先のみえない働き方をどれだけの人が知っているのか
3ヶ月あったとして、1ヶ月は自由になりたい。勉強だってしたい。
仕送りの少ないビンボー学生が頑張るには、その2ヶ月はバイトを頑張るにつきる。
私は90年代後半の一時期、日中は学校に通い、夜はさまざまなバイトをした。
1行目の願いをかなえようとするならば、2ヶ月で40万近く稼いで、1ヶ月はバイトをしない。
それも、学校に行きながら。
難しい選択を迫られたが、バイトの求人誌でみつけたのは、8週以内の夜から朝までの工場労働。
当時はなぜ8週で切られるのかわからなかったが、だいたい午後八時半ごろから翌朝の5時前までの単純労働で、残業があるときは朝8時頃までだった。
厚生年金・健康保険は2ヶ月以上雇うと、使用者側は加入の必要に迫られる。
2ヶ月働いて、1ヶ月休んで、別のバイトで随分たってから元の工場労働ということもあったが、この工場で学生は私だけだった。
ほかの労働者は、期間がきれたあとをどう働くのか、切実な心配の声や情報は休憩中や休憩後の飲み屋でもやりとりされた。
2ヶ月もいない、その先関係もおそらくなくなる私を、おごりで早朝の飲み屋に誘ってくれたおじさんたちは笑いながら「お前は学生なんだから、夢があるだろうよ。もう工場に来るなよ。お前のくるところじゃない」と言いながら、何度も瓶ビールをついでくれた。一定期間すぎてまた工場で働いても同じ顔ぶれがいて、同じ飲み屋に連れて行ってもらった。
最初はこわさもあったけれど、4、5人で囲んでくれるおじさんたちは、年収200万円代、あるいは200万円をきるやさしい人たちだった。
それ以降、私は奇跡的に就職できたが、社会では日雇い派遣などの自由度が広がり、私がかつて一時的に稼ぐために働いた会社は、8週以内の働き方を変え、週単位や日雇いなどを導入するようにしたようだ。
今度の秋葉原での事件は徹底的に糾弾されるべきだと思う。
それでも、人々はいまのこのおかしな働き方を知らなさ過ぎる。
どれだけ孤独な状態に置かれるか、展望のみえない状況を、私は一部体感している。
だから言いたい。低賃金・期限つきなどの非正規雇用を変えようと。
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非正規雇用が増えるってことは、正規雇用の働き(働かせられ)方が過酷になるということ。
公務員たたき、教職員たたきもひどいが・・・。でも、たたいている方たちだって、それはもっと自分の首を絞めることにつながるんですけどね。
日本人ってのは、誰を痛めつけたがる性質がありますね。
それは、結局は自分にも跳ね返ってくるってことなのに・・・
"非正規雇用"を 実感もってその問題性を考えられる人が まだまだ少ないように感じるなぁ。
投稿: ちゅうちゃん | 2008.06.14 06:00