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2009.01.21

保育士の資格要件の緩和で合意する経団連と労働組合

1月15日に、日本経団連と労働組合の連合が「雇用安定・創出に向けた労使共同宣言」http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/rengonews/data/20090115_sengen.pdfを行ったことは大きく報道された。

その内容に驚いた。

「新たな雇用の創出も不可欠である。とくに、医療・介護・保育等の分野でのマンパワーの前倒し配置、環境・農業・教育分野での雇用創出、社会資本の復元・整備等、社会が必要としている分野における雇用創出策を、公的支出も拡大しつつ、早急に実施すべき」

として、

2.雇用の創出
(3)国民生活の安心確保に向けた基盤整備
①高齢者向けの多様な居宅・介護施設の整備
②保育所など子育て支援サービスの拡充
③介護・保育分野の有資格者の復職支援、資格の取得支援
④保育従事者拡充に向けた資格要件等の緩和

をも掲げた。

①から③は望ましいとしても、④は、病院で言う、看護師、准看護士のような、保育士、准保育士という、専門性の切り下げに誘導されかねないように危惧する。

これまでも規制緩和論者たちが主張してきた、子育ての終わった母親に短い研修を受けさせ、安いコストでまかなえないかという議論に加え、失業者らも簡単にその資格をとれ、働けるようになるということに。

今回の共同宣言に、労働組合最大手の連合が経団連と名を連ね、保育に関する上記要望をしたことがあまり知られていない。

これでいいのか、労働組合と保育現場の経営者と職員、そして保護者ら子育て世代に厳しく問いたい。

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コメント

保育士の資格って、専門学校さえ卒業していれば結構取り易い資格だと思います。
仕事をしながら、子育てしながらだって頑張って取得出来るし。
あくまで看護師国家資格と比べて…ですけれど。

個人的には、質を求めるならあまり基準を下げない方がいいような気がします。
なかなか進んでいないようですが、何年も前から准看護師も廃止の方向で動いていると言われています。
今だけのことじゃなく、これからのこと全てひっくるめて考えて欲しいですね。

まったくもう、お手洗いのジジィめ・・ろくなことを考えないよ。あ、失礼いたしました。つい心の底にしまった本音が・・・オホホホ。

保育士養成課程のあるすべての大学短大専門学校の教育に足りてないのは
保育士の労働者としてのあり方を教えていないこと。
保育労働の血みどろの歴史を教えていないこと。
だと思ったりします。

保育って楽しいだけじゃない。
時には心身の健康を損なうし・・
それはどんな仕事でも同じだろうけど。

5年働いたらもったほうみたいな業種だから教えてなんだろうなぁと・・違いますかね??

このはさん、どうも。ザ・ニュースペーパーのコイズミさんが、医療改革にふれて、忙しくて人が集まらない、給料も安いというのなら、看護師、准看、その下に「悪循環」という資格の、ただ笑っているだけの励ますだけの職員を置けばいい、なんて言ってましたが。ほんと、対人の仕事のきつさ、なんとかしたいものです。

おりがみさん、ども。子どもが好きなら誰でもできる、みたいな世論も変えたいですね。保護者も大変ななか、分断されずに保育者の専門性を考えあいたいです。

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