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2007.01.01

「美しい国」「豊かな国」???

あけましておめでとうございます。m(__)m

2007年スタートのエントリーは、大きなことをあえて書こうと思います。

一年の始まりの日は、新聞各紙に目を通します。

今日、日本経団連が今後の10年構想として「希望の国、日本」(御手洗ビジョン)を発表しました。

経団連:成長路線明確に 「御手洗ビジョン」発表(2007/1/1毎日新聞)

ざっと読んだところでは、成長路線を推進し、働き方も含めた社会構造を見直すだけでなく、心の中の教育にも踏み込むものになっています。国旗・国家を企業も尊重することも提言し、現在の教育に欠けている公徳心を育てることが重要だとしています。

経団連:御手洗会長に10年後の日本の姿を聞く(2007/1/1毎日新聞)

 この記事のなかで御手洗会長は、「ビジョンに愛国心を盛り込んだ狙い」について、

「豊かな国といえるには、経済的な豊かさだけでなく精神的にも豊かでないといけない。それには国民が公徳心を持つことが欠かせない。自分の住む地域を愛し、国を愛する気持ちは公徳心の基本だと思うからだ」
と語っています。

朝日新聞の投書欄「声」は、「私の美しい国」というテーマで投書を掲載しています。

私は、この切り口を好みません。

美しさを論じ合ったところで、競い合ったところで、よりよい方向に向かうとは思えないから。

安倍さんが「美しい国」を掲げた瞬間に、「美しくない国」という領域も生まれ、どこの国が美しくて、どこの国が美しくない、などという流れも出てくるはず。

記者に聞かれても、靖国について「参拝するかしないか、いつ行くか、行かないか、申し上げるつもりはない」と言ったように、「どこが美しい国なのか、そうでないのか、申し上げるつもりはない」と表面的には答えるはず。

「美しい国」を論じ合うよりも、どんな国をめざすのかという、ストレートな議論を期待したいです。

東京新聞の2つの記事が興味深いです。

「今年は日本国憲法施行から六十年。憲法前文には、先の大戦の過ちへの反省と二度と戦争の惨禍を繰り返さないという決意が盛り込まれているが、戦後生まれの首相の歴史観は依然、あいまいなままだ。なぜ、脱・戦後体制で、改憲なのか。その意味を考える年にしたい。」というデスクメモを添えた下記の実情を知っている人がどれだけいるでしょうか。簡単に、「国際貢献」などという言葉が美しそうに語られるなかで。

私たちの「美しい国へ」<1>自衛隊ベビー(2007/1/1東京新聞特報)

また、御手洗会長のいう「豊かな国」と私たちの考えるそれは一致しているでしょうか。欧米の情報ばかりが流されて、途上国の生活は「ウルルン滞在記」でしか知らないもとで、「豊かさ」についてどうでしょうか。

下の記事はとても大切なことを教えてくれているような気がします。

豊かな国は どこですか(2007/1/1東京新聞)

豊かな時代に生まれ、社会に出た時は停滞期だった25歳から35歳のさまよう2000万人を「ロストジェネレーション」と題した、朝日新聞の特集記事も同世代として読みごたえありです。

さて、「美しい国」「豊かな国」へ首相や経済界のトップが導こうとするなか、私たちがめざす国・社会はどんなものなのでしょうか。

教育の基本となる法律が変えられ、愛国心も盛り込まれたいまでも、国や社会についてのその声があまり聞こえてこないことが不安です。

声が高まる2007年になるように、私も発信していこうと思っています。

最初から難しい話をしていますが、今年もよろしくお願いします。

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コメント

おめでとうございます。

「美しい国」のモデルのような町に暮らしていて、近年、町がテーマパーク化しているように思えてしかたないのです。観光収入に大きな位置づけがあるかぎり、仕方ないことなのでしょうけど。
 暮らしの上でモデルとなるような町づくりを、是非目指していただきたいと思います。 

あけましておめでとうございます。朝日新聞の元旦の社説も,ひどかったですね。何も批判になっていない。なんだか怖い感じがしました。今年もよろしくお願いします。

winter-cosmosさん、去年10数年ぶりにその周辺の町をおとずれました。先日、その地方紙の記者の講演を聞いて、本題とはややずれたところで、腰を痛めて初めて地下鉄などが高齢者や障害者に厳しいことを思い知ったと言っていました。産経新聞も「美しい」新聞を掲げ、テレビCMでは吉永小百合さんも「美しい日本」と言っています。美しさって何なんでしょうね。

KATEKさん、おめでとうございます。いつも拝見しています。教育基本法関連では何でもありという政治の姿が見えてきましたね。身の回りのささいなことより、より政治的な色彩が強まっている私のブログですが、今年もよろしくお願いします。

民営化の嵐。
保育も逆風が吹きまくっております。
マスコミって自分は安全な高いところにいて、「二大政党」のどっちかを批判しながら生き長らえようとしてるのだと思ってます。
それはジャーナリズムとはいえない。
だからこそのブログだったりするのかな??

今年もがんばろね。

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