「派遣切り」や貧困問題に私たちができること
97年から98年半ばまで、
苦学生をしつつ、製造業の非正規労働者として、
いまは派遣に置きかえられた夜間労働をしていた私。
また、専門的な資格を持たない母親のもと、2回の離婚もあり、
生まれてから中断もありながら18歳までの14年間を、
母子家庭で育った私。
さらに、労働組合の職員という仕事をし、来春で10年を迎える私。
どうしても、いまの社会のあり方について、この年の瀬、厳しく問わずにはいられません。
「大量の人員削減を進めるトヨタ自動車やキヤノンなど日本を代表する大手製造業16社で、利益から配当金などを引いた2008年9月末の内部留保合計額が、景気回復前の02年3月期末から倍増し空前の約33兆6000億円に達したことが23日、共同通信社の集計で明らかになった」(2008/12/23共同通信)
というなかで、数万人、あるいは年が明けるまでには10万人をこえるような、非正規・派遣を切り捨て、さらに切り捨てようとする今の企業・働かせ方のあり方を、
みなさん、許していいのでしょうか。
物価も上がる中、庶民の生活防衛の大切さは私にもわかりますし、私も報道にふれ、またスーパーに行くたびに実感しています。
年の瀬を迎え、「お歳暮」「帰省」「おせち」「お年玉」・・・。
ふところが寒くなる中、派遣・非正規とかかわりの薄い人たちにも大変さは広がっていると思います。
でも、でも、です。
大企業の縁の下として、不安定で低賃金でボーナスもないなか働き、その企業の収益が厳しくなってきたからと、いきなり厳しい層を切っていいのでしょうか。
庶民に実感はなく、大手企業にこそ実感のあった、戦後空前の長期の「景気回復」を支えた彼らがなぜ突然切られてしまうのでしょうか。
年が越せるのか、そんな不安が広がる中、
派遣法の抜本改正をめざす共同行動ブログに
12月31日から1月5日まで日比谷公園での「年越し派遣村」開設が告知されています。
数日前に私も知っていましたが、そのルートでは「防衛上の理由で30日に発表」とのことでした。
30日に発表して、誰が知りえるのか。
これだけマスコミが派遣切り問題を報道しているなか、防衛上の問題が起きれば、さらに大報道になって、防衛をさせる方にとってメリットはないのに。。。
少なくとも、派遣村があるぞということは広く知らせるべきです。
判断力が理解できませんが。
そんななか、すでに一定の情報が流されています。
仕事と住まいを奪われる「派遣切り」被害者の労働相談、住居相談、生活相談の窓口を開設します。
「年越し派遣村」
日程:12/31(水)~1/5(月)
場所:霞ヶ関、日比谷周辺
活動:
①相談活動(労働相談・住居相談・生活相談…)
②食事対策(朝・昼・晩の炊き出し)
③住居対策(ハローワークが開く1/5までの簡易宿泊)
開村式:12/31(水)10:00(予定)
相談活動:12/31(水)~1/4(日)13:00~18:00
主催:「派遣村」実行委員会
事務局:全国ユニオン03-5371-5202
「派遣切り」が集中する12/31及び直後の退寮日は、相談窓口となるハローワークが開いていません。ハローワークが閉まっている12/31から1/4までの相談窓口を開設し、あわせて住まいを奪われた労働者のための緊急食事対策・住居対策を実施します。
1/5(月)には、厚生労働省への要請、国会請願デモなどを計画しています。
12/29頃、記者会見を開催し、詳細をお知らせする予定です。
とあります。
さらに、同ブログで支援の訴えが。
◇年越し「派遣村」カンパ物資について(2008/12/26)
http://mutokyo.blog57.fc2.com/blog-entry-41.html
既に、多くの方から、カンパをいただいております。
本当にありがとうございます。
様々、カンパのお問い合わせも併せていただいているところです。
各方面に手配して、物資の手配を行っておりますが、
皆さまにお願いできればと考えているものは、次のようなものです。米、飲料水、間食類、ホカロン等、新品の下着等です。現金のカンパも勿論歓迎です。銀行口座及び、物資の送り先はは下記の通りです。
みずほ銀行銀座支店(普通)2692964
「派遣村寄付金口座 弁護士 棗 一郎」〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-16-13MKビル2F全国ユニオン気付
℡03-5371-5202. Fax03-5371-5172.数々の制約があり、カンパに関しても、ボランティア等に関しても、
『詳細一覧、下記の通りでございます!』という具合にご提示できなくて申し訳ありません。
適宜、リリースいたしますので、宜しくお願い申し上げます。事務局 安部 誠
とのことです。
この冬、勤務先の最寄り駅の近くに、30代から40歳くらいと思われるホームレスと思われる女性をみかけます。
派遣切りだけではなく、貧困問題としてとらえるべきだと私は考えています。
貧困問題が、一部のニュースの、さらにモザイクをかけた知らない人の問題ではなく、
身近な問題としてとらえられ始めた2008年。
一人ひとりができることを、新しい年にむけて考え、行動していきませんか。
12月23日のNHK「視点・論点」で反貧困ネットワークの湯浅誠事務局長が「派遣切り」について、その視点を明らかにしています。まったく、同感です。
NHK「視点・論点」 派遣切り 反貧困ネットワーク湯浅誠事務局長(2008/12/23)
http://jp.youtube.com/watch?v=4b2loVd-WMk
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トヨタの車を買わないこと。
御手洗さんの言い訳は何なのでしょう。
キャノンの個人向け商品を買わないこと
弱い一個人が結集して不買運動をしなければならないです。
投稿: トヨタキャノンソニー | 2008.12.28 21:06