母子家庭の所得が1割も減
私は、母子家庭で育ったということをこのブログでも何度かふれてきた。
自分の実父とは面識がないなか、小学校にあがると後に継父となる男性があらわれ、
小学校2年のころに再婚・転校、弟も誕生した。
その結婚生活も小学校を卒業する頃には終わっていた。
たった4年に満たず、夫婦仲もよくない夕食は団らんというよりも緊張のほうが強かったし、
離婚後、スナックで働く母は、子どもたちと早めの夕食をすませ仕事に出かけていった。
高校時代は、学校の授業が終わるのも遅かったので、ほとんど食卓を囲むこともなくなった。
2つ上の姉もいるなか、貧しいとは言わないまでも、母親は随分苦労した。
ダブルワークという期間もあった。
水商売といわれる、親にとっても子どもにとっても、親子生活をいとなむ上でできれば避けたいものだった。でも、生活していく上でやむを得なかった。母にとっても、子どもにとっても。
以前にも書いたが、私の育った市には、母子家庭への手当が他市より若干高く、私が社会に出て帰省したとき、母と同じ境遇で飲み屋で働きながら子どもを育てている30代の女性は、その手当を欠かせないものとして「役所のお父さん」と感じていると言っていた。
ちなみに、私の母は、小さな飲み屋を、この春、閉店するにいたった。還暦はまもなくだが、これからも苦労するはず。
交通事故で私の生後すぐ死んだと聞いていた実父が生きていると知らされたのは3年前だったかな。せめて成人したときに教えてほしかったけれど。
この国のセーフティネットを決めている国会議員や官僚のみなさんの多くは、世間的に立派な父親と専業主婦の家庭に育っていると思う。
だからと決めつけるつもりはないけれど、業界団体もなければ、族議員もいない、そんな一番厳しい層の声は政治や社会にどう反映されているのだろうか。
厳しい状況に置かれている人、あるいは置かれそうな人にとって、もっと厳しい人たちもいるんだからという存在にされてはたまらない。
◇母子家庭の平均所得、年212万円 前年比1割減(asahi.com 2008年06月06日20時17分)
母子家庭の05年の平均所得が、前年(約233万円)より約1割下がって約212万円になったことが、6日公表された「母子家庭白書」で明らかになった。全世帯の平均所得(約564万円)の約4割、高齢者世帯の約7割の水準だ。
05年の国勢調査では、母子家庭の世帯数は約74万9千世帯と、00年より2割増えている。母親の85%は働いており、雇用形態は常用雇用と臨時・パートが、それぞれ4割程度。
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