藤原紀香さん、井上ひさしさんと憲法対談
8月は戦争や憲法について考えるきっかけが身近にたくさんある。
このブログでも、テレビの特集や演劇、映画など、そのきっかけのいくつかにふれてきた。
雑誌はこの時期、お盆休みをはさむ関係で、2週分をつめこむ夏休み特集がくまれているが、『週刊現代』(講談社)の2006/8/19・8/26号(表紙は米倉涼子)の「8・15スペシャル対談」が興味深く、手に取った。8月7日に書店やコンビニにならべられた号。
「井上ひさしVS藤原紀香『私たち、日本国憲法の味方です!』」という特集対談だ。
8月15日の終戦記念日に「この国のかたち」を改めて考えたいと、いうリードで始まる。
女優としての活動を続けながら、アフガニスタン等の戦禍の地を、カメラを手に訪れている藤原紀香さん。私も、2003年に「藤原紀香アフガニスタン写真展 アフガンの子どもたちの未来のために」に足を運び、彼女の本物の活動にふれることができた。彼女が撮った『カンダクゥ~笑顔で~』(撮影:藤原紀香 日本テレビ出版網 2002年12月出版)も持っている。
ただ、それ以降は知らないできた。
イラク戦争直前には戦争でない道をというメッセージをホームページで発信したことは知っていたが、社会的な発言の多い作家で「九条の会」のよびかけ人でもある井上ひさしさんとの今回の対談には驚いた。
井上さんが第二次大戦時と現在の愛国心の強制を重ね、「自分が行う政治を愛せという意味でしかない」と小泉首相の姿勢に批判したのに対し、彼女も「純粋な愛国心が巧みにすり替えられてしまうんですね」と返している。
さらに、「私がやっているのは小さなことかもしれないけれど、感銘を受けてくれた人がどんどんそれを伝えていってくれれば、何かを変えていく力になるはずです。それを信じて、これからも女優の仕事を頑張っていきながら、世界を回るつもりです」と決意をこめて話す。
国民主権を「国がやったことに、私たち国民の責任が伴うということ」ととらえる藤原紀香さん、まったく腰が引けていない。
井上ひさしさんの切り口とかみ合った対談。ほかにもたくさんのメッセージがつまっている。その他の企画記事については読みたくないものもあるけれど、ぜひ『週刊現代』を手にしてもらいたい。
重い書籍をすすめたり、大上段な講演会や、ともすれば威圧的な集会に誘ったりすることではなく、この国のかたちとしての憲法を考えあうきっかけとして、ぜひこの記事を読んでもらいたい。
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へええええ!
藤原紀香さん(と急にサン付けしたりして)っていうのも意外だけど、週刊現代っていうのも意外です。購入にしろ立ち読みにしろ、ちょっと手に取りにくい・・・。
投稿: tama | 2006.08.10 02:28
「へええええ!」の響き、いただきましたっ。買ったあと、たまたま2、3のコンビニに寄りましたが、週刊現代、なくなってました。いつも読んでる人たちが想定外の企画記事にふれてどう感じるんだろうと興味ありです。
投稿: tamy | 2006.08.10 20:21
最近、週間現代はオジサンの雑誌からの脱皮を試みているとか。読者も女性が増えているそうですね。
藤原紀香さんには私もちょっと注目しています。
投稿: さくら子 | 2006.08.11 20:24