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2009.10.18

保育所の基準緩和への批判記事の一方で、社説で基準の緩和主張

10月に入って、保育所の国の基準をなくして地方の判断で切り下げてもいいとする動きを歓迎する報道が続いていた。

今日、やっと、警鐘を鳴らす新聞記事をみつけることができた。

◇「保育所詰め込み招く」…「地方で基準」勧告に動揺(2009/10/18読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20091018-OYT8T00234.htm

 認可保育所の面積などを国が定めた「最低基準」をめぐり、政府の地方分権改革推進委員会が地方で基準を定めることができるよう勧告したことで、保育所の利用者や保育関係者の間で動揺が広がっている。「財政難の自治体に権限移譲すれば、子どもの詰め込みを招く」と、政府へ働きかける動きも出ている。

 厚生労働省の省令では、子ども1人当たりの保育室の面積を2歳以上なら1・98平方メートル以上、保育士の人数についても4、5歳児なら子ども30人に保育士1人以上などとするよう最低基準を定めている。基準を満たした保育所を都道府県が認可し国などが補助を行う。

 地方分権委は7日の勧告で、待機児童が多い都市部では保育所の用地確保が難しいことなどから、自治体が独自基準を設定できるよう見直すことを提言した。

 これに対し、全国の認可保育所の9割以上が加入する「全国保育協議会」は、「現行の最低基準でも子どもに十分な環境とはいえない」「地方財政が逼迫(ひっぱく)するなか、基準がさらに低下しかねない」など緊急アピールを発表。地域によって、子どもが育つ環境に格差ができることにも懸念を示した。

 「保育園を考える親の会」(普光院(ふこういん)亜紀代表)も、政府に緊急要請を行った。「都市部の待機児童問題は、一刻も早く解消しなければならないが、働くために、子どもたちにとって望ましくない環境を選択せざるを得なくなることは保護者の本意ではない」として、「国基準を満たした保育施設を緊急に増やすことが必要」と訴えた。

 「全国私立保育園連盟」や、父母や保育関係者で作る「全国保育団体連絡会」なども、政府への要請を行った。

 最低基準は、戦後間もない1948年に制定され、面積基準などはその後もほとんど変わっていない。そのため、保育環境の向上に取り組む先進諸国に比べ、日本の基準は低くなっている。

(2009年10月18日  読売新聞)

が、一方で、同じ日の同じ新聞・読売新聞は社説で基準の緩和をやはり主張している。

「一定の質」というなら、地方の判断などと言わずに、それがたとえば具体的にどの程度なのか読売私案を示すべきだ。

◇待機児童急増 働く母親の切実な声に応えよ(2009年10月18日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091017-OYT1T01136.htm
 「私も保育所を探すために苦労し、子どもを学童クラブに入れるため引っ越しもした」――。

 福島少子化相は自身の体験をこう語り、子育て支援に積極的に取り組む姿勢を示している。どのような具体策を打ち出すのだろうか。

 認可保育所への入所を待つ「待機児童」が大都市圏を中心に急増している。子どもの預け先が最後まで見つからず、育児休業後の職場復帰を断念する人もいる。

 厚生労働省が発表した4月の待機児童数は、昨年より30%も増えて2万5384人に上った。

 全国2万2925か所の認可保育所の定員は213万人で、最近5年間で10万人増えている。それでも、供給が追いつかない。

 政府や自治体は緊急策を講じ、子どもの預け先が今すぐ欲しいという切実な声に応えるべきだ。

 大型マンションの建設が相次ぐ東京都江東区では、新築マンションの一角に保育所を配置する施策を進めている。学校の空き教室などの利用も有効だろう。

 政府の地方分権改革推進委員会は、認可保育所の設置基準を廃止するか条例で変更可能にするよう提言している。一定の保育の質を確保しつつ、地域の実情に応じて工夫していくことが必要だ。

 来春からは改正児童福祉法が施行され、研修を受けた保育者が自宅などで子どもを預かる「保育ママ」が国の制度としてスタートする。一部の自治体が独自に取り組んできたが、国の安全基準が確立され、普及が期待される。

 幼稚園と保育所の機能を備えた「認定こども園」の拡充も待機児童の減少につながるだろう。

 施設・人材の効率的な活用は当然だが、思い切った財源措置もとらなければならない。

 働く母親が増える中で、認可保育所の利用者は2017年には約100万人増の300万人に達すると政府は推定している。

 新政権は、子育て支援策の柱として来年度は2・3兆円、再来年度からはその倍額を投入して「子ども手当」を支給する方針だ。

 しかし、母親が安心して働くためには、保育施設の拡充は欠かせない。子ども手当と待機児童解消策との予算配分のバランスをどう考えるのか。

 連立政権の3党合意書は、今回の政権担当期間中は消費税率を引き上げないと明記したが、財源はどのようにして確保するのか。

 鳩山内閣はこうした疑問に答えて、待機児童解消に向けての筋道を提示すべきだろう。

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