保育園の面積基準になるほどと思う大臣
鳩山総務大臣の「かんぽの宿」「東京中央郵便局」へのここにきての言及については、主張の内容自体には賛同できても、タイミングや背景に私は疑問を持つところもあるわけだけれど、保育の基準は守るべきではないかという認識については「よく言った!」と思う。
1月末に麻生内閣になって初めて行われた「国民対話」で言及したもの。2月下旬になってこのときの議事録が掲載された。
麻生内閣の国民対話 ~強く明るく これからの日本~
テーマ: 道州制について (平成21年1月31日開催)
http://www8.cao.go.jp/taiwa/report20090131.html
〔鳩山総務大臣〕最後の方の問題意識も同じですよね。国というのは一体何なのかということを考えなければ道州制の議論はできないよと。つまり、日本という国が国民の安全・安心とかそういうことに最終責任を持ってくれるという安心感がないと、地方分権を進めてもおかしなことになるんじゃないですかというのは、これはよく聞く議論なんです。
一例を申し上げますと、保育所関係で、いわゆる国の義務づけ・枠付けがあるわけです。ゼロ歳児はどうとか、何歳児は何平米とか、遊ぶ場所だとかがあります。私は専門ではないが。これを規制緩和とか地方分権の観点から外せという意見が強いです。しかし、保育所の場合は幼児の命にかかわる問題でしょう。命にかかわるものまで外したら どんなことが起きるかという強い懸念の声が、全国から私に寄せられているのです。
今の地方分権改革推進委員会の件ですが、はたと困っているところなんです。国のやることはスリムにスリムにということで、外交だ安全保障だというけれども、国民の命にかかわるようなもの、食品の安全は都道府県ではなく市町村がやればいい、国がやる必要はないという意見もあるわけだけど、でも国民の命にかかわるようなことであるならばやっぱり国が保障してあげるべきだ。だから保育園の面積基準なんかは絶対に外してはならないという話を聞くと、なるほどと思う部分があるのです。確かに、国がもっと今の国よりしっかりなくちゃ分権の議論はできないというのも耳が痛いけど、よくわかる。
一方で、
【単刀直言】丹羽宇一郎・地方分権改革推進委員長 亡国を防ぐ分権改革(2009/3/2産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090302-00000061-san-pol
のように、『例えば保育園の幼児1人あたりの動ける範囲として3・3平方メートルの面積を確保する「しばり」があります。東京都が3・0平方メートルにしたら、何か命にかかわりますか? 各地域に任せたらいいじゃないですか。』と言ってはばからない分権論者もいる。
いま、私たちの前にあるのは大きな岐路。
〔参考サイト〕
保育園面積基準緩和は許さない!! - [幼稚園・保育園]All About(2008/7/24)
http://allabout.co.jp/children/kindergarten/closeup/CU20080724A/
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