埼玉県内に被爆後10年の広島の街を再現したオープンセットをつくり、8月には広島ロケに入るという。

監督は「陽はまた昇る」「カーテンコール」「半落ち」「四日間の奇蹟」などの佐々部清さん。最新作の「出口のない海」は9月に公開予定。私は「チルソクの夏」しか観たことはないけれど。佐々部清監督のホームページほろ酔い日記も映画化についてふれている。

6月20日の中国新聞(広島を中心にした地元紙)が取り上げた。

■こうのさん作「夕凪の街」映画化(2006/6/20中国新聞)

▽下関出身の佐々部監督 8月広島ロケ

 広島市西区出身の漫画家こうの史代(ふみよ)さん(37)=東京都中野区在住=の広島原爆をテーマにした話題のコミック「夕凪(なぎ)の街 桜の国」が、映画化される。下関市出身の佐々部清監督(48)がメガホンを取り、今夏に広島市内でロケがある。

 単行本は二〇〇四年十月に出版。文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞などを受賞した。広島で被爆した女性の十年後を描く「夕凪の街」、一九八七年と二〇〇四年の東京を舞台に被爆二世の姉弟らが主人公の「桜の国」の二部構成。日常を淡々と描く温かい筆致が、若い世代らに共感を呼び、現在約十七万部、韓国やフランスなどで翻訳版も出ている。

 佐々部監督は、「半落ち」で〇四年度日本アカデミー賞作品賞を受賞。監督が所属する東京の映像製作会社などが映画化に踏み切り、キャスティングを進めている。一九五五年の広島の街を再現したオープンセットを埼玉県内につくり、七月二十日にクランクイン。八月十日から広島ロケをする。来年夏に公開予定。

 ロケハンで今月、広島市を訪れた臼井正明プロデューサー(41)と佐々部監督は「被爆の記憶を引き継ぎ、明日に向かって希望を持って生きている主人公。現代の家族のきずなの物語として丹念に描きたい」と語る。

 こうのさんも「佐々部監督から漫画のキャラクターに何度も会いたい気持ちになるような映画を撮りたい、と聞いた。世界の人に一層親近感を持ってもらえれば嬉しい」と歓迎する。(円山文雄)

2006.06.26

吉永小百合さんの務め、入れ歯になるまで朗読を

吉永小百合さんについて、このブログで何度かふれてきた。

今日のスポーツ新聞各紙は、広島、長崎の原爆詩朗読に続く平和へのメッセージを語る朗読CD3部作の完結作「第二楽章 沖縄から『ウミガメと少年』(野坂昭如作)」の発売記念イベントでの彼女の発言を取り上げている。

夏川りみさんらとの対談で、

沖縄について「遊び気分で行ったらバチがあたる」と思い続けてきた彼女は、平和への思いを込めたCDを手に訪問し、「これからはもっともっと行って、沖縄の皆さんと友達になり色々な話をしたい。海? 泳ぎたいです」と前向きな意欲をみせている。

とっても悲しくて切ない童話ですが、どぎつい表現はしないで裏側にあるものが見えてくる。戦争の悲惨さを伝えるのに私にできるのは朗読なので、入れ歯になるまで続けて行くのが私の務め。ぜひ、若い人に聞いてもらいたい」と語ったという。

さらに、
広島、長崎と原爆詩のCDを出してきましたが、何かやり残したことがあるとずっと思っていました。それが沖縄でした。子供たちに学芸会などで取り上げてもらうような広がりが出てくれば幸いです」ともコメントしている。

ボランティアで朗読依頼を受け続け、予約だけで1000をこえるという彼女の行動力と説得力に、学芸会などで取り上げてもらうような、そんな広がりに、ぜひできたらいいなぁと思う。

【関連報道記事】
吉永小百合、平和へ祈り…第3弾朗読CD発売記念イベント(2006/6/26サンケイスポーツ)
吉永小百合「入れ歯になるまで続ける」(2006/6/26デイリースポーツ)
小百合「入れ歯になるまで朗読会」(2006/6/26スポーツニッポン)

【ブログ内関連記事】

吉永小百合さん、紅白にゲスト出演し、原爆詩を朗読(2005/12/15)

吉永小百合さん「ずっと言い続けることで、みんなが言える環境を」(2005/5/20)

吉永小百合さん「声にださないと大変なことに」、朝日夕刊「ニッポン人脈記」スタート(2005/4/2)

発言時間のオーバーは迷惑行為

保育、学童、学校など、子どもを支える大人たちで幅広く横につながろうという趣旨で企画された研究集会に参加した。

昨秋から実行委員会を重ねてきて、私もかかわってきた企画。パネラー数人からそれぞれ15分の発言をうけて、会場発言。午前と午後にパネラーも入れ替わる、中身の濃いもの。

私は午前に会場発言を行い、午後の会場発言ではマイクを渡し、発言者に6分でまとめるように、時間のメドを途中で伝える役回り。

パネラーに学校の先生が3人ほどいたが、内容は切実で、どれもうなずけるもので、初めて知る厳しさや教育に携わるなかでの日々の思いも伝わってきた。

でも、話がとにかく長すぎる。15分をメドにという打ち合わせがありながら、25分をこえた人も。

ありえない。

3人とも、2分程度のオーバーなどでとどまらなかった。

会場発言の1本目も、学校の先生だったが、13分もかかった。

「まとめてください」と進行から指示があり、話をまとめると思いきや、「どうしてもこれだけは言っておかないと・・・」とまた話を続けて。

「これだけは」というなら、冒頭で言って欲しい。(ーー;)

