「200円、300円で泊まれるところはいっぱいあるんだ」
「1500円でしょ。主に使っているのはね、帰りそこなったサラリーマンだ。カフェ難民というけれどもね、あなた山谷のドヤに行ってみなさいよ。200円、300円で泊まれるところはいっぱいあるんだ」
「ファッションみたいな感覚で1500円で泊まってね、助けてくれってのはね、ちょっとね」
「1500円という大金で泊まって、大変だ大変だと」
「簡易宿泊所として使われているようだけどね、そこにいる人間たちが格差・差別のなかで派生してきた犠牲者というのは一方的なとらえ方」
※上記は一字一句正確な引用ではありません(テキスト版は都庁ホームページで1週間後に掲載)
今日10月4日の朝日新聞東京版の「ネットカフェ難民よ『安い宿はある』」という記事に驚いた。石原都知事が10月3日の定例記者会見(動画では開始9分30秒から1分半程度)で、1泊1500円といわれるビデオ個室に聞かれ、その持論が展開されたのだ。
朝日新聞によれば「300円で泊まれる宿なんて昔の話」「現在は相部屋の安いところで1泊800円程度」という。
格差の広がる都市の知事を9年半やって、この程度の認識とは信じがたい。
この知事、2年半前にも都議会で「今、日本にある格差は決して危機的なものだと思いません」とした上で、次のように述べている。
〇石原知事 いわゆる正社員にもいろいろなタイプがございますね。しかし、それに比べて、例えばいわゆる三Kといわれているような仕事に従事している正規の就労者もいますし、あるいは日本に滞在している外国人が、日本人はそういう仕事をしたがらないから、自分たちがかわってやるといって働いている人がいますが、そういう方々に比べて、フリーターの方がはるかに収入を持っている人はたくさんいますよ。
例えばNHKのこの間の特集見ましたけれども、まあ内外の通貨の格差もあるんでしょうが、フリーターとして適当な時間働いて、ためたお金を持ってタイ国のどこですかな、そこはいやしの村とかいうそうですけど、そこに多くのフリーターの日本人が集まって、そこで食べられるだけ食べ、遊ぶだけ遊んで、そしてお金がなくなったら日本に帰ってくる。こういう状況っていうのは、やっぱり社会が裕福にならなかったらあり得ないことじゃないんでしょうか。
それでですね、フリーターとかニートとか、何か気のきいた外国語使っているけどね、私にいわせりゃ穀つぶしだ、こんなものは。今、手不足で困っているのに、働く場所がいっぱいあるのに、なぜ働かないんですか。ニートなんか、親が甘やかしているからじゃないですか。私は、こういった人間たちの収入を数値にして、それだけあげつらって格差だ、格差だというのはナンセンスだと思います。http://www.gikai.metro.tokyo.jp/gijiroku/yotoku/2006/d6216214.htm
(2006/3/14東京都議会予算特別委員会)
石原知事には「200円、300円で泊まれるところはいっぱいある」というのだから、1度だけでいいので、その宿泊施設に泊まっていただきたい。まず、いっぱいあるという200円で泊まれる施設を1つでもいいので示してほしい。
政治のあり方、政治家・議員の姿勢が問われていないか。
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