保育所の基準緩和に民主党市議が質の低下の危険性を指摘
ここ数回、同じテーマで書いている。
国として最低限の面積や職員配置などを基準として保育所や福祉施設に課し、クリアされれば認可施設として補助金などが充てられるといういまの仕組みをやめるという話。
国としては定めないか参考程度に示す程度にとどめ、自治体が判断して切り下げることも「地方分権」として認めるよという動き。
民主党を中心とする政権で、現場の視察などもないまま、「政治主導」で大臣間の合意、省庁からの回答を出させ、一気にすすめるという。
業界や労組、保護者らの反対のアピールが続いていることはすでに書いてきた。
ここにきて、民主党所属の東京・武蔵野市の川名ゆうじ市議がブログで、国の最低基準を廃止しようとする民主党政権に警鐘を鳴らしていることを知った。
武蔵野市議 川名ゆうじの武蔵野blog
保育基準 地方に権限委譲 でも不安あり(2009/10/26)
http://blog.livedoor.jp/go_wild/archives/51915600.html基準がさらに低くなり自治体によっては質が低下する危険性をかなり含んでいると思う。
そして、気になるのは、野党時代に民主党が出した「保育サービスについての考え方」と相反していないかだ。また、方向性は経団連の提言にも似ている。政権交代したらじつは違います、にならないか。民主党が問われている。(一部抜粋) 全文は上記リンク先の記事参照
私がこのブログで行ってきた主張とほぼ同じだ。
民主党が7月1日に示した「保育サービスについての考え方」
http://www.dpj.or.jp/news/?num=16422「保育制度の改革にあたっては、保育の質の確保が大前提であり、国や地方公共団体は質の高い保育を十分提供するため、優先的に財源を確保すべきである。安易な規制緩和等によって質よりも量を追い求め、結果的に子どもに不利益を与えるようなことがあってはならない。また、現在国が設けている保育室の面積や保育士の人数などの最低基準についても、子どもたちに良質な保育を提供する視点で改善することが必要であると考える」
と今回の動きの方向性が違いすぎて、説明がつかないということだ。
菅直人氏のおひざもと(選挙区)の市議があえて厳しく指摘していることを重くうけとめてほしい。
保育所・福祉施設の基準の緩和については、障害者自立支援法の廃止や生活保護母子加算の復活に尽力している山井和則厚生労働政務官(民主党衆議院議員)が担当だとされている。
山井和則 衆議院議員
http://yamanoi.net/
また、厚生労働政務三役(大臣、副大臣、政務官)には、基準を緩和すれば、施設の質の低下が懸念されるという主張を持つ議員がいることも報道されている。
いずれにしても、現職市議、しかも待機児解消につながる基準緩和とされているなかでの都市部の市議の指摘に、民主党、連立政権、関係大臣はしっかり耳を傾けるべきだ。
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都市部の保育需要と子どもの育つ環境整備の「ギャップ」
自然なんか求めている保育はぜータクだと言われそうですが
12時間前後をビルの一室で生活させられる3歳未満児がこれから大量発生するとしたら・・・・保育士は黙っててはイカンと思います。
快適な生活と引き換えに失うものは大きいですね・・。
投稿: おりがみ | 2009.10.30 12:30