東京五輪招致視察、子どもたちをサクラに
石原都知事がリードするオリンピック招致は、やっぱり支持できない。
タレントの「逮捕」騒動でただでさえ考えるべきニュースの枠が小さくなったなか、さらにオリンピック招致のスポンサーを抱えるテレビニュースなどはオリンピック招致に対する批判の声を報じなくなっていた。
国際オリンピック委員会(IOC)の視察が4月中旬に行われたが、江東区内の多くの小学生がその視察の歓迎に動員された、もっと言えば「さくら」に使われた疑いが強いことは、もっと問題にされるべきではないか。
環境都市・東京をアピールしたい東京都側が、ゴミの埋立地につくられた夢の島公園で緑や花にたくさんの子どもたちがふれあっている姿を演出したかったものと推察できる。
◇江東区が小学生“さくら動員” 五輪視察説明せず5000人(山陽新聞ニュース)
http://www.sanyo.oni.co.jp/newsk/2009/04/22/20090422010007931.html
東京都が招致を目指す2016年夏季五輪で、江東区が国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員会が視察することを児童らに知らせずに、視察先の夢の島公園(同区)で校外学習を実施、区内の小学生5000人以上を集めていたことが22日、分かった。
視察当日の17日は実際、公園で評価委員と出会った児童らが歓迎する場面があり、都の招致委員会も記者会見で「行く先々で子どもたちや人々の笑顔に迎えられた。評価委員も常に笑顔で応えていた」としていた。
区総務課は「校外学習と評価委の視察は無関係。同じ日になったのは偶然で、児童に説明する必要はない」としている。一方、五輪招致反対グループは「歓迎の“さくら”として動員したのが本来の目的のはず。批判を心配して校外学習と言い張り、児童には説明をしなかったのだろう」と指摘している。
区によると、区や区教育委員会は17日、五輪の競技会場に予定されている夢の島公園で、五輪出場選手らとスポーツを体験する「江東こどもスポーツデー」を開催。平日だったため、43校ある区立小のうち希望した34校の4-6年生計5278人が校外学習として学校から貸し切りバスで集まった。
(4月22日20時1分)
通常の報道記事は少ないが、4月27日の朝日新聞の投書欄「声」にその小学生の母親の投書が掲載され、内情がわかる。
「昨年までは近くの公園に歩いていく」「春の遠足は全学年で縦割り班を作り、学年を超えた子どもたちのつながりを築く絶好の機会」だったものが、「新学年の保護者会での1年間の行事日程の説明」で変更が伝えられ、「決定事項で、質問もはばかる雰囲気」だったという。「小学校の全校遠足で夢の島公園へバス」で行く遠足に変えられ、「縦割り班の活動はなく、クラスごとにドッジボールなど」の内容だったそうだ。「東京都からのおみやげとして、菓子パン2個とウーロン茶、バナナをいただいて帰って」、バス代も無料とのこと。
歓迎のサクラ役が優先される教育と、税金の使い方に疑問を投げかけている。
つくられた歓迎ムード、利用された子どもたち。
あまりにひどくないか。
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