2004年10月に出版されたコミック「夕凪の街 桜の国」と、今年7月28日から全国公開された映画「夕凪の街 桜の国」を、このブログでずっと取り上げてきました。
3年近くになります。
被爆62年目の夏を迎え、ぜひ原作のコミックと映画にふれてもらいたいと思いが高まってきました。
ただ、政治的に強くふれることはできるだけ控えたいとも思っていました。
でも、そうは言っていられなくなりました。
私は戦争を知らない世代ですが、下記記事の「被爆者ら」の「ら」に入れてもらいます。
私も「激怒」です。
◇首相、「被爆者から要望聞く会」を欠席へ 被爆者ら激怒(asahi.com 2007年08月01日21時23分)
広島で毎年原爆の日に政府の代表が被爆者と会談する「被爆者代表から要望を聞く会」に、就任後初となる安倍首相が欠席することが明らかになった。広島市が1日発表した。平和記念式には出席する。久間章生・前防衛相の原爆投下をめぐる失言を受けて、被爆者団体が聞く会への首相の出席を例年以上に強く要望していた。
「聞く会」に首相が出席しないのは、小泉前首相時代の02年以降、6年連続。小泉氏は首相就任直後の01年には出席した。今年の聞く会には、柳沢厚労相が代理で出席する。
秋葉忠利市長は「唯一の被爆国を標榜(ひょうぼう)する我が国の宰相が、人類史的な出来事の生き証人たる被爆者と直接言葉を交わすこともなく広島を去られることは誠に遺憾」とするコメントを発表した。
広島県被団協の坪井直理事長は「改憲を志向する安倍首相に非核三原則や核廃絶の進め方について見解をただしたいと考えていただけに残念であり、腹が立つ。被爆者から逃げているのではないかという印象さえ受ける」と話す。
参院選で惨敗した安倍政権。でも、被爆者代表と対話しない姿勢は小泉さんになってから極端になり、さらに安倍さんへと引き継がれ。。。
映画好きで知られる安倍さんは映画「夕凪の街 桜の国」の試写を断ったそうです。スケジュールなのか、姿勢としてなのかはわかりませんが。
佐々部清監督(sasabe.net ほろ酔い日記2007/7/13付)によれば、広島県知事は映画「夕凪の街 桜の国」の原作のコミック「夕凪の街 桜の国」の存在すら知らなかったそうです。
コミックは各種メディアで絶賛され、広島を走る広電の車内広告にもなりましたし、今回の映画化にあたる前から、広島の地方局のテレビや大手の新聞よりも購読数のある中国新聞などで再三取り上げられてきたのですが。
こうして考えると、政治・行政との距離感が大きすぎることをあらためて思い知らされます。
映画やコミックで涙を誘う、「生きとってくれてありがとう」という衝撃を誘うセリフ、『原爆落とした人は私を見て、“やった! また一人殺せた!”と思うてくれとる?』というナレーション。
政治とこの映画・コミックと結びつけることを嫌う人もいるかもしれません。
でも、基本的な姿勢として私は対話拒否を許せないのです。
被爆者たちはいま、残り少ない人生をかけて、実態にみあった原爆症の認定を求める集団訴訟を続け、6回連続で実質勝訴の判決を勝ち取っています。
譲りに譲って、実際に政策判断としてどうできるかは横に置いたとしても、被爆者の要望を被爆国の政府のリーダーが直接聞こうとしない政治はおかしいのではないでしょうか。
残念というより、腹立たしいです。
「思い届いた」と語った舞台挨拶を報じた映画サイト記事と、私の過去記事を読んでいただきたいです。
【tamyレポート・ブログ内関連記事】
・被爆者の要望を聞く会、5年連続で欠席か(2006/7/17)
http://tamy.way-nifty.com/tamy/2006/07/post_293c.html
※実際に欠席しました。
【映画関連報道】
◇映画/立ち見満員御礼に「思い届いた」と田中麗奈感涙! 『夕凪の街 桜の国』初日舞台挨拶 - cinemacafe.net(2007/7/28)
http://cinemacafe.net/news/cgi/report/2007/07/2223/index.html
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