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2006.09.07

13年半のたたかい この国の保育行政と労働行政の本質は変わったのか

保育士になることを目標に短大に入り、資格を取得して、無認可保育所に就職。希望を胸に子どもたちと向き合って・・・。

彼女の21年の人生は、園、保育行政によって絶たれることになる。さらにこの国の冷酷なまでの労働行政によって、13年半ものたたかいを余儀なくされ、遺された父親は70歳になっても娘の人生の責任を何としても問い続けてきた。

・資格取得後、1月から無認可保育所で働くが、配置基準は守られていないなか、初めての保育士業務にあたる。

・すぐに、年度末(3月)での職員一斉退職予定が判明し、次年度(4月から)の主任業務の担当とされ、すぐに新人指導、勤務表、送迎バス時刻表の作成、パソコン操作などと命ぜられる。

・調理師もいないため、保育の合間の買出し、さらに調理業務なども含めて、月曜日から土曜日まで連日12時間程度の勤務を強いられ、自宅に仕事を持ち帰ることも常態的になる。

過労で適応障害と診断され、年度末で退職、そして求職活動をするものの、その1ヶ月後に自らの命を。。。

 複数の報道などを総合すると上記のようになる。

 6日は東京都の福祉関係の審議会を傍聴してきたが、出席している委員の一部の重いには理解できたが他の委員、さらに都庁の職員の態度には驚かされたが、また別記事で書くことにする。

 他の新聞よりやや詳しく東京新聞が伝えたことをここに記しておきたい。

◆退職後の過労自殺も労災 『治癒せず』認定(東京新聞2006/9/5)

 兵庫県加古川市の無認可保育所での過労によりうつ状態となり、退職後に自殺に追い込まれたとして、神戸市の保育士岡村牧子さん=当時(21)=の父昭さん(70)が、死亡を労災と認めなかった国の処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は四日、過労が自殺の原因だと認めて、処分の取り消しを命じた。

 退職後の自殺で労災が認められるケースは珍しく、厚生労働省労働基準局補償課は「これまでに把握している限りない」と話している。

 難波孝一裁判長は判決理由で、保育所が基準の保育士数を満たしておらず、岡村さんが勤め始めて短期間で責任者を命じられたことを重視。「通常の人なら誰でも精神疾患を発症する過重な業務内容」と指摘した。

 その上で「業務が原因のうつ状態が、退職後も治癒していたとはいえない」と述べ、過労と自殺との因果関係を認定。国側の「自殺時に症状は改善していた」とする主張を退けた。

 判決によると、牧子さんは一九九二年九月に保育士資格を取得し、九三年一月から無認可保育所に勤務した。月曜から土曜まで十二時間勤務が続き、三月末には同僚の保育士六人が一斉に退職したため、新任保育士をとりまとめる主任になるよう命じられた。そのため、過労で放心状態となり、適応障害と診断されて退職。約一カ月後の四月二十九日、自宅で首をつって自殺した。

 牧子さんの自殺をめぐっては、両親が保育所を相手に起こした損害賠償訴訟で、大阪高裁が一九九八年に業務と自殺との因果関係を認め、最高裁で確定した。

 だが両親が労働基準監督署に出した労災申請は認められなかった。再審請求した労働保険審査会も昨年三月、「業務のストレスが精神疾患の原因だが、退職後には治癒していた」として棄却したため、昭さんが東京地裁に提訴した。

 小島裕・兵庫労働局労災補償課長は「判決内容を十分検討し、関係機関と協議の上、控訴するか否かを含めて対応したい」とのコメントを出した。

【ブログ内関連記事】

保育士退職後1ヶ月の自殺を労災と認定する判決 13年半のたたかい(2006/9/5)

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