「母親は家庭で」という安倍側近発言の影響は?
昨日ふれようと思っていた記事。でも、検索すると、この発言について本来はそうあるべきだからこの言葉に感動したというような、ブログ記事をみかけた。
◇待機児童問題で官房副長官「母親は家庭で子育てを」(2006/11/6読売新聞)
下村博文官房副長官は5日、静岡県熱海市で開かれた自民党東京都連の勉強会で講演し、保育所の入所待機児童解消策について「本当にいいのか見直すべき時期に来ている。(特にゼロ歳児保育に)税金投入するなら、(母親は)無理に働かなくても、家庭でしっかり子育てをやってもらえるようにシフトしていくことが望ましい」と述べた。政府が進めている待機児童解消策の見直しを求めたものと見られる。
また、下村氏は「家庭をバラバラにする政策ではなく、人間社会の原点である家庭を再び構築していくような政策が必要だ」と強調した。
高校の必修逃れ問題に関連し、問題となっている教育委員会のあり方については「文部科学省、都道府県教育委、市町村教委、学校現場の関係を整理する必要がある」として、現在、都道府県教委が持っている小中学校教員の人事権を市区町村教委に移すことなどを検討するよう求めた。
そうかなとも思った。
でも、やっぱり違うと思ったので掲載した。
「(特にゼロ歳児保育に)税金投入するなら」という前提があるから。
家庭で育てられるべきという論理が、財政面からきている。
本来は家庭で、ということは理解できるけれど、そうではない。(講演全体をきいたわけではないが)。
「核保有議論」推進にしても、安倍さんが本当は言いたいことを周囲が言って様子をみているのではないかと私はみている。
中川政調会長や中川幹事長、高市早苗少子化担当大臣などなど、目玉として重用した政治家は、従来安倍さんが言ってきた考え方に近い。
下村博文副官房長官は、なかでも安倍側近と言われてきた人。この発言の影響がどう出ていくか。簡単な空振りでは終わらないのではないだろうか。
« 宮崎あおいさんも『この国が好き』 | トップページ | ゼロ歳児保育見直し発言に高市大臣が不快感 »
「保育」カテゴリの記事
- 少子化で揺らぐ保育園 保育士などを増やせる政策を(2022.05.05)
- 就職したばかりだけど、職場がおかしいので退職したいという人へ(2022.04.16)
- ドラマ『逃げ恥』と『ダンダリン』のセリフが保育園の職員に何を問いかけているか~「やりがい搾取」を許さずに自分たちの手でよりよいものに変えていくという選択肢とは(2017.04.01)
- 保育士の賃金引き上げと増員を(2017.03.19)
- 保育士不足の背景に丁寧な取材で迫る (2015.03.29)
「政治」カテゴリの記事
- 若者が9条改憲に肯定的との先入観は誤り(2014.01.13)
- 政治に社会に組織に求められるプロセスの公開(2013.01.13)
- 子どもの権利を守るため、人にやさしい都政をつくる宇都宮けんじさんで~猪瀬さんでは保育施策は大・大・大ピンチ~(2012.11.28)
- 湯浅誠さん、都知事選に不出馬(2012.11.06)
- <声明>私たちは新しい都政に何を求めるか(2012.11.06)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「母親は家庭で」という安倍側近発言の影響は?:
» [雑記] 下村博文官房副長官に苦情メールを送りますた [常在楽園 ブログ]
下村博文官房副長官があまりにも無責任かつ時代錯誤な発言をしたので、アタマに来て、安倍首相と首相官邸、内閣府、自民党、本人に苦情のメールを送りました。
[続きを読む]
» ジャーナリストらしい仕事ぶり [ペガサス・ブログ版]
天皇がらみの一件でこれだけきちんとした取材質問をしているジャーナリストは立派だ.いや,ほんとは「普通」と言うべきなのかも知れないが,根深い「菊タブー」のせいで,ほとんどの記者が「自粛」してしまう領域なので,どうしても褒めてしまいたくなる.むしろそのような自主規制が習い性になり染みついていて,その自分たちの態度をあたりまえと思っているのだろう.
佐賀県庁のウェブサイトが知事とこの記者との一問一答を詳細に記録している.
http://www.saga-chiji.jp/kaiken/06-9-2... [続きを読む]
» ゼロ歳児保育見直し発言に高市大臣が不快感 [tamyレポート]
5日の自民党東京都連の講演で、下村博文官房副長官が「保育所の入所待機児童解消 [続きを読む]
上手くいえないけど、まず税金を使うべきところに当てないのはおかしい。
なので、保育・福祉・介護・医療や生活に関わるところできちんと使ってほしい。
その上で、国民が本当の意味で仕事と子育ての両立がしやすいように社会の労働を改善してほしい。
投稿: ぐち☆ | 2006.11.07 22:12
正体見たりですよ・・。
少子化の根源的原因は「性」と「老」にあるとおりがみは思ってます。
おおらかに性を語れないこの国は寂しい寂しい。
年をとることが「悲しく」「辛い」この国は寂しい寂しい。
だから子どもを生む「性」を拒み、若くあり続けたい欲求が「弱者」に辛い政治を選択するのではないでしょうか??
投稿: おりがみ | 2006.11.07 22:43
以下の産経報道によれば、少子化担当大臣が不快感を示したそうです。ということは、カッコ内でしか判断できなかった下村発言は、それなりの発言だったということになるでしょう。
ま、この高市さんも夫婦別姓になると社会が崩れるとかさんざんな持論ながら、自分は別姓をとっているというわけのわからない議員という印象しか私にはありませんが。
◇高市担当相、「家で子育てしろ」発言に不快感
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/26669/
高市早苗少子化担当相は7日午前の記者会見で、ゼロ歳児保育見直しに言及した下村博文官房副長官の発言について「生活やキャリア確立のために歯を食いしばって働く女性がいる。一律に仕事をやめて家で子育てしろと言い切られるのは残念だ」と述べ、強い不快感を示した。
高市氏は「子どもにとって母性が大事な時期はあると思うが、いろいろな人生、暮らし方がある」と指摘。政府が進める待機児童ゼロ作戦を継続する考えを強調した。
下村氏は、5日の講演で「保育園に入れるより、母親が家庭で1歳ぐらいまで子育てできる社会システムへの方向転換が必要だ」と発言した。
投稿: tamy | 2006.11.08 00:45