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2006.07.20

世界有数の格差大国ニッポン

 世界有数の格差大国ニッポン。

 この状況については、過去記事で詳しく取り上げたつもりです。

ほっとけない 世界有数のこの格差社会を(2005/9/23)

 7月20日、OECDが指摘した報告書によれば、「00年段階ですでに日本の所得格差は米国に次いで2番目に高かった」とし、「正規雇用を増やすための施策や、非正規雇用者への社会保険の適用の拡大が必要だと訴えている。また、所得水準が厳しい母子家庭などに社会福祉支出を振り向けるべきだ」としているそうです。

 数字は過去記事でふれたものと同じです。

 各新聞社のwebサイトで報じられています。

◆OECD、所得格差拡大を指摘 二極化、固定化のおそれ(asahi.com2006年07月20日11時22分)

 経済協力開発機構(OECD)は20日、06年の対日経済審査報告書を発表した。所得格差問題を詳しく取り上げ「00年段階ですでに日本の所得格差は米国に次いで2番目に高かった」と指摘。その後、格差が固定化している恐れがあり包括的な対策が必要だ、と警告している。

 報告書は、所得格差の指標として生産年齢人口(18歳以上65歳以下)の相対的貧困率に着目した。可処分所得が中位置(全体の真ん中)の半分に満たない家計の割合を示す指標で、日本は小泉政権による構造改革が始まる前の00年段階で13.5%だった。OECD加盟国の中で米国(13.7%)に次ぐ高さ。3番目はアイルランドの11.9%で、日米がず抜けていた。日本の90年代半ばの相対的貧困率は11.9%だったという。

 00年当時の日本企業は景気低迷を背景にリストラを進めていた。その結果、正規労働者と非正規労働者による労働市場の二極化傾向が強まり、格差が広がった、と報告書は分析している。高齢化も一因に挙げている。

 格差の拡大を防ぐために、正規雇用を増やすための施策や、非正規雇用者への社会保険の適用の拡大が必要だと訴えている。また、所得水準が厳しい母子家庭などに社会福祉支出を振り向けるべきだと論じている。

 私はこの分析とほぼ同感。いまの小泉政権は、所得が厳しい母子家庭についても生活保護の切り下げを行い、「働け!」という姿勢になっていると思います。働けても、多くは非正規雇用で生活水準が低すぎるというもとで。

 

◆生活保護:母子加算削減・廃止、取り消し求め市を提訴--山科の女性(毎日新聞京都版2006/7/13朝刊)

 生活保護の母子加算(京都市で04年度月額2万3260円)が05年度から段階的に削減・廃止されるのは、健康で文化的な最低限度の生活を保障した憲法25条に反するとして、山科区の辰井絹恵さん(43)が同市を相手に、1万5510円削減した今年4月の決定取り消しを求める訴えを12日、京都地裁に起こした。母子加算削減での提訴は広島地裁(05年12月9日)に続き全国で2例目。
 
同市の母子加算月額は15歳以上の子を持つ一人親世帯につき、05年度に1万5510円、06年度に7750円とされ、07年度に廃止される予定。
 今年3月に中学校を卒業し定時制高校に通う長男(15)と2人で暮らす辰井さんは、この減額により一層困窮。長男の成長に応じて服や靴を買い換える余裕はなく、食事にも影響が出ているといい、「子供の健全な育成を阻害し、貧困の再生産をも
招きかねない」と訴えている。
 一方、同市地域福祉課は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

 この実施前には、読売新聞の次の記事が詳しく報じたにもかかわらず、格差拡大政策としての母子家庭へのしわ寄せは行われました。

◆母子家庭の“悲鳴” 「生活保護」の給付切り下げ検討(読売新聞2004/11/15)

 これも、お得意の「自己責任」「人生いろいろ」で片付けるのでしょうか。

 格差拡大を認めない、フィクションとしての小泉劇場。格差社会というノンフィクション、現実があります。厳しい現実と向き合っている人々、ほんとにがんばっている人が報われる政治・社会であってほしいと思います。

 小泉路線を継承するとされる安倍さんは再チャレンジなどを掲げていますが、格差拡大政策との決別を言わない限り、ガス抜きにすぎず、これまでの路線に沿って走ることになるのではという懸念があります。ほっとけない、です。

 母子家庭出身の私、そんな声がどこまで伝わっているのか、格差拡大の中で不信感は高まっています。その感覚も届かない「格差」を政府・内閣・国会に抱かざるを得ないのです。

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コメント

後期高齢、年齢迄、はっきり打ち出し社会的排除的環境を作り上げ、
若い者のお情けで生きているかのように日々放送される。
元気で保険、とゆう保険(介護保険)健康保険は(病気、風邪引かず)
払いぱなし、若いときの時代は正社員(40台)制度は無く最低の賃金で
従って年金も最低、子供は死に誰も訪れる者も無くそれでも楽しく生きたく、
パソコン、で雇って貰う為(Excel)を習得する等、又視力も1,5位で細かい字
等メガメ掛けずに見えます、それでも年齢を聞いたとたんに面接も拒否、
年金だけででは、生きている楽しさを感じるっことがあまり感じられない
この世の中それでも頑張って生きています。


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