保育関係予算を求めて東村山市議会が
区市町村の議会は多種多様で、地域の実情に応じて国や都道府県に意見書をあげて意見を表明することもある。数多くあげている議会もあれば、そうでないところもある。
いま、認可保育所の正規職員募集が減り、非正規の募集が増え、また企業が経営する保育施設や事業所内の施設も増える中で、その求人条件は大変低い水準になっている。人気職種といわれながら、その賃金・労働実態は厳しさを増している。
そんななか、東京の東村山市議会の意見書が10月に採択された。全面的に賛同したい。このような声が自治体から多くあがれば状況は変わっていくはず。
「子どもによりよい保育をできるよう保育関係予算の堅持」を求める意見書
「家庭と仕事の両立支援」は、1990年代以降の子育て支援策、少子化対策の基底をなすものでした。しかしながら、いまだ子育てと家庭生活を両立させることは困難になっています。「両立支援」を最先端で担い支える社会的施設として位置づけられた保育園は、低年齢児保育や延長保育の利用が増加し、一時保育等の地域の子育て支援を初め、多機能化が進んでいます。
東村山市においても、レインボープラン等に基づく、次代を担う子どもが健やかに育成される環境と安心して子どもを産み育てられる環境の整備が早急の課題となっています。
国や東京都においては、社会保障制度のあり方等の議論が進められております。
「両立支援」の問題においては、保育園が今後も地域の子育て支援の核として、子どもの最善の利益のために、さらなる役割を発揮できるような総合的な見直しを求めるものです。
また、今後さらに地方分権改革が推進されることは当然ですが、少子化対策の中核に位置づけられる保育所運営費については国が責任を持って担うべきものであります。
以上を鑑みて、平成20年度予算、その後についても、子育て家庭の多様な保育ニーズに対応し、よりよい保育が実現できるように、下記の事項を要望します。
記
1.民間保育所運営費については、現行制度を堅持し、国が責任を持って実施すること。
子どもに必要十分な質の高い保育を提供するためには、人材確保のための処遇の改善、子どもの年齢に応じた職員配置の改善がなされなければなりません。そのために、民間保育所運営費については現行水準の維持と内容の改善充実を国の責任において、財源措置を図られるよう求めます。
2.国や東京都において保育内容の質を高める保育対策等の充実をすすめること。
1 保育士等保育園職員の研修の充実
保育所保育指針の改定に伴い、これまで以上に保育園の職員の資質向上等、研修内容や実施方法の改善、職員への積極的参加等が図られることが求められています。これに関する運営の改善や保育環境の整備等、今後の取り組みに必要な財源補助を講じること。
2 保育の質を高める人材確保のための処遇改善
保育園における質の高い人材を安定的に確保し、その定着を促進するには、保育士等がやりがいを感じながら、将来にわたって働き続けられるようにすることです。公私格差の是正を中心とした人材確保のための施策の推進を求めます。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出いたします。
平成19年10月17日
東京都東村山市議会議長 丸山 登
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