「夕凪の街 桜の国」8月に広島ロケ 07年夏公開へ
原爆で生き残った者のうしろめたさを丁寧に描いたコミック「夕凪の街 桜の国」(著:こうの史代 双葉社)。
普段マンガを読まない私が、このブログで特にこだわってきたもの。
2007年夏公開で映画化が決まっている。埼玉県内に被爆後10年の広島の街を再現したオープンセットをつくり、8月には広島ロケに入るという。
監督は「陽はまた昇る」「カーテンコール」「半落ち」「四日間の奇蹟」などの佐々部清さん。最新作の「出口のない海」は9月に公開予定。私は「チルソクの夏」しか観たことはないけれど。佐々部清監督のホームページのほろ酔い日記も映画化についてふれている。
6月20日の中国新聞(広島を中心にした地元紙)が取り上げた。
■こうのさん作「夕凪の街」映画化(2006/6/20中国新聞)
▽下関出身の佐々部監督 8月広島ロケ
広島市西区出身の漫画家こうの史代(ふみよ)さん(37)=東京都中野区在住=の広島原爆をテーマにした話題のコミック「夕凪(なぎ)の街 桜の国」が、映画化される。下関市出身の佐々部清監督(48)がメガホンを取り、今夏に広島市内でロケがある。
単行本は二〇〇四年十月に出版。文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞などを受賞した。広島で被爆した女性の十年後を描く「夕凪の街」、一九八七年と二〇〇四年の東京を舞台に被爆二世の姉弟らが主人公の「桜の国」の二部構成。日常を淡々と描く温かい筆致が、若い世代らに共感を呼び、現在約十七万部、韓国やフランスなどで翻訳版も出ている。
佐々部監督は、「半落ち」で〇四年度日本アカデミー賞作品賞を受賞。監督が所属する東京の映像製作会社などが映画化に踏み切り、キャスティングを進めている。一九五五年の広島の街を再現したオープンセットを埼玉県内につくり、七月二十日にクランクイン。八月十日から広島ロケをする。来年夏に公開予定。
ロケハンで今月、広島市を訪れた臼井正明プロデューサー(41)と佐々部監督は「被爆の記憶を引き継ぎ、明日に向かって希望を持って生きている主人公。現代の家族のきずなの物語として丹念に描きたい」と語る。
こうのさんも「佐々部監督から漫画のキャラクターに何度も会いたい気持ちになるような映画を撮りたい、と聞いた。世界の人に一層親近感を持ってもらえれば嬉しい」と歓迎する。(円山文雄)
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