ありえない。

その2本あとの私は発言を主催者のお願いにあわせて6分でやめた。あと2分続ければ、話したいことは伝えられたとは思う。でも、ほかの人の2分を奪うことになる。

午後は、発言メドがきたら小声やジェスチャーで伝える係となったけれど、やっぱり学校の先生だけが長かった。

その影響で、後半の最後の数人の発言時間を4~5分に短縮せざるをえなかった。

教育行政の後退によって権利が侵害されていると訴える発言が、他者の発言権を抑制しているということに、どうして気づかないのか。

労働組合の各種会議や集会で感じるのは、ベテランの学校の先生の話が突出して長いということ。

よくわかるように、前段や背後関係についてや具体的な事例について説明したいということだとは思う。

すべての人についてそうとは言わないけれど、経験を積んだ先生が特に長くて、思い入れはわかるけれど、「どんな授業してるんだろう」とか「チャイムが鳴りおわってもずっと話し続けるのかなぁ」とか思ってしまう。

前年度に高校で生徒会長をつとめたなかで、私学助成の署名にとりくんだという20歳前の学生の話は、ロスタイムをとって、もっと聞きたかった。

でも、前半の先生たちが長かったので、発言をまとめる時間のサインを送らざるをえなかった。

それだけでなく、後半の他の発言者の時間も短くせざるをえなかった。

という私も、話をまとめることは苦手で、うまくない。

でも、学校の先生のプロ性として、常識的な範囲で話はまとめてもらわないと。組合歴の浅い先生ではなく、経験ゆたかな先生なんだから。

杓子定規で規制するつもりはないけれど、時間を越えて話し続けるということは、他の人の時間を結果として奪うことになる。結果としては迷惑行為とも言える。

このことに気がつかないと、幅広い信頼・連帯につながっていかないと思う。

内容はとてもよかった。だけに、そう思ってしまう。

発言は計画的に。

2006.06.24

保育所版「東京から日本を変える」

石原都政になって7年、来春は都知事選。

石原知事は「東京から日本を変える」などと改革色を強調し、各メディアへの露出を重要視し、国への要求を強めています。

東京では、非営利の公立や私立(社会福祉法人運営)の認可保育所ではなく、企業経営中心の東京都独自の認証保育所を推進・増設してきています。

園庭もなく、人員配置も東京都が従来おこなってきたものを下回る国基準レベル、非常勤職員の割合も多く、人件費を削り、企業本部へ利潤をおさめていく、託児ビジネスが横行しています。

東京都は6月20日、平成19年度国の施策及び予算に対する東京都の提案要求を公表しました。

ここ数年、保育所制度の改革を要求していますが、幼稚園と保育所のいいとこどりとしか報道されていない認定こども園の制度化をテコに、さらに認証保育所を保育所制度の標準とするよう求めています。

行政の関与・責任を薄め、全面的な企業参入、保育料の自由設定、園庭もないどころかでなく、さらに現状を下回る基準の切り下げなどを求めていることは明らかです。

提案要求のうち、保育所制度についてを以下に示します。

平成19年度国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(2006/6/20)

   2 保育所制度の抜本的改革

          提案要求先 厚生労働省
          都所管局  福祉保健局

 現行制度下の認可保育所は延長保育、零歳児保育など、大都市東京が抱える切実な保育ニーズに的確に応えられていない。
 これは、現在の保育所制度が公立と社会福祉法人を中心とした全国画一的な制度になっているためであり、利用者本位の保育を実現するためには、多様な事業者の参入とサービスの競い合いを促す制度へと改める必要がある。
 また、施設基準など全国画一的な規制を見直し、地方公共団体の裁量を拡充していくべきである。
 平成18年度から実施される認定こども園については、利用者と施設との直接契約や施設による利用料設定など、一定の改革が行われたが、保育所制度をさらに改革するため、次の事項を実現すること。

1 認定こども園の制度化にとどまることなく、保育所制度の中に認証保育所を位置付けること。

2 現行の認可保育所制度については、「保育に欠ける」要件を利用者の実態に即して見直すとともに、多様な事業者の参入を促し、サービスの競い合いによる利用者本位の制度となるよう、次のような改革を行うこと。

(1) 保育所の利用方法については、現行の区市町村への利用申込方式を改め、希望する利用者がニーズに応じて直接契約することも可能となるような制度とすること。

(2) 保育料は、一定の基準の下に、保育所が自由設定できるようにすること。

(3) 施設整備については民間事業者も次世代育成支援対策施設整備交付金の対象とすること。

(4) 大都市にあった面積基準の一層の緩和や、保育士以外の資格を持つ人材の有効活用が可能となるよう、保育従事職員の資格基準の緩和、調理職員についての短時間勤務職員の導入など、運営上の様々な創意工夫が可能となる制度に改善すること。

 「東京から日本を変える」という都知事が3選目を視野に入れているといわれている。東京だけの問題とはいえない。

2006.06.22

漫画「もう一度生まれたら、花に」

戦後60年、被爆60年の昨年に比べ、過去の歴史、戦争責任について振り返る報道や私たちの機会は減っているのかもしれません。

そんななか、韓国の漫画家overkwonさんが日本軍性奴隷問題をテーマに作成した漫画「もう一度生まれたら、花に」。これを元慰安婦の共同生活の場・ナヌムの家の職員とその友人が翻訳・掲載したホームページをみつけました。

