被爆者の要望を聞く会、5年連続で欠席か
小泉首相が就任して、まもなく5年。マスコミの話題は、すでにポスト小泉にうつってきている。
小泉政権の5年間の総括をしっかりすべきときだと思う。
靖国参拝について中韓などの反発が高まっていることについて、「心の問題」と開き直っているが、それだけではない。
◆被爆者代表から要望を聞く会:被爆者7団体、小泉首相に出席要請(毎日新聞広島版2006/7/14朝刊)
◇来月「聞く会」で
県被団協など被爆者7団体は13日、毎年8月6日の平和記念式典後に、政府関係者と7団体が出席する「被爆者代表から要望を聞く会」に4年連続欠席している小泉純一郎首相に対し、出席を求める要請文を提出することを決めた。昨年までは、広島市を通じて出席を求めていたが、欠席が続くことに被爆者の間で批判が相次ぎ、初めて直接要請文を提出することにした。提出は来週上旬ごろの予定。被爆者7団体は「なぜ被爆者に会わないのか不満に思う。小泉首相の任期も終わりが近づいているが、最後くらい被爆者の訴えを聞いてほしい」と話していた。
8月6日の広島市主催の平和記念式典の後、歴代首相が出席してきた「被爆者代表から要望を聞く会」に、小泉首相は「役割分担」などを理由とし、代わりに厚生労働大臣などを出席させてきた。これは就任以来変わっていない。
これも「心の問題」なのだろうか。
実態に合わない原爆症の認定について、各地で被爆者による集団訴訟が起き、5月の大阪地裁の判決では、原爆投下後に爆心地に入った「入市被爆者」や、爆心地から2キロ以上離れた遠距離での被爆者らも認定したばかり。
声を聞かないという姿勢はあまりにひどくないか。
8月6日の出来事として、年に1回程度しか報道しないマスコミの責任もあり、4年連続で出席していないということを知る人は少ないと思うが、これが被爆国のリーダーか、この内閣に高い支持率を与えてきた有権者の責任も重いのではないか。
ポスト小泉の1番手とされている安倍晋三氏は、2002年5月の早大でのシンポジウムで、
「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」(サンデー毎日2002年6月2日号)
と言い、
2番手の福田康夫氏は同じ時期に、官房長官という要職にありながら、「非核三原則」の見直しの可能性について言及している。
これが小泉政権の5年間と、ポスト小泉の展望だとすれば、私たちは歴史から何を学ぶのか。
過去の反省と、被爆者の思い、そこに寄り添おうとしない小泉政権とその流れが、憲法を大きく変えようとしていることをみつめていかなければ。
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