認証保育所の食材費、都議会質疑のその後
3月12日の東京都議会予算特別委員会で、企業経営のある認証保育所の食材費について質疑された。
私のブログでは3月18日に、
保育園児1人の食材が1日36円(70円)?!(2008/3/18tamyレポート)
http://tamy.way-nifty.com/tamy/2008/03/post_6a8c.html
を詳細に書き、一定のアクセスをいただいた。
一日子ども一人当たり36円というもので、在園児のカウントの違いだろうが、その夜のテレビニュースでは園側は70円だとし、問題はないとしていた。
また、「ちびまる子ちゃん」よりも視聴率の高い、3月23日の日本テレビ「バンキシャ!」では、トップ特集で、この園の食材費問題での検証報道が行なわれた。番組では63円と計算して、実際に別の保育所の栄養士に買い出しと調理を再現してもらっていた。録画したDVDを何度もみたが、やはり63円でも十分な給食・おやつは提供できないと確信した。
5月28日の産経新聞東京版で続報が載った。
◇格安給食の認証保育所、都が「問題なし」(2008/5/28産経新聞東京版)
都内の認証保育所が1食36円の格安給食を出していると指摘されていた問題で、都が「指摘は事実無根。給食内容には基準を下回る栄養素もあるが、乳幼児の健康に被害を及ぼすほどではない」とする内容の文書を出すことが27日、分かった。都の調査によるとこの認証保育所の給食費は、一部都議が指摘した1食36円ではなく69円。都内の認証保育所の平均給食費200円を大幅に下回るが、必要なカロリーとカルシウムがわずかに基準を下回っているだけで、乳幼児の健康に害を及ぼすほどではなかったという。
そして、その都の通知文書を関係者から手にした。
送り先は各区市町村認証保育所主管課長、
送り主は東京都福祉保健局少子社会対策部子育て支援課長名で、
「東京都認証保育所における給食の適切な実施について」という文書。
このことについて、「東京都認証保育所事業実施要綱」等において、給食の内容は栄養給与量を満たした上で、変化に富み、季節感がある献立とし、児童の食欲を増進し、偏食の是正にも留意した献立とするよう定めています。保育所は乳幼児が1日の生活時間の大半を過ごすところであり、子どもたちの健やかな成長にとって保育所における給食は重要です。
各区市町村におかれましては、認証保育所における給食の一層の充実を図るため、施設からの給食に関する相談等に対して、栄養士等による助言・指導や公立保育所の献立の情報提供を行うなど、引き続き必要な支援をお願いいたします。
なお、先般、特定の認証保育所において、食材費が極めて安価であり、展示と異なる給食を提供している旨の情報提供がありました。調査を行った結果、食材費については指摘された額と異なり、展示についても調査時点でそのような事実はありませんでした。また、指摘を受けた保育所の給食について、当時の献立表と食材一覧をもとに栄養価の調査を行ったところ、一部に栄養所要量を下回る栄養素が見られたため、当該保育所に対して、給食内容の改善を図るよう指導しました。
今後とも、認証保育所の給食の適切な運営にむけて、御協力をお願いいたします。
退職し告発した元栄養士の努力が足りなかったというのだろうか。また、問題が明らかになってからの調査時点で展示しているものと実際に出しているものが違うことはありえないわけで、過去にどうだったのかを追及しないのも納得がいかない。
食材費69円でも、ギリギリの栄養がとれて、展示と実際の給食が同じなら、何の問題もないということになるのか。
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