「従軍ではなかった」「商行為として自らすすんで希望した」などの見方もあるようですが、立命館大学の国際平和ミュージアムが解説しているように、「軍隊慰安婦」はあり、少なくない外国人もそれに含まれたということは事実としてあると判断します。

昨夏、東京・早稲田にある、女たちの戦争と平和資料館を2度訪れたときに、確信しました。

朗読を含む漫画が公開されて、まだ1週間程度しかたっていないため、あまり知られていないようです。まずは漫画をみていただきたいと思います。

これが事実だとすれば、戦争の傷跡はどこまでも。

攻撃的な表現を含むコメントやトラックバックは削除します。

冬至生まれで夏至を迎えた私

修理で戻ってきたパソコンも、修理前とほぼ同様の傾向がみえつつあるなか、また旅(修理)に出そうな予感もしています。

21日は、初めての団体交渉ダブルヘッダー(午後に1施設、夕方にまた別の施設)でした。

1つは、雨のち曇り、やや晴れ間、

もう1つは、雨のち大雨、やや雷でした。

日が長くなったなぁと感じてはいましたが、いつも見ているブログの1つで、21日が夏至(陽のあたる時間が1年で一番長い)ということに気づかされました。

こういう、たいしたことはないけれど気づかされること、私にとってはブログのチカラです。

ちなみに私、冬至が誕生日。

夜が一番長い日に生まれた私が昼が一番長い日を迎えました。

そう、三十路の私も、30.5歳になったということでもあります。

お昼に寄った、東急ハンズの宴会グッズが結構おもしろく、2点買ってしまいました。

2006.06.20

京都で感じた「平和」と「いのち」の大切さ

17日午後から19日午前、京都にいました。

組合の障害者福祉に関しての学習交流集会に140人の参加者の一人として参加しました。

障害者福祉はこの春から大変な事態となっています。

「改革には痛みが伴う」とし、反対する人たちを「抵抗勢力」として切って捨ててきた小泉「改革」。

障害者がうける福祉に原則1割の負担を強いる「痛み」が、多くの当事者や家族、職員らの反対の声を聞かずに「障害者自立支援法」という形でこの4月から押しつけられてしまいました。

都内の障害者の通所施設でも、障害者が働いて得る工賃が数千円から1万円ちょっとというのが現状にもかかわらず、今まで無料だった施設利用に料金が発生し、2万円以上支払うという矛盾が起きています。工賃を大きく超える利用料を、作業所などが請求するわけです。給食も自己負担となり、通えないという事態も起きています。

先日、都議会で共産党が5月におこなった影響実態調査をもとに質問をしましたが、この調査結果(中間まとめ)に、多くの国民がまだ知らない厳しい実態が出ています。職員の賃金、一時金の削減にとどまらず、パート化、行事の削減などが実施・検討されています。これが「自立支援」なのでしょうか。

学習交流会の分科会で、京都の宇治東福祉会(もとは宇治共同作業所)の仲間(施設に通う障害者)がつくった「なかませんげん」(ホームページのトップに掲載)が紹介されました。

なかまのみんなの思いがこめられたメッセージで、頭だけでなく心が動かされるものでした。この声は、国会や私たち国民にどれだけ届いているでしょうか。

この宇治共同作業所では、なかまのメッセージを歌にしています。昨夏、私の組合の若手でつくった戦争と平和についてのイベントで、京都の保育士から、「平和」のうたが紹介されました。私、「うたごえ」は好きではないのですが、このうた(ヴァーチャルうたごえ喫茶のびのサイトのページでは詞と曲にふれることができます)はとても感動しました。

集会も終わり、18日の午後は立命館大学国際平和ミュージアムへ行きました。2時過ぎに入り、閉館時間ギリギリの4時半までいましたが、すべてを見ることができないほど、充実の内容でした。

「戦争」の歴史、「平和」への展望をこれほどの内容で展示した施設を、私はほかに知りません。京都に行かれた方は、ぜひぜひ行ってみてください。

館内ではミニ企画展として、日本の子供たちが見た「イラク戦争」展を観ることができました。千葉県船橋市の芝山中学校の生徒の3年生が、「イラク戦争」や「戦争と平和」をテーマに、雑誌やパンフレット、新聞等の画像や文字をつかって、一人ひとりが「平和をもとめるメッセージ」をコラージュで表現した作品。それぞれがつかった画像やメッセージ、レイアウトもまったく違うなかで、戦争・平和と希望を発したものでした。

この3、4年、9・11テロやアフガン爆撃、イラク戦争などなど、いのちの大切さが問われるすさまじい事件が続いています。ブラウン管を通して子どもたちだけで一方的な映像として受け止めなければいけないというような状況もあるなかで、私たちおとなはどれだけその事実と向き合えたでしょうか。

イラク戦争や自衛隊派兵への賛否についての世論調査は新聞に大きく載ってきましたが、親が仕事でいないなかテレビで「戦争」を見る幼児、小学生、中学生、高校生たち・・・。おとなは、彼らがどう受け止め、思い、考えたかに無関心ではなかったでしょうか。国内では殺人事件がときにセンセーショナルに報道される一方で、数万のいのちを奪った戦争について、ヨソゴトになっていないでしょうか。

