「優しい人がはじかれてしまう社会」という川嶋あいさん
この土日は、1泊2日で長野で交流イベント。戻ると地獄の1週間が待つ。1年間で一番余裕がない時。
そんななか、シンガー・ソングライターの川嶋あいさんの記事「あの人に迫る 川嶋あい やり遂げた先に見えるものある」(2006/8/25東京新聞夕刊)をたまたま目にした。
川嶋あいさんのことは、このブログでこだわって書いてきたものの1つ。
A3サイズの大きなインタビュー記事。
わけあって福岡県内の児童養護施設ですごし、育ての父母に引き取られ、その父を失い、歌うことで母との絆を深めていく。
以前は裕福だった家庭も、生活保護を余儀なくされる状態にも。そんななかでも歌手になることを母と約束し、上京。
路上ライブ1000回を目標に歌い続け、90万枚セールスとなった「あいのり」のテーマ「明日への扉」でのメジャーデビューも、育ての母親は直前に亡くなってしまう。
そんな彼女は、『最後の言葉』(著:川嶋あい ゴマブックス)で自ら、また『涙100万粒のキズナ』などのなかで、出自といまの感謝の気持ちを明らかにしてきた。
その川嶋あいさんは、冒頭でふれた新聞記事のなかでもぶれていない。
「やる気のない若い子が多いというのは、ちょっと違うと思う。ニートと言われる人たちは優しい人が多いと思うんですよ。優しい人がはじかれてしまう社会なんじゃないですか」
と、ニート批判を切り返すのだ。
「20歳になって、次の目標はありますか」との最後の問いには、
「一人の人間として何か私にできることはないかと考えています。私と同じように両親のいない子どもたちはたくさんいるし、世界を見渡せば生まれてすぐに死んじゃう子たちも多いですよね。今までためたお金で、アフリカに学校を作る活動も進めています。歌手川嶋あいとしては、自分にしか歌えない歌をずっと歌い続けていくことが目標です。」
としめくくっている。
その彼女は、都内の児童養護施設にも子どもたちのために歌いますというお知らせを送っているそうだ。
今年8月10日に出版された『最後の言葉 コミック版』(原作:川嶋あい 漫画:高山繭 ゴマブックス)を、ネット注文を経て今日手にした。
夏休みも最後の週を迎える子どもたちに読んでほしい1冊。いや、子どもたちに厳しさを負わせているおとなたちにぜひとも思う。
多方面で活躍するピアニストとの共演作『ピアノソングス ~路上集2号』は8月23日に発売されたばかりだ。彼女の目標にむかって。
【ブログ内関連記事】
・一番守らなければならない施設で(2006/7/6)
・コミック『涙100万粒のキズナ』(2006/6/9)
・思春期の中高生に読んでもらいたい 川嶋あい『最後の言葉』(2005/8/31)
・大切な約束 ある歌手の愛を知って(2005/8/15)
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コメント
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へぇ。そんな人がいるのか。
遅ればせながらオレも探してみよう。
投稿: PIKO | 2006.08.27 08:44