石原三選をうけて問われるもの
2007年4月8日は、東京都民が歴史を刻んだ日となりました。残念な歴史を。
石原慎太郎氏が東京都知事に三選。
人気が高ければ、また強烈なリーダーシップさえあれば、「もう一度夢をみよう」というオリンピック招致を全面的に支持していなくても、投票をした人が多かったということです。
他県にない「日の丸・君が代」の処分をともなった姿勢に裁判所が違憲判決を示しても。
生殖能力のない女性を「生きているのは無駄で罪」「ババア」と発言し、しかもその発言を大学教授のせいにしつづけても。
「何がぜいたくかといえば、まず福祉」といってきた福祉の切り捨て批判に、選挙間近になって中学生までの所得制限つきの医療費助成を急に打ち出したことが選挙目当てみえみえでも。
海外視察の豪遊批判、四男登用問題が明らかになって、花粉症対策ポスターを昨年末に急に増刷して、各町内会に大量に送りつけて掲示板にはらせる、選挙違反すれすれの行為が税金でおこなわれても。
週に3日程度しか登庁せず、現職知事でありながら、その作品自体の是非はともかくとして、映画の脚本・総指揮をつとめたということがありながらも。
どうしても石原さんでなければ、都政はダメになったでしょうか。
もちろん、浅野さんや吉田さんのインパクトが石原支持派に薄かったということはあるでしょう。
でも、あの、時代錯誤な感覚を300万票近い投票で追認した事実は重いです。
早速、95年の阪神大震災について「首長の判断が遅くて2000人が死んだ」と8日発言し、現兵庫県知事が「いい加減な議論はしていただきたくない。誠に失礼だ」と9日に厳しいコメントをぶつけています。また、石原氏は、都の防災訓練に自衛隊や在日米軍の参加を実現させたことについて、「来年は航空母艦を持って来いと言ってやった」と言い放ったそうです(2007/4/9毎日新聞報道)。
全体の有権者が約1000万人ちょっと。有権者全体の得票でみる絶対得票率は26%ちょっとです。三選を選択した人はもとより、三選を選択しなかった、ほぼ4人に3人の4年後も含む今後の行動が問われます。もっと早くから、政策を検証しながら、統一候補の可能性を積極的に探りながら問う必要があると思います。
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盛り上がり欠ける選挙でしたね。結局予想通りの展開でした。
投稿: toshiki | 2007.04.09 23:07
都知事選挙、盛り上がりに欠けたとは思えません。99年が57.87パーセント、03年は44.94パーセント、今回54.35パーセントですから、投票率は良い方でした。石原氏が281万票とったことで、がっかり、というのが私も直後の感想でした。
でも、よく見ると、99年知事選挙は、「革新」票は三上候補一人でしたから集中して66.1万票、03年は反石原票としてみれば、樋口+若林票で118.1万票、今回は浅野+吉田+黒川だけでも248.2万票です。石原氏は「反省します」ではじまる選挙演説でしたし、都民税、中学3年生までの医療費など、「福祉重視」姿勢を余儀なくされました。
当選直後の居丈高な姿勢は「やっぱり」ではありますが、選挙中の低姿勢をかなぐり捨てれば、都民の反発は急速に高まるでしょうし、選挙公約は果たさざるを得ないでしょう。反石原票の重さは、ボディブローのように効くようにできるし、しなければ。
せっかく政策論争が起こってきて反石原政策の深まりと広がりができたのですから、「人柄」で選んだ人に対しても、手を緩めずはたらきかけることで可能性はさらに広がります。
がっかり、げっそりは直後の率直な気持ちでしたが、知事の立場に立てば、老化現象も進んだ今後は、歩くことにかなり気を使う茨の道ではないでしょうか。「無駄遣い」説明はもう済んだでしょうか?オリンピック資金積み立てなどすんなり進むでしょうか?築地市場移転は?教育現場への締め付けは???
次期都知事選挙はへとへとの石原退陣選挙になります。この四年間の都民と地方自治への住民の関わり方如何で、状況は変わります。
吉田万三さんの選挙後のコメント(吉田万三ホームページ参照)は、早くも憲法改悪反対運動のための統一への指向でした。すてきな候補でした。
投稿: ヤマちゃん | 2007.04.13 14:18
花粉ポスターの画像です。
投稿: | 2007.04.26 22:03