閉館間近の時間に、ミニ展示の場所で、大きな新聞社の記者に感想を聞かれ、いろいろと話しました。目の高さが同じで、とても熱心に聞いてくれた素敵な記者さんでした。

展示の紹介が私の感想を含めて19日の朝刊に掲載されました。

18日の夕方過ぎには金閣寺へ、19日の午前は清水寺へと、私なりに充実した観光でした。

15年前は中学の修学旅行で京都に来た私。かん高い声で盛り上がる修学旅行生の若さに、自分の歳だけでなく、彼らに希望を感じました。

古きよき街並み、小さいお店の多い京都で、少しはリフレッシュできたかなぁと思った3日間でした。

修理に出していたパソコンも戻ってきました。忙しさの山場となる6月下旬をのりこえて、落ち着ける7月へといきたいものです。

2006.06.16

声をかけあい、心を寄せ合い、結び目をしっかり

今日はある保育園の組合の会議でした。

昨年度は労使関係がこじれて大変でしたが、その糸はからまったままで今年度を迎えています。

その園の組合の役員も、一定程度のベテラン職員と、入って数年目の独身の職員が中心になっています。

若手から中堅の世代が結婚や出産が続いているなど、さまざまな事情もあるなか、園とのこじれた問題を整理したり、みんなをまとめたりする上で、保育だけでも大変な数年目の職員ががんばるっていうのは、とても大変なことです。

今日はその悩みが率直に出されました。

会議に出るのもしんどいし、やりたいことの時間も削られると思ってしまうと、精神的にも後ろ向きになります。

保育園の場合、女性職員が多く、真ん中の世代が子育て期に入るので、同じような話を聞きます。もちろん、子育て世代という事情だけのことではないと思いますが。

子どもたちや保護者への対応も丁寧さがより必要とされ、一方で国や自治体の補助金も削減傾向が強まっていて、その逆風が職員に吹きつけています。

みんなを代表して会議に出たり、資料をつくったり、さまざまな活動のなかで、声のかけあい、心の寄せ合いがされているかが大事なのではないかと思います。

「昨日は○○会議、どうだった?」とか「この資料つくるの、大変だったよね。ありがとう」とか。

そんな心の寄せ方がなければ、ヒビが入り、分断されていくことになるのではないでしょうか。

福祉・保育への風が厳しさを増す中、職員集団の質、一人ひとりの結び目をしっかりしたい。そう思いました。絆をしっかり守っていくために。

これは保育園以外にもあてはまることではないでしょうか。

支えあいと声かけ、心を寄せて関心を持とうとすること、大切だと思います。

2006.06.15

「都内の園児は宵っ張り」調査に思う

6月14日の朝日新聞東京版に「都内の園児は宵っ張りです」という見出しの記事が載っていた。紙面記事はネットに載っていない上、調査名もなかったのだが、東京都がおこなった「幼児期からの健康習慣調査」(2006/5/10 概要版や全文はこちら)を取り上げたもの。

寝る時間が午後10時を過ぎている幼児(4歳から6歳)は、保育園児が54%、幼稚園児で17%だという。94年の前回調査は、それぞれ42%、11%で、特に保育園では早寝しない子が主流になっていることを裏付けている。11時台に寝る子も保育園では7%いるという。

幼稚園側は「朝食を食べない」ことを29%が気になっているとしているのに対し、幼稚園の保護者は子どもについて「ほぼ毎日食べる」と93%が答えていることは、「朝食の中身の問題。保護者の中には、乳製品や果物だけでも朝食としているケースがあるようだ」という記事内の東京都のコメントどおりと推察できる。

うちの近くのマクドナルドまで24時間オープンになってしまった、そんな時代。親もファストフードやレンジ、コンビニを多用して生きているなかで、国が掲げる「食育」の実際は、どうだろうか。

今年度から各保育園では食育基本計画づくりをしなければならなくなった。だが、補助金が新たにおりてくるわけではない。

学校給食もそうだが、保育園でも給食の外部委託の流れがすすんできている。

6月初めに成立した認定こども園法により10月から認定こども園が施行されるが、調理室は置かなくてもいいことになっている。

調理室を置かなければならないというしばりがないために、給食をつくる姿、つくり方、つくる人のあたたかさにふれることができない。

また、親の子育てが困難な状況にある子どもが過ごす児童養護施設でも、調理委託解禁の動きがすすみ、すでに数園では実施されている。学校では1食、保育園では1食か1食半だが、児童養護施設では3食を「委託」することになるのだ。

「官から民へ」「民間でできることは民間で」「委託できることは委託で」の流れで、「食」の何が守られるのだろう。大切なものを失っていないだろうか。

2006.06.14

『ニッポンの暴言 国民を惑わす政治家たち』

昨日と今日、都議会を傍聴し、合間に都庁の書店へ。

興味深い本を見つけた。

ニッポンの暴言 国民を惑わす政治家たち』(著 横山渉 発行:三才ブックス 1300円+税)  

高齢者の負担増に拍車をかける医療関連の法案も成立し、国会会期の延長もなく、会期末を迎え、いよいよポスト小泉へと注目が高まっていく。

麻垣康三はどうなるのか。森派の森会長の腹づもりは?

ちょっと待ってもらいたい!

