5年前から何が崩されたのか
今日、あの衝撃のテロ事件からちょうど5年。
当時、職場の先輩に「あなたがアメリカの大統領だったらどうする?」と聞かれ、
「平和主義者ですけど、テロの首謀者に出て来いとよびかけて出てこないのなら、アフガンを攻撃するって言うかもしれませんね。だって数千人が殺されたんですよ」
と私は答えていた。
今考えると、狂気と言えるのだけれど、それほどの衝撃だった。
テロの首謀者はいまだにみつかっていない。
イラク戦争も始められた。
「テロとのたたかい」「国際貢献」を掲げた自衛隊もイラクへ向かった。
日本、イギリス、スペイン。戦争を真っ先に支持した国。
スペイン政権は選挙でひっくり返り、イギリスはテロ事件のターゲットとなり、ブレア首相は退陣をすでに表明した。
小泉さんだけは高い支持率のまま、子分のおぼっちゃまくん・安倍さんに改憲バトンを手渡そうとしている。
昨日、アメリカの上院情報特別委員会は、報告書を発表したそうだ。
ブッシュ政権が戦争の大義として指摘した、イラクの当時のフセイン政権とテロ組織アルカイダの協力関係はなかったと。
大量破壊兵器の保有もその実態はなかったことが明らかになっているし、完全にだまされたことになる。
なのに何の反省の言葉も出てこない。むしろ開き直っている。
5年前、格差社会なんていう言葉は聞かれなかった。
でも、いま、NHKだけでなく民放がゴールデンタイムで「格差社会」を番組名に入れて、特番を放送する時代になった。
格差社会の象徴として、平均的な所得の半分以下しかない世帯の割合を示す貧困率は、先進国でアメリカに次いで日本が2位になったと昨年から言われている。
【ブログ内関連記事】
・ほっとけない 世界有数のこの格差社会を(2005/9/23)
1年前のこの記事には今でも「格差社会」などのワード検索で多くのアクセスが寄せられている。
が、この時の数字は2000年のもの。その後5年以上がたっている。
いまの数字はもっと厳しいものになっているのではないか。
戦争を支持して自衛隊を送り込む。国内では格差が広がっている。
「再チャレンジ」「公教育の再生」など、いかにも薄い看板が掲げられ、次のこの国のリーダーがまもなく決まる。
大きな衝撃となったあの事件から5年。崩されたのは、崩れたのは、その後崩したのは何だったのか。
【追記】
「格差社会にNO!を」「共生社会にGO!」を掲げる「Under the Sun -HOME- : 太陽の降り注ぐ下 誰もが幸せに暮らせるように」に賛同します。
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投稿: Under the Sun | 2006.09.11 07:35