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2006.07.31

保育の基準切り下げ、自由化路線の先には・・・

 保育分野も原則自由競争へ。私、まったく納得できてません。小泉無責任路線のもと、「官から民へ」「民間開放」を掲げてきた規制改革・民間開放推進会議が7月31日、中間答申を出しました。

 やっと梅雨明けかよーと思っていた矢先、子育て支援・次世代育成は嵐へ突入すると私は思います。

◆外国人福祉士、受け入れ検討 規制改革会議中間答申

 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長、宮内義彦オリックス会長)は31日、社会福祉士と介護福祉士の分野で外国人労働者の受け入れを検討することなどを求めた中間答申を発表した。中間答申は年末にまとめる最終答申に先立って放送・通信、教育、保育、外国人受け入れなど重点6分野に絞って具体策を提言しており、近く小泉純一郎首相に答申する。
 高齢者や障害者の相談業務などを行う社会福祉士と、高齢者の入浴介助などを行う介護福祉士で外国人労働者の受け入れを提言したのは、高齢化社会の進展に伴って「介護分野の労働力需要が高まると予想される」ため。日本での国家資格取得を前提とした受け入れで、平成18年度中に結論を出すよう求めた。
 保育分野では、認可保育所に就学前のすべての子供が入れるようにすることや保育施設に定められている施設の広さの基準などを18年中に緩和し、低所得者層への配慮を条件に保育料を自由化することを提言した。
 教育分野では、教育委員会の権限を自治体の首長に移譲する構造改革特区の実現を政府が検討していることを踏まえ、教育委員会制度の撤廃なども含めて18年中に結論を得るよう求めた。このほかNHKのもつ衛星放送3チャンネルのうち2チャンネルの放送を停止して民間に開放することなども提言している。
(産経新聞) - 7月31日16時3分更新

 所管の厚生労働省でさえ、この方向には一貫して反対してますよ。

◆保育料補助金、直接保護者に…規制改革会議が中間答申

 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は31日、放送・通信や教育、保育、外国人など重点6分野の規制改革の中間答申をまとめた。

 認可保育所への入所を保護者の選択制とし、国の補助金を保育所でなく、保護者に直接支給する方式の導入を求めている。

 中間答申は、認可保育所について「サービス向上の意欲が希薄」と批判し、市町村が保護者の居住地別に保育所を割り当てている現状の改善を求めた。具体的には、保護者らが、居住地から遠い保育所や無認可保育所も含め、保育所を自ら選択できる制度の2008年度の導入を提言した。

 また、国から保育所への補助金について「認可保育所とそれ以外のサービスの間で公的補助に大きな格差がある」と指摘。利用者の負担を公平化するため、現在は認可保育所に限られている補助金制度を廃止し、保護者らに直接補助する新方式に改めるよう求めた。

 ただ、保育所の選択制には、厚生労働省が「低所得者層や母子家庭の優先入所を確保するルール作りが必要だ」と消極的だ。保護者への補助金の直接給付にも、財務省は「財政負担の膨張につながる恐れがある」と異論を唱えている。

 放送・通信分野では、11年度までにNHKの衛星放送3チャンネルのうち2チャンネル分を削減し、民間に開放するよう求めた。

 また、〈1〉音楽、芸能、スポーツなどの制作〈2〉番組映像記録〈3〉外国人向けに新設すべき国際放送――の3部門などのNHK本体からの切り離しを提言した。

 政府・与党は6月、NHKの衛星放送チャンネルの削減で合意したが、削減数は明示しなかった。

 外国人分野では、国内で社会福祉士や介護福祉士の資格を取得した外国人の国内就労制限緩和の結論を得る時期として今年度中と明記した。

 同会議は近く小泉首相に中間答申を提出する。通常は年末に最終答申をまとめてきたが、今年は9月に首相が退陣するため、前倒しして中間答申を作成した。閣議決定は年末に行う。

(2006年7月31日12時47分  読売新聞)

 働いていなくても子育て支援施設を使いたいという保護者もいるでしょう。でも、原則は家庭で、困難があるなら支援施設で、仕事が大変なら労働環境を見直そうというのが私は政府の責任だと思います。その上で、一時的な保育や地域子育て支援は積極的におこなわれるべきでしょう。

 公的部門の多くは政府の仕事じゃありませんという規制改革・民間開放推進会議の路線でいいのでしょうか。

 もちろん、保育・教育の枠の拡大は必要です。でも同時に、人員配置・職員研修の強化、保育士の大卒必須もしくは資格のレベルアップなどの質の向上がされるべきだと思います。当然、子どもに保障されるべき、面積基準や調理室などは当然現行水準は少なくとも守られるべきだと思います。

 ところが、もっと狭くていい、規制は外して受け入れようとか、市場原理で保育料は原則自由で、払えないかわいそうな子と家庭はしょうがないから救ってあげましょうということで、次世代育成が方向付けられていいのでしょうか。

 さらなる格差拡大を生んでしまうじゃないですか。

 生まれついての子育て格差を国が認め、スタートラインから違ってしまうことは明らかに問題があると思います。

 ポスト小泉の最有力の安倍さんは、この格差拡大施策をすすめた上で、「再チャレンジ支援」などというのでしょうか。

 夏休みで、子どもが一人や少数でテレビを観ている状況で、明らかな育児放棄・児童虐待の事件が、ブラウン管を通してすさまじい形で映ってしまう現状。

 子どもたちや家庭の状況は厳しくなっているからこそ、人もお金もつかって支えていくことが政府の役割なのではないでしょうか。

 子どもたちにとって「小さな政府」では困ります。保育園に通える子ども・家庭と、そうでない子ども・家庭を分断する施策ではない、抜本的な子育て支援の改革が真に求められていると思います。

 この方向の行き着く先、いまの子どもたちが明るい社会を築けると私たちは言い切れるでしょうか。

【追記】

 検索ワードで関連のブログ記事読みましたが、ただの記事の紹介だけでなく自分の意見が書かれているブログはほぼ批判的でした。
 世論をどう高め広げていくか、従来型だけでない幅広さが求められていると確信しています。以前に紹介した、労働組合大手の連合の増税試算サイト・think-taxは開設2ヶ月で80万件のアクセスがあるそうですし。保育施策に関しても同様の広がりをつくろうとしないとこのままの流れが強まるに違いないと思います。

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コメント

直接契約導入を語って失敗した「両論併記」から何年??少子化は止まらない。性懲りも無くまたまた規制緩和で直接契約という。

冗談じゃない。保育に競争原理を持ち込んで、子どもがシアワセになるか?子どもにしわ寄せでしょうが。

年はとったけど、その分しぶとく賢くなってる私等。ただ数の力に押されるのは明白。

圧倒的世論を味方につけるのが大事だよね。

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