人気が高いとされ、1番手と目されている安倍晋三氏は、2002年5月の早大でのシンポジウムで、

憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」(サンデー毎日2002年6月2日号)

と語っているのだ。

福田康夫氏はどうだろう。

サークル・スーパーフリーによる集団レイプ事件が発覚した2003年6月、全日本私立幼稚園連合会九州地区主催の少子化問題に関する討論会で、太田誠一衆議院議員が「(集団レイプをする人は)まだ元気があるからいい。正常に近いんじゃないか」と発言したことを、官邸内のオフレコ会見で問われ、

福田氏は「そういう格好しているほうが悪いんだ。男は黒豹なんだから。情状酌量ってこともあるんじゃないの?」(週刊文春2003年7月10日号)と答えている。

名門・麻生財閥の麻生太郎氏は、森喜朗氏とならぶ暴言・失言政治家だろう。

麻生氏は、2001年3月12日に河野グループの会合で、野中広務氏の名前をあげ、「あんな部落出身者を日本の総理にはできないわなぁ」と発言されたといわれている。

著書は、戦後の第一次吉田内閣(1947年~)から小泉内閣にいたるまでの、政治家の100の暴言を、引用元と経過、反響も踏まえて掲載している。当然、石原都知事の「ババァ」発言や「三国人」発言なども含まれている。

いわゆるバカヤロー解散の引き金になった「バカヤロー」から、近くは杉村タイゾーの「ケインズさん、何人なんだろう?」まで。

イラク戦争や自衛隊派兵、憲法問題をめぐっての暴言ぶりにあらためて驚かされる。

新聞、雑誌、書籍などともに、各種ホームページやブログなども参考にしたという。

ウィキペディア辛口ニュース解説戦後政治史ふぁん倶楽部、私の恩師でもありリンクにも入れている亀井淳ホームページ、ほぼ日刊イトイ新聞などがそれだという。

2000年以降の暴言が過半数を占めることについて、著者は「意図的」だと後書で示している。森政権から小泉政権へと代わり、与党・自民党の姿も大きく変貌したダイナミックな政治状況を政治家の言葉という観点で整理したかったという。

帯には「ニッポンは大丈夫か!?」とある。

暴言をはく政治家ほど、改憲色が強く、愛国心の押しつけについての熱心さがうかがえる。

数年前、ブッシュの妄言録の本が注目されたが、ニッポンの政治史を暴言・失言・放言で知ると、おそろしさを感じる。

劇場に踊らされている場合ではない。次の内閣へとうつろうとするなかで、政治家の暴言、そしてそれらをまとめた著書から学ぶべきことがいま有権者に問われていないか。

2006.06.11

一青窈さんのメッセージが破りとられて

今日のスポーツ新聞を読んで、驚かされた。

世代をこえて支持され、カラオケでも人気の高い名曲「ハナミズキ」で知られる歌手・一青窈(ひととよう)さん。彼女が戦争史跡でつづったメッセージが破りとられたという。

各紙で報じられた。

◆一青窈:戦争史跡でメッセージ破り取られる(2006/6/11スポーツニッポン)

 歌手の一青窈(29)が大分県宇佐市の戦争史跡の感想ノートに書き込んだメッセージが、何者かの手で破り取られていたことが10日、分かった。

 宇佐市教育委員会によると、一青は4月18日、大分市での公演前に、太平洋戦争中の戦闘機の格納庫「城井一号掩体壕」を訪問。備え付けのノートに「たくさんの悲しいできごとが 消えて たくさんの花が咲きますように」などと記した。

 同公演で一青が紹介したことから、ファンらが訪れるようになった。しかし今月9日、同県中津市の女性から「一青窈さんのページがなかった」と宇佐市教委に連絡があり、職員が確認。ページごと破り取られていた。

 市教委文化課の林一也文化財係長は「争いのない世を願って書いた一青窈さんの思いに反する行為。自分から名乗り出てほしい」と話している。

 5月31日の毎日新聞大分版は、この平和の願いがつづられたことを伝えている。

戦争遺跡:一青窈さんがメッセージ、平和願い記帳--宇佐・掩体壕 /大分
(2006/5/31毎日新聞大分版)

 ヒット曲「ハナミズキ」で知られる歌手、一青窈(ひととよう)さん(29)が、宇佐市にある戦争遺跡「城井1号掩体壕(えんたいごう)」を訪れ、「見学帳」に「平和を願う」メッセージを残している。

 一青さんは4月18日、大分市でコンサートを開催。その前に、宇佐市の掩体壕を見学した。見学帳には「2006、4、18、 もっとたくさんの国中の たくさんの悲しいできごとが 消えて たくさんの花が咲きますように。 一青窈」と書かれていた。まるで「ハナミズキ」の歌詞のようなフレーズ。

 関係者によると、一青さんは平和や福祉、環境問題に関心がある他「珍しい建築物」に興味があり、ツアー中はよくいろいろな施設に出かけるという。

 見学帳には「ライブでこんな場所があると聞いて見に来ました」と、一青さんの大分ライブに行ったファンと見られる人の感想文も寄せられていた。

 掩体壕を管理する宇佐市教委の担当者は「一青さんのライブを聴いて、ファンが掩体壕に関心をもったようだ。いつか宇佐で一青さんのコンサートを開きたいですね」と話す。

 掩体壕は第二次世界大戦中、戦闘機などの格納庫として建造。城井1号掩体壕は戦争と平和を考えるシンボルとして95年、市文化財に指定され、史跡公園となった。

 
 大分の宇佐市にある城井1号掩体壕。九州出身の私だが、この事件で初めて知った。検索してヒットしたなかで参考になった下記サイトを参照していただきたい。

ARCHITECTURAL MAP 城井掩体壕群

海軍航空隊掩体壕群(大分県宇佐市)・写真満載九州観光

 毎日新聞大分版でメッセージ記帳の件が伝えられた日、一青窈さんは環境問題、特にクリーンエネルギーについて理解を広げるためのライブ「風のラプソディ」(日比谷野外音楽堂)に賛同する他のアーティストとともに出演していた。このことは報道で知っていた。

