出直してよ!「障害者自立支援法」10.31大フォーラム イエローリボンを身につけて
今日は、日比谷公園で集会スタッフのお仕事でした。
10月から本格実施された、障害者自立支援法をご存知でしょうか。
障害者が受ける福祉に、生きていく権利に対して、原則1割の定率・応益負担を強いる制度に変えられたのです。
払える能力に応じた応能負担制度からの大転換です。
そんな制度では、生きていけない、人としての生活ができない、と
という行動が、日比谷野外音楽堂や日比谷公会堂を中心に、日比谷公園で繰り広げられ、障害者やその施設職員など、1万5千人が参加しました。
障害者の抗議行動としては、史上最大の規模です。
一般参加は正午開場でしたが、要員集合の10時前に集まった私に、いてもたってもいられない不安にかられて早く来た、障害を持って作業所に通う隣県のメンバーは、「早く来たんですけど、どこにいれば作業所の人たちに会えますか」と聞いてきました。
それほど事態は深刻なのです。
私は日比谷野外音楽堂の会場誘導の係でしたが、近くには聴覚障害のみなさんがいて、ステージの歌や発言の度に、両手をキラキラとさせていました。
「そうだよ」という共感の手話なのだと思います。
上空には取材撮影ヘリが飛び、公園内にはいっぱいの人。車椅子での移動は大変な状況でした。3分間スピーチというリレートークも、3分では終わらず、厳しさの切実さが次々に出され、倍の時間がかかっていました。
選択したわけでもないのに、障害を持ち、社会参加と労働のために作業所に通うと、もらう工賃よりも高い利用料の支払いを余儀なくされる。これが「美しい国」なのでしょうか。
一からの抜本的な見直しを、言葉が不自由ななかでも、また手話で、渾身の力で訴えていました。
「平日のお昼だからそんなに来れないけれど、もっといっぱい集まってほしいよね。法律を変えてほしいって、政府とか役人に少しでもわかってもらいたいからね」
と、私に話しかけてくれた障害者もいました。
「こんなに集まったんだから、声を聞いてもらわないとおかしいですよね。こんなにいるんだから」と私は返しました。
「うん、うん」とうなずく彼。
政治の姿勢が問われています。
私の1メートル横で、フジテレビの夜のニュースのアナウンサー、滝川クリステルさんを目にしました。彼女は再三、自分の足で、関連の抗議行動を取材し、番組でも積極的に取り上げてきました。
スタジオのキャスターがレポーターに映像をふって、スタジオにもどして一言のコメントをつけて別のニュースに。現場に足を運ばないキャスターと、そうでないキャスターのリアリティー。私は違いがあるのではと思っています。
午後1時頃の取材だったと思いますが、放送は11時半過ぎ。アナウンサーの仕事の大変さも思いました。NHKは複数の取材クルーがきていて、12月2日の教育テレビの特集の一部で放送されると取材スタッフの方が教えてくれました。テレビ朝日などのカメラもみかけましたが、実際にテレビや新聞でどこまで取り上げられるのか、注目したいです。
食事も移動も時間と人手がかかります。支える職員も厳しい条件の中でもがんばっている姿があちこちにありました。
障害者の負担能力ではなく、受ける福祉サービスに対して負担を強いる制度はおかしいという一致点で集まったたくさんの人たち。
障害者という一部の問題ではなく、この国の姿勢、福祉のあり方がいま問われています。
今日のこのアクションを起点に、イエローリボン運動がよびかけられています。私もこの集会で福祉職を志す学生から300円で買い、早速ワイシャツのエリにつけました。
イエローリボン運動は、「障害者自立支援法」へのイエローカード(警告)という意味と、幸せの黄色いハンカチのイメージから「障害のある人びとの、その人らしい自立と社会参加をめざす」という2つの願いを込めたといいます。
ぜひ、賛同されるみなさんにつけてほしいです。
この国の誤りに、気づいてほしいです。
今ならまだ間に合うと思うから。
【関連報道記事】
・障害者自立支援法:見直し求め1万5千人、国会などにデモ(毎日新聞)
・障害者自立支援法の見直しを…集会に1万5千人参加(読売新聞)
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