8月26日深夜、NHKスペシャル「21世紀の潮流 ラテンアメリカの挑戦」再放送
中学生の頃(1980年代後半)、学校でも「国際化」が言われ始め、英語や情報に強い生徒になるように強調されたように思います。
高校では地理と世界史を選択し、日本史は受けませんでした。
で、あれから十数年、本当の国際化・情報化はすすんだでしょうか。
流れてくる世界のニュースは、アメリカかヨーロッパのものばかり。中国や韓国のそれは、ヤスクニ問題での「怒りの表情」が伝えられるだけ。
ほかの国はどうでしょう。途上国の情報は、少数民族の家庭とくらしを取り上げるウルルン滞在記以外では、深刻な災害・・・。
さて、今度の土曜日、8月26日の深夜(27日の未明)に、NHKスペシャルの再放送があります。最初の放送分を少し観ましたが、南米の新たな胎動を伝えるすばらしいドキュメントといえます。
アメリカ発・日本加工の情報ばかりでなく、世界のさまざまな動きを伝えてこそ、国際化・情報化の時代だと私は思います。
8月26日(土)【日曜午前】 0時50分~1時39分
◆NHKスペシャル 21世紀の潮流 ラテンアメリカの挑戦(2回シリーズ)
第1回「脱アメリカ宣言 ベネズエラ 7年目のチャベス革命」※7月21日に放送されたものの再放送です。
「アメリカの裏庭」と言われた中南米、ラテンアメリカでいま続々と左派政権が誕生し、アメリカが主導する南北アメリカの政治・経済の統合にノーを突きつけ始めた。アメリカはこれまで軍事力でラテンアメリカの政権を転覆し、IMF(世界通貨基金)や世界銀行などを通じて経済の構造改革を求めてきた。しかし、そうしたアメリカの対策が、独裁政権を生みだし、貧困と格差をもたらしたことに民衆が目覚め、当のアメリカに対して異議申し立てを始めたのである。
ベネズエラのチャベス大統領は石油の莫大な収入を背景に社会主義革命を進め、ブラジルのルラ大統領はサトウキビから石油の代替エネルギー・エタノールを生産し、貧困の撲滅をめざし、チリ初の女性大統領バチェレはピノチェト軍事政権下の負の遺産から脱却し、「成長と平等」を実現しようとしている。
新しいリーダーたちは互いに連携しながら、発展めざましい中国・インド・EUなどと急接近し、21世紀の「潮流」の担い手として表舞台にせり上がってきた。こうした動きに警戒感を強めるアメリカは、ラテンアメリカをイラク後の不安定地域と位置づけ、その対策に本腰を入れはじめた。共存か衝突か、いま世界の熱い視線がラテンアメリカに注がれている。
この日は、シリーズの2回目も連続して再放送されます。
8月26日(土)【日曜午前】 1時40分~2時29分
◆NHKスペシャル 21世紀の潮流 ラテンアメリカの挑戦(2回シリーズ)
第2回「格差からの脱出 ~ブラジル・チリ~」
2006年8月4日(金)に放送された番組の再放送です。
世界最悪の「格差社会」、ラテンアメリカで今、新たな挑戦が始まっている。「平等な社会」を目指そうとする左派政権が、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ベネズエラ、ボリビアで相次いで誕生したのである。これらの国々は、経済再建のため、早くからアメリカ主導の、「規制緩和」「民営化」「外資の導入」といった新自由主義経済を受け入れてきた。しかし、それは逆に「格差」の拡大を生み出し、人々は不満を募らせていった。ブラジルを始め、左派政権の国々が去年団結して反対したのが、アメリカが進めてきたFTAA(米州自由貿易圏)の構想だった。FTAA構想は、関税を撤廃し、多国籍企業により大きな自由を与えることで経済を活性化させようとするものであった。これに対し、左派政権の国々は、新たな市場を中国、インドなどに求めようとする、いわば「脱アメリカ」に動き始めたのだ。
急速な反米の動きの底流にはまた、ラテンアメリカの多くの国に共通の暗い記憶がある。冷戦下アメリカは、この地域に誕生した社会主義政権にたびたび介入。多くの国に軍事政権が生まれ、思想の弾圧や虐殺などが繰り返されてきた。現代の潮流の根底には過去の記憶が横たわっている。
一方、アメリカは去年7月、海兵隊を、南米の心臓部といわれるパラグアイに駐留させた。9.11以後、アメリカは、ブラジル、アルゼンチンとの国境地帯を「イスラムテロリストの温床」と規定し、監視を強めると表明した。ブラジル、アルゼンチン政府は不快感を露わにしている。
番組では、格差からの脱出を計ろうと動き始めた、ラテンアメリカとアメリカの間に生まれている新たな緊張の内実を描いていく。
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