 一青窈さんは公式ホームページなどによれば、慶応大学の環境情報学部卒。専門的な知識も踏まえて、社会へのメッセージを表現しているアーティスト。

 2004年2月、名曲「ハナミズキ」の発売の際には次のようなメッセージを発した。

一青窈さんより「ハナミズキ」発売によせて

そもそもこの詩を書いたのは、911のテロの事件を受けて、でした。
何かもっと人と人はやさしさを交換できないものかなぁ、と。
つらつらつら、と
自分の周りにある平和を思ってみたら
そこかしこに転がってました。
例えば下校の時に友と時間を潰した二子玉川のドッグウッド(花水木)プラザ。

明治45年当時の東京市長だった尾崎行雄、が
アメリカに桜を贈った返礼として贈られらたのが花水木。
ワシントンのポトマック湖畔は桜で彩られ
日本の家庭や皇帝には花水木が花をつけている。
尾崎の目指した日米親交は十分すぎる程図られた、といえます。

何年もかかってお互いの思いが
いまだカタチとして目に見え
花として実を結んでいるというのが美しいなぁ
と、

「ハナミズキ」は
自分の大切なひと、とその人の好きな人が
せめて
100年続けばいい

そういう願いを込めて創りました。

 今回の事件を知り、「ハナミズキ」の歌詞(こちら)をあらためて読み返すと、言葉にならない。

 発売前の下記インタビューでは、歌詞が思い浮かぶのは「日常に違和感を感じたときですね。」と答えている。

一青窈さん:英語タウン インタビュー

 また、「DOMO」という月刊誌の2004年4月に掲載された彼女についてのライブレポートも興味深い。

 「ハナミズキ」は、梅雨入りの季節の今月にオリコンが発表した「号泣エンタメCDランキング」では、全体の4位、女性では3位にランクイン。2005年のオリコンカラオケ年間ランキングでも、ORANGE RANGEの「花」、夏川りみの「涙そうそう」に続く3位という圧倒的な支持のある曲。

 ハナミズキという花については下記ページを。

・ハナミズキ『ウィキペディア(Wikipedia)』

・ハナミズキ:植物生態研究室(波田研)

 ハナミズキの花言葉は、「私の想いを受けてください」「返礼」。戦争史跡に残した平和のメッセージが破りとられるという、信じられない事件。「心の平和」「平和な社会」が問われている。

2006.06.10

「時の記念日アンケート調査」団塊の世代は・・・

今日6月10日は時の記念日。

時計メーカーのSEIKOは、毎年時代を映す「時の記念日アンケート調査」を実施・発表しています。

大量定年退職という2007年問題を控えた今年は、団塊の世代の「時間の過ごし方」。漢字2字であらわすと・・・。今年の詳細はこちら

1975年生まれで団塊ジュニア(正確には1971年から1974年生まれだそうですが)の私としては、興味深い調査です。

これまでは迷走、今後は散歩。夫は独歩志向が強いそうで。

過去の調査結果も含めて、おもしろいなぁと。

「時間の過ごし方」を考えてみる「時の記念日」、どうでしょう。

ブログを2年近くもやってると、1年前の今日も同じ話題にふれていたりしています。

【ブログ内関連記事】

時の記念日アンケート 「時間の過ごし方」(2005/6/10)

2006.06.09

コミック『涙100万粒のキズナ』

歌手の川嶋あいさんについて、何度かブログで書いてきました。

先日、別冊フレンドコミック『涙100万粒のキズナ』(講談社2006/5/12発売 著者:大内理加、岩崎弘美、小林弘子 520円)の3話の1つに「最後の言葉~川嶋あい物語~」が収録されていることを知り、手に。

涙100万粒のキズナ

三十路男の私が書店で女性のアルバイト店員に探してもらい、在庫は確認できたというものの、その少女向けコミックが見つかるまで20分も待ち、変な汗をかいてしまいました。(@_@;)

最後の約束』や『大切な約束』の内容を、簡潔にわかりやすくまとめたもの。数分で、小学校高学年から、500円程度で読めるものとして、反響は広がると思います。

3話のほかの2つも感動的です。

2話目の「お兄ちゃんの金メダル」は、福岡・筑陽学園サッカー部の快進撃の裏にあった兄妹とチームメイトの物語。ワールドカップで盛り上がるなか、ぜひ中高生に読んでもらいたいです。筑陽学園のホームページこのページで漫画化の話題が告知されています。

3話目の「あったかい」は、両親の離婚と母の再婚に「あったかさ」を感じられない少女の反発、同じ境遇で理解してくれる彼との出会い、子どもの誕生で知る「あったかさ」を描いています。

出生直後に離婚、女手ひとつで2つ上の姉と育てられ、7歳のときに再婚し弟が誕生、12歳のときに離婚という流れで子ども時代をすごした私。実父は離婚後に交通事故で死んだと聞き、以来昨夏まで「父」についてまわりにも話してきました。

ところが、昨夏に「生きているけど、会わない方がいいと思い、その後の所在も知らない」ということが事実だったと母に聞かされ、20歳か社会人になるときになぜ話してくれなかったのかと問い詰めてしまいました。

母にすれば、「死んだ」ことにした方がいいという判断を、当然悪気ではなくやむを得ないとして、したんでしょうね。

この「あったかい」と、私の境遇とは違うところがありますが、「母親はみんな子供が愛しいんだって」「そう感じない親はいないんだって・・・」「たくみ(息子)に教えてもらった」と語る主人公・愛。

