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2006.06.15

「都内の園児は宵っ張り」調査に思う

6月14日の朝日新聞東京版に「都内の園児は宵っ張りです」という見出しの記事が載っていた。紙面記事はネットに載っていない上、調査名もなかったのだが、東京都がおこなった「幼児期からの健康習慣調査」(2006/5/10 概要版や全文はこちら)を取り上げたもの。

寝る時間が午後10時を過ぎている幼児(4歳から6歳)は、保育園児が54%、幼稚園児で17%だという。94年の前回調査は、それぞれ42%、11%で、特に保育園では早寝しない子が主流になっていることを裏付けている。11時台に寝る子も保育園では7%いるという。

幼稚園側は「朝食を食べない」ことを29%が気になっているとしているのに対し、幼稚園の保護者は子どもについて「ほぼ毎日食べる」と93%が答えていることは、「朝食の中身の問題。保護者の中には、乳製品や果物だけでも朝食としているケースがあるようだ」という記事内の東京都のコメントどおりと推察できる。

うちの近くのマクドナルドまで24時間オープンになってしまった、そんな時代。親もファストフードやレンジ、コンビニを多用して生きているなかで、国が掲げる「食育」の実際は、どうだろうか。

今年度から各保育園では食育基本計画づくりをしなければならなくなった。だが、補助金が新たにおりてくるわけではない。

学校給食もそうだが、保育園でも給食の外部委託の流れがすすんできている。

6月初めに成立した認定こども園法により10月から認定こども園が施行されるが、調理室は置かなくてもいいことになっている。

調理室を置かなければならないというしばりがないために、給食をつくる姿、つくり方、つくる人のあたたかさにふれることができない。

また、親の子育てが困難な状況にある子どもが過ごす児童養護施設でも、調理委託解禁の動きがすすみ、すでに数園では実施されている。学校では1食、保育園では1食か1食半だが、児童養護施設では3食を「委託」することになるのだ。

「官から民へ」「民間でできることは民間で」「委託できることは委託で」の流れで、「食」の何が守られるのだろう。大切なものを失っていないだろうか。

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コメント

>「官から民へ」「民間でできることは民間で」「委託できることは委託で」の流れで、「食」の何が守られるのだろう。大切なものを失っていないだろうか。

 大切なものは、金。
 いくら株価が上がるかが株主様への最大の貢献として、子育てをも設けの手段とする中では、食育の意義など、鶏舎の生き物のための餌といった見かたしかできない目からは、人間という生き物が鶏よりもずっと長く成長の時期を持つこと、長く生きる存在であることは、よく見えていないのではないでしょうか。
 「大切なものを失ってい」るかもしれない、などとの不安で、流れに乗ることに躊躇していたら、取り残されるかもしれないという恐怖に怯え、深く考えることを妨げられているのかもしれません。

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