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2006.09.25

犠牲者はテロ事件をこえた 爆弾での攻撃を言葉で批判すべきでは?

アメリカ繁栄の象徴としてのツインタワーへの衝撃的なテロ事件。

その9・11同時多発テロ事件が起きて今月で5年。

いま、どうなっているだろう。

同時テロと犠牲者同数に=アフガン・イラクで2973人-米軍(2006/9/23時事通信)

 【ワシントン22日時事】ブッシュ米大統領が2001年9月の同時テロを受けて始めたアフガニスタンとイラクでの軍事作戦の米軍犠牲者が22日、計2973人となり、同時テロの犠牲者数に並んだ。
 国防総省によると、米軍のアフガン戦での犠牲者は278人、イラク戦は2695人。 

 あのテロ事件で命を奪われた犠牲者数と、アフガニスタンへの「報復戦争」、その後のイラク戦争の米軍犠牲者が同数となった。これを上回ることは間違いない。

 イラクの民間人は数万の犠牲を生んでいる。

 それが終結・治安改善の方向にいっているならまだ説得力はある。

 しかし、そうなっていない。泥沼の底にあるということを数字が物語る。そして、数字のひとつひとつに人生があり家族があり、そこに希望と夢があったはず。それらもまるごと奪われ、代わりに悲しみと憎しみという暴力の連鎖の根源を生み続けている。

イラクの民間人死者増加、7─8月で6599人に(2006/9/21読売オンライン)

 【カイロ=岡本道郎】国連イラク支援団(UNAMI)が20日発表したイラクに関する人権報告によると、7~8月の2か月間のイラク民間人死者は6599人に達した。

 5~6月の5818人から約13%増で、バグダッドでの死者は5106人で全体の約77%を占めており、テロと宗派対立の激化による著しい治安の悪化が数字で裏付けられた形だ。

 死者数は保健省とバグダッドで遺体が運び込まれる法医学機関の報告に基づく。7~8月の死者には、女性377人、子供47人が含まれる。同期間の負傷者は8102人に上った。

 報告は、現状について、「武装集団が不安定と宗派抗争を助長するためにテロを行い、これが暴力、報復の連鎖を生み、国全体の治安悪化を招いている」と分析。治安悪化の最大の原因は「中央統制の利いた権威ある治安体制の欠如」にあるとした。

 この戦争を積極的に支持したイギリスのブレア首相はすでに退陣の姿勢を示している。スペインはすでに選挙で戦争支持勢力が後退し、イラク戦争への参加を批判する政治に切り替わった。

 日米同盟を最優先にした小泉首相は5年半の任期を、高い支持率を保ったまま、まもなく終える。その日米関係を重視する安倍さんが引き継ぐことになる。

 26日から始まる臨時国会で安倍さんが最優先で通そうとしているのが教育基本法「改正」法案。

 国と郷土を愛する態度を国家が法律として規定し、それに忠実な国民を育て、「美しい国」へと導こうとしている。

 「ゲゲゲの鬼太郎」の原作で知られる水木しげるさんは、愛国心について下記のように立場を明らかにしている。

愛国心:どうなる日本-私の視点/9 「わざわざ口にしなくても心得ている」 /鳥取(2006/9/20毎日新聞朝刊)

 ◆漫画家・水木しげるさん(84)

 ◇国には都合のいい言葉--子どもに教える必要ない

 「愛国心」は後世の為政者や批評家が使った言葉で、外国語を翻訳したような感じを受ける。軍隊ではみな「大和魂」などと言い、使わなかった。生まれた所を愛する気持ちは誰でも無意識にあるが、私にとって愛国心というのは「日本(国)を護(まも)る」と同じで、国民をまとめるのに都合がいい言葉だと感じる。
 小学生の時は教練、教練だったものの、特に愛国教育を受けた記憶はない。ただ、学校の敷地に天皇陛下をあがめるほこらがあり、写真に朝夕最敬礼させられた。しないと先生に怒られるから従ったが、今から思えば訳が分からず本当にひどいものだった。
 17歳の時、美大の受験資格を得ようと大阪の園芸学校を受験した。けれど「卒業後は農民として国家に尽くすか」と問われ、「いえ、絵描きになる」と答えたので、不合格にただ一人なった。“お国のため(自分を犠牲にする)”という愛国心を感じたことがあるかと問われれば、ない。
 早く美術学校に行かないと徴兵されると思い、夜間中学部に進学したが、20歳の時に赤紙が来た。岐阜連隊の補充兵として激戦地のラバウルに赴いていたある日、米軍の見張りを任されて双眼鏡をのぞいていた。色鮮やかなオウムに見とれていたが、その間に後方の部隊が全滅した。死と隣り合わせだった。
 国の命令なので危険な目にも遭ったが、後に戦争体験を描いた戦記漫画『総員玉砕せよ!』では、悪化する戦況に苦しむ軍人に「わたしはなんでこのような つらいつとめをせにゃならぬ」と歌わせた。今も私は、あの戦争は必要なかったと思う。遠く離れた地を攻めるなんて行き過ぎだ。
 本当に過酷だったから、ただ経験を基に事実を書いただけでも読み物になった。あんな状況では、国を守るよりもみな、自分を守ることで精いっぱい。愛国心なんて感じる余裕もなかったし、誰かが口にしたのを聞いたこともない。
 それよりも陣営で夜、あまりに疲れて肥だめに落ちたことが深刻だった。すねまで埋まってなかなか抜けず、やっと抜いたはいいが、「士官に見つかったら」と心配で……。どこにでも水があるわけではないから、飯おけで洗い、ほっとしたものだ。
 空爆で左腕を失い、ラバウルの野戦病院にいた時、現地のトライ族と知り合い、「カンデレ」という概念を教わった。たとえ敵の日本軍でも友人関係を一度誓えば、国や人種に関係なくピンチに助け合うという関係で、この考え方が理想だと思った。
 今になって、子どもたちに愛国心を教えるという。賛成しない。子どもは叫ばれても聞かないし、意味が分からないだろう。わざわざ口にしなくても、生まれた所を大事に思う気持ちは自然に育ち、みな心得ている。子どもたちは学校など、身近なことだけ知っていれば、それで十分である。【聞き手・松本杏】
  ◇  ◇  ◇
 教育基本法の改正問題などを巡り、盛んに議論された「愛国心」。毎日新聞鳥取支局は、県内の学生400人を対象にしたアンケート調査を行って若い世代の意識を探り、識者の見方を紹介してきた。今回からは、「愛国心」をどうとらえ、考えているのか、県内を中心に活躍する人たちに聞いた。
………………………………………………………………………………………………………
 ■人物略歴
 ◇みずき・しげる
 太平洋戦争時、激戦地のラバウルに出征し、爆撃で左腕を負傷。40代で人気漫画家となり、代表作は「ゲゲゲの鬼太郎」「河童の三平」など。「日本妖怪大全」ほか著書多数。故郷の境港市に03年、記念館が開館した。

 私だって私なりの愛国心を持っている。それを法律で定めてしばろうとする今の政権に強い違和感を感じる。

 高い支持率の理由を「人柄」と答える人は多いようだ。小型なら原子爆弾を持てると過去に持論を展開した安倍氏。さらに、靖国参拝について外交、政治問題だと批判する人を「よこしまな人たち」という「人柄」がどうして支持されるのか私にはわからない。

ブッシュ批判をエスカレート=ベネズエラ大統領、米誌と会見(2006/9/24時事通信)

【ニューヨーク23日時事】「ブッシュ米大統領は世界を攻撃している」-。ベネズエラのチャベス大統領は米誌タイム(電子版)との独占インタビューの中で、ブッシュ大統領に対する批判をエスカレートさせた。インタビューは25日発売のタイム誌最新号に掲載される。チャベス大統領は20日、国連総会演説でブッシュ大統領を「悪魔」と名指しし、外交儀礼を無視したとして物議を醸したばかり。
 チャベス大統領はインタビューで「ブッシュはわたしを独裁者などと呼んでいる。わたしはブッシュを攻撃しているのではなく反撃しているだけだ」とした上で、「ブッシュは世界を攻撃している。言葉ではなく、爆弾でだ」と批判を強めた。 

 以上を総合的に判断すると、私にはチャベス大統領の人柄がもっとも人間的にみえるのだが。。。

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コメント

いつまでこの「世界の警察」などと思い上がった、独裁者の茶番劇が続くのでしょうね。
しかもそれにつき合わされた結果、こんなに多くの方の尊い命が奪われているなんて、目の前が真っ赤になるほどの怒りを覚えます。
発展途上国の資源をすべて吸い上げて、不満が出ると武器を渡して内線させ、
理由をつけては軍事予算のための戦争をしまくり・・・
死刑廃止論の私ですが 世の中のために死んでしまえとまで思いそうになります。

水木しげるさんは戦争の本もお書きになっているようですね。
以前から気になっていたのですが 本日の記事を拝見して、がぜん興味を持ちました。
気持ちのあたたかい人なんだなあ・・・

最近、国旗国歌の裁判の関連で、自称愛国者の方のお話をよく拝読するのですが
「自分の大切な人(家族)を守るために戦う」=「愛国心」という定義でお話されている方が多いように思いました。
私は、愛国心と聞くと、「国家(政府)のために戦わされる」、という印象を持つので
右と左ではそのあたりの見解の相違があるのでしょうか。
しかし 「戦争すること」より「戦争に負けること」の方が、おおいに惨めで我慢ならないことだという意見はよく分かりませんでした。
戦争を回避するより、敗戦することを回避するために軍備を、というロジックは不思議です。

「わざわざ口にしなくても、生まれた所を大事に思う気持ちは自然に育ち、みな心得ている。子どもたちは学校など、身近なことだけ知っていれば、それで十分である」
傷ましい事件のニュースを聞くたびに、子供が子供らしくすごせる状況を維持していくことの大変さを思います。
最近、児童書のコーナーで見た本です。まだ買ってませんが、いい本でした。
「アフガニスタン山の学校の子どもたち」
http://www.h-nagakura.net/book.html
うまく言葉で表せなくてエントリーできていません。

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