私の母も、経済的にも精神的にも相当苦労したんだろうなと、ふと考えさせられました。

近所の子どもを殺(あや)める悲惨な事件と異常なまでのマスコミ報道に、疲労感さえ感じるなか、「あったかい」に少し癒されました。

【ブログ内関連記事】

思春期の中高生に読んでもらいたい 川嶋あい『最後の言葉』(2005/8/31)

大切な約束 ある歌手の愛を知って(2005/8/15)

2006.06.08

見下す知事が招致しようとするオリンピックとは・・・

 6月6日、都議会本会議で石原慎太郎知事の所信表明を傍聴しました。東京オリンピック招致についての全面展開でした。

 「東京オリンピックの実現にむけて」というホームページが開設され、不十分だが基本方針なども掲載されています。当初は役人任せでなく知事本人が中心になって書くということだったけれど、5月12日の定例記者会見では次のようなやりとりがあります。

2006/5/12東京都知事定例記者会見より

(前略)

【記者】あともう1つ、オリンピックなんですけれども。

【知事】もういいよ、もういいよ。ほかに。次。

【記者】お願いします。基本方針を拝見したんですけれども…。

【知事】それを読めば分かるじゃないか。あと小さなことは聞いてくれよ、もう。理念の話はしたじゃないか。読めば分かるだろう。

【記者】ただ、先ほどもありましたけれど、役人に任せられない、自分で書かれるということで書かれた訳ですけど、本当にどの辺が石原知事らしい、自分で…。

【知事】いえ、別にそれはコンセプトを言っただけで、それを所信表明なんかを書いてくれる才筆家が書いてくれたんでね。もちろん私のアイデアを入れましたよ。レトリック(修辞)も直しましたよ。ということです。原稿料、払ってくれないんだから、私1人で書く訳にいかないからな。

 こんな横柄な態度でオリンピックを招致しようとすることが信じられません。もちろん、知事本人が全面的に書く必要はないと思いますが、上から下を見下すような表現に違和感を覚えます。

 いわゆる「三国人」発言、フランス語バッシング、中国に対する再三の挑発的言動・・・。「ババア」発言も、品格として信じがたいものです。

 「心の東京革命」などとぶちあげ、さらに日の丸・君が代の強制・処分、職員会議での挙手禁止通達までも。。。

 体罰肯定を曲げていない戸塚宏が社会復帰したなかで、戸塚ヨットスクールを支援する会の会長をつとめるのが東京都知事だということを、どれだけの都民が知っているでしょうか。

 来夏公開予定の映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」では、総指揮・脚本を担当している石原知事。日曜の「報道2001」などのテレビ出演、著作の執筆等々、本来の役割をこえた仕事ぶりのなかで、「原稿料、払ってくれないんだから、私1人で書く訳にいかないからな。」などという感覚が、私には信じられないのです。

 福岡県出身でその後上京した私。福岡であっても東京であっても、日本でオリンピックを開催する必要はないと思います。

2006.06.05

6日夕方再放送、NHK「その時歴史が動いた これは正義の戦いか」

5月31日に放送されたNHK「その時歴史が動いた これは正義の戦いか~ジャーナリストたちのベトナム戦争~」、見逃された方も多いのではないでしょうか。

再放送されます。必見です。ビデオの準備、よろしいですか。

【ブログ内関連記事】

5月31日午後10時からNHK「その時歴史が動いたこれは正義の戦いか」(2006/5/25)

この番組に出演した写真家の石川文洋さんのホームページの「インフォメーション」に再放送予定が掲載されています。

***《 再放送予定 》
6月5日(月)17:15~17:58 BS2☆☆☆
6月6日(火)16:05~16:48  総合(全国)
6月9日(金)※木曜深夜 ☆☆☆☆☆☆☆☆
00:00~00:43 総合(近畿のみ)☆
☆01:10~01:53  総合(近畿除く全国)

※再放送の予定は変更されることがあります。
当日の新聞などでご確認下さい。

***

そう、つまり、明日6日の夕方にNHK総合で再放送されます。

専業主婦のみなさんや中学生など、時間帯的には観るチャンスですね。

私の「お気に入り」ブログのひとつ、「おすぎとピース」に、歴史を動かしたいくつかの言葉が載っています。

戦争と報道、権力と国民。学ぶべき歴史が凝縮されているように思います。

激動の時代、「いま」はどう動いていくのでしょうか。

番組ホームページに、番組で紹介された発言や記事、参考文献などが放送後に掲載されています。上記の再放送予定もここにありました。

***

NHK「その時歴史が動いた」
第254回
これは正義の戦いか
~ジャーナリストたちのベトナム戦争~
放送日 平成18年5月31日 (水) 22:00~22:43 総合

ゲスト 石川 文洋さん (報道写真家)
番 組 内 容
「イラクに存在する大量破壊兵器を破棄する」として遂行された2003年のイラク戦争。しかし戦後、大量破壊兵器が存在しないことが明らかになりその大義が問われた。
かつて国家が掲げる大義にジャーナリストたちが疑問を投げかけて終わらせた戦争がある。1960年代に本格化したベトナム戦争である。
アメリカは、北ベトナムの共産主義勢力に対する南ベトナムの資本主義勢力の戦いを援助することをうたい介入した。やがて戦局は泥沼化する。ところが政府はその実態を国民とメディアから隠した。新聞やテレビもまた戦場の現実を伝えるまでに至らなかった。
しかし最前線の実態をまのあたりにし始めると、ジャーナリストたちは戦争の実態を報道し始める。ハルバースタム記者は、政府の圧力にも屈せず、悪化する戦況を報じ続けた。またニュースキャスターのクロンカイトは、大義のない戦争は終わらせるべきだとテレビを通じて停戦を提案した。さらにシーハン記者は政府の秘密文書をスクープし、政府が国民から隠し続けた事実を白日の下にさらした。
ついに世論も動き、戦争は終結した。アメリカ史上初の敗北であるベトナム戦争を通して、ジャーナリストたちの葛藤と栄光を描き、現代がくみとるべき教訓に迫る。 
***

2006.06.04

女性の魅力を引き出す男子学生を育てたいという女子大

 高校では尊敬できる教師は少なかったのだけど、国語の女性の先生は違った。私と考えが一致することはあまりなかったけれど、授業のなかで問題提起として持論を話す人でキレと洞察力とオーラがあった。

 大学中退・専門学校入学の際に、報告をかねて書いた手紙に対し、長文の激励の返信をいただいたことはいい思い出。教育に携わる人はその後の影響も含めて力を持つということを実感した。

 進学についての話の中で、「国立で女子しか受け入れない大学は、なぜ憲法違反でないのか。私に金と暇があれば訴えている」と斬ったことがあった。

 お茶の水女子大学のことを指していたと思う。

 私学だが、中京女子大のことで上記のようなことを思い出した。

◆名は「中京女子大」、でも「男子学生受け入れ」(読売オンライン2006/6/4)

 中京女子大(愛知県大府市)は来年度から一部の学部で男子学生を受け入れると決めた。「学風を維持する」(谷岡郁子学長)ため、大学名は当面変えない。

 大学側によると、女子大の名称のまま男子を受け入れるのは大学としては全国初。

 同女子大は、女子単独での教育の是非を検討した結果、人文学部(児童学科、アジア学科、各定員60人)で男子受け入れを決め、「(入学者は)女子でなければならない」と定めた学則を変更した。男子の定員枠は特に設けず、今後、健康科学部の栄養科学科でも受け入れ準備を進める。

 同学長は「女性の魅力を引き出すような男子学生を育てたい」と話している。
(読売新聞) - 6月4日20時14分更新

 私の高校も元女子高だったが、共学化の際に当然、校名を変えた。

 中京女子大の場合、学名は維持するわけだから、女子大生の男性や女子大出身の男性が生まれることになる。

 私には理解ができないなぁ。

 「女性の魅力を引き出すような男子学生を育てたい」って、どんなイメージなんだろう。

 逆に「男性の魅力を引き出すような女子学生を育てたい」なんて学校の責任者が言ってもいいのか。。。

シルバー世代とネット活用について対話した

昨日は、役員を務めている平和団体の総会に出席して、宣伝戦略について発言しました。労働組合よりも年代の高い人々が活動の中心を担っていますが、私が課題と感じているネット活用について問題提起をしました。

情報通信手段の変化がここ5、6年の間に急激に起きていること、その現状認識のもとに戦略を打っていかないと、やっていることが十分伝わっていかないことを強調しました。

具体的な数字などについては、総務省の通信利用動向調査をもとに資料化しました。

100人以上が参加した会議で、終わったあと、活動のなかでも話したことのない数人の方から「そこまですすんでいるとは思わなかった。勉強になったよ」「最近パソコンを始めたのよ。パソコンで何ができるか教えてよ」など、声をかけていただきました。

シルバー世代に「まわりでパソコン始める人、増えてませんか?」と聞くと、「まったく興味がない人と、最近始めた人と半々くらいかな。えっ、この人が始めたの?ということもあるんだよ」と返ってきました。

「草の根・老舗型の運動に関わっている人はパソコンに興味があまりない」という私の先入観は、ゴミ箱に入れないといけませんね。

60歳~70歳をこえた人から反響があり、資料や発言を準備したかいがありました。

想定内でしたが、私の発言のあとに「ネットの話がありましたが、大切なのは対話。地声で話すこと」という発言がされました。

対話とネット、どっちが大事かというとらえ方ではダメだという点も強調したつもりなのですが。

さて、平和団体や労働組合の会議では、「○○行動に○○人が参加し、成功させた」というような活動報告ばかりが続くことが多いですが、「声を広げよう」「運動を強めよう」などの掛け声だけでなく、どんな課題があり、どうしていくことが重要なのかの論議は少ないように思います。

年代と経験をこえて今何が必要なのか、何ができるのか、今後も発信を続けていこうと思いました。

おとといは感動的な本と出合い、今日はすばらしい演劇を観ました。パソコンの状況がよくないため、感動と感想はあらためて。

2006.06.02

日本歴史占い 政界編

あなたは、歴史上の人物でいうと誰ですか?

わたし、空海でした。7割、あたっているような。

ブログ島内日記さんでふれてた、日本歴史占い、やってみました。

職場の休憩中、ちょっと盛り上がりました。

上司が猿飛び佐助だったり、責任者が北条政子だったり。

さて、社会派ブログとしては、政治家で試してみます。

東京都知事・石原慎太郎氏は、聖徳太子でした。

あたってないような、ほぼあたってるような。。。

小泉ジュンイチロー総理は、徳川家康

うーん、微妙ですね。

小沢イチローさんは、松尾芭蕉

あたってないような。

神崎武法さんは、光源氏

あららら。

志位和夫さんも、松尾芭蕉

うーん。

福島瑞穂さんは、吉野太夫

あたってますね。

ポスト小泉一番手、安倍晋三さんは、光源氏

二番手の福田康夫さんは、石川五右衛門

この2人はあたってるような気がします。

どうでもいい、政界編でした。

ちなみに、ズバリ言う細木数子さんは、日野富子

これがいちばんあたってるような。

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