10月28日午後3時5分からNHKスペシャル「硫黄島 玉砕戦~ 生還者 61年目の証言~」再放送
10月28日、硫黄島での攻防戦をアメリカ側からの視点で描いた映画「父親たちの星条旗」が公開される。
「ずっと前から、そして今も、人々は政治家のために殺されている」と語るクリント・イーストウッド監督は、ブッシュ政権の対イラク政策についても、「米国が今ほど分断されたことはない。私はイラクへの介入は優先課題ではなかったと考える側だ」と批判的だ。
「父親たちの星条旗」との2部作となった「硫黄島からの手紙」は、日本側の視点で描かれ、12月9日から公開されるという。
この「父親たちの星条旗」が封切られることをおそらく意識したのだろう。
10月28日(土)午後3時5分~3時54分、NHKスペシャル「硫黄島 玉砕戦~ 生還者 61年目の証言~」が放送される。8月7日に放送された番組の再放送。
NHKスペシャル「硫黄島 玉砕戦~ 生還者 61年目の証言~」
【再放送】10月28日(土)午後3時5分~3時54分太平洋戦争の最激戦地となった硫黄島で何が起きていたのか。戦後61年目にして改めて歴史の光が当たろうとしている。
昭和20年2月から1か月の死闘の末、2万人の日本軍守備隊は援軍や補給を断たれて「玉砕」、その戦いは本土決戦に向けて国民を鼓舞する象徴とされた。しかし兵士たちはどのように玉砕戦を戦い、命を落としていったのか、これまでその詳細が語られることはほとんどなかった。負傷した結果、米軍の捕虜となり、奇跡の生還を遂げた元兵士もいたが、犠牲者への配慮から口をつぐんできたためだ。
今回、捕虜尋問記録をはじめ米軍資料やわずかに残る生還者の証言から浮かび上がった真実。それはいわゆるバンザイ突撃のような玉砕ではなく、兵士一人ひとりが楯となり、米軍の占領を遅らせ皇国に寄与する、という凄まじい持久戦だった。命令系統は崩壊し、水も食料もない中、兵士たちは降伏を拒み孤立した戦いを続けながら壮絶な死を遂げていったのである。
一方、死傷者2万8千人を出す史上最悪の戦闘となったアメリカでは衝撃を受け、空襲を中心とする「味方に犠牲を出さない戦争」へと傾斜を深めていくことになる。
日米双方の兵士の証言、人が住めない島になった硫黄島の現況、新発掘の資料を徹底取材し、近代戦争の転換点と言われる硫黄島の戦闘の真実を明らかにする。
※2006年8月7日(月)午後10時~10時54分総合テレビで放送
【関連記事】
◇「政治家、殺し続ける」 「硫黄島」イーストウッド監督(2006/10/20asahi.com)
「ずっと前から、そして今も、人々は政治家のために殺されている」――。太平洋戦争末期の硫黄島攻防戦(1945年2~3月)を描いた米国映画「父親たちの星条旗」の公開を前に、監督のクリント・イーストウッド氏(76)が19日付の仏紙ルモンドに自身の戦争観を語った。
「硫黄島で戦死した米兵は平均19歳。15歳もいた」。監督は当時15歳。4年後に徴兵されたが、朝鮮戦争(50~53年)には行かず、故郷カリフォルニアで軍の水泳指導員などを務めた。続くベトナム戦争についても「若者を地獄に送っただけ」と距離を置く。
「米国が今ほど分断されたことはない。私はイラクへの介入は優先課題ではなかったと考える側だ」と、現ブッシュ政権の対応を批判する。
「政治家たちは最前線にいる者の運命より、自らのちっぽけな権力を行使し、保持することに関心がある」と厳しい。
硫黄島の高地に星条旗を立てる兵士の写真は、当時の米政府によって戦費調達キャンペーンに使われた。だが「真実」は別にあった。兵士たちの運命をたどる「父親たちの星条旗」は、日本側の視点で描いた「硫黄島からの手紙」(主演・渡辺謙、12月公開)との2部作で